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倒産手続とM&A  [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

自己破産などの倒産処理をする前に、事業譲渡MAの出口を探ることがあります。

 

ただ、債務を引き継いでしまうMAは(株式譲渡、合併が典型ですね)、破産を考えるほどの負債を抱えている場合には難しいでしょう。
そこで、考える
MAは、事業譲渡が基本になるのでしょうか。


売り手が借金を整理できるだけの譲渡代金が確保できるMAを目指すことになりますが、債務が残るケースでは、自己破産などの出口が必要になります。
勿論、役員からの借入れだけが残るといいうケースでは問題はそれほど大きくありません。役員さんが会社清算手続の中でタイミングよく債権を放棄すると無駄な法人税がかからないで消すことができます。あるいは、清算手続をしない場合でも、会社の休眠状態が続くと役員さんの相続時に会社に対する債権の価値がないものとみなされ無駄な相続税もかかりません。
会社の破産を考えなくて済みますね。

 

自己破産を申し立てることを前提として(債務は残すことを前提に)、その前に、事業譲渡、会社分割などのMAを図る場合は、勿論、買収者は債務を引き継がない形を取ります。

契約をきちんと整えることは勿論、商号の続用と見られないように気を付けないといけません(例えば事業譲渡において債務を引き継がない旨定めていても、商号続用と見られる場合には名板貸責任を追及されて債務を引き継ぎかねません)。

 

倒産手続前のMAは、事業の引継ぎや従業員の引継ぎを図ることが目的ですね。
何もしないで自己破産をすると基本的に事業はなくなり(破産管財人が譲渡することをあり得ますが)、また従業員も困りますからね。

勿論、代金により申立費用を捻出する効果もある場合もあります。

  

ただ、経済的危機状態でのMAは、倒産手続等との関係で問題になることがあります。慎重に進めないといけません。売り手だけではなく、買い手も気を付けないといけません。

 

資産隠し、債務飛ばしと見られる行為はやはり対抗策が存在するのです。一時期、新設分割により優良な事業を新設会社に承継し、新設会社の株式を採算者に譲渡するという濫用的な会社分割が流行ったことがあります。会社分割により債務を飛ばすわけですね。これは、民法上の債権者取消権(詐害行為取消権)に該当しうる行為ですし、破産法上の否認の対象にもなり得ます。

 

経済的危機状態においてMAをする場合には、債権者取消権や破産法上の否認等のリスクがあるのです。MA自体は事業の廃止に伴う社会的損失を回避し、従業員等関係者の利益を守れる行為なのですが、対債権者との関係で詐害的な行為と見られる場合には効力を否定される可能性があるのです。

 

経済的危機状況に限られませんが、MAは弁護士の関与の下で行うべきでしょう。対価の相当性と対価の使いみちがよくよく吟味されます。単に会計上の財産額の変動の有無を基に判断するものではなく、会社の状況、換価の困難性等も考慮されます。
弁護士が関与する場合には、そこら辺をチェックして後で説明がきちんとできるようにします。自己破産を前提とする場合には、対価は弁護士が管理し、後で問題にならない使途にのみ使用します。

 

任意整理の場合は(リスケですね)、銀行の了承を取り付け、対価については事業継続に必要な事業資金を除き債務額に応じて債権者にプロラタ返済をすることになるでしょう(担保を外してもらう債権者は別途考慮しないといけませんね)。事業計画とセットで銀行の理解を得られるかという話です。

 

スポンサー企業を見つけて民事再生で事実上MAを行うという方法もあります。
そもそも民事再生手続をして事業を継続できるケース、スポンサー企業を見つけるのが難しく、なかなかお目にかかれません。

 

なお、事業そのものではなく事業用資産の売却の話もあります。規模の大小は別としてよくやりますね。
申立費用捻出のための売却や廃業に伴う事業の整理のための売却ですね。

こちらも当然、リスクがある行為ですので、後できちんと説明できるように計画し、資料を残して、進めなければいけません。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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事業承継、同族会社の株式の相続 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

株式公開をしている大企業と異なり、同族中小企業のオーナー株主の相続が発生すると事業承継問題が顕在化します。
相続にあたり同族会社の株式も遺産分割の対象となる相続財産になります。会社の所有者は株主です。オーナーチェンジが起きるのですね。

 

同族会社の株式の帰趨は経営権と直結する問題です。
株式を少なくとも過半数保有しなければ他の株主の協力なしに取締役選任もできず、そもそも自分の意思で経営をしていくことはできません。
後継者にきちんと株式を移行させないといけませんね。
他に相続財産がない場合などの場合には遺産分割協議において後継者が株式を集めるために高額の代償金を支払わなければならないこともあります。

 

また、同族中小企業の株式は、ほぼ例外なく譲渡制限が付いており、かつ購入ニーズもMAの場合を除きないでしょう。
仮に株式を分割相続した場合、経営をしない相続人は、株はお金が変えられないのに相続税だけを支払わないといけません(驚くほど高額な評価がされる会社もあります)。

 

勿論、時限立法の事業承継特例税制もありますが原則をお話します(特例税制はぜひ検討してくださいね)。

 

株式は今から現代表者あるいは後継者だけに集中しておく、かつ集中した株式を後継者に生前あるいは遺言により移転しておく準備をしてことが肝要です。
事業承継特例税制など国も対策を講じているところです。

事業用資産・株式は後継者に、それ以外を他の相続人に、を基本にスムーズに承継させる必要があります。

 

実際に、相続の場面において、同族会社株式がどう扱われるかなどをお話しようと思います。

 

まず、遺産分割の方法のお話です。

 

流れは、遺産分割協議 ⇒ 調停 ⇒ 審判と続いていきます。

 

遺産分割協議において、後継者が株式を単独取得する合意ができれば問題はありませんね。会社の所有者は株主です。後継者が単独取得するべきでしょう。

 

ただし、財産的評価の問題があります。協議段階では、相続税評価を参考に協議されることが多いのではないでしょうか。後継者が株を取得しても、他の財産を全く承継できない、あるいはそれに加えて代償金を支払わないといけないケースもあります。

 

代表者は会社の債務の連帯保証も負います。連帯保証債務は相続時に存在した債務(現実の債務)は各共同相続人にその相続分に応じて承継されます。
後継者としては、銀行と折衝して、相続債務である連帯保証債務を免責的債務引受(他の相続人は債務を免れる形の債務引受)することを条件に他の相続人の譲歩を取り付けるべきだと思います。誰しも保証債務は負いたくありません。実際に経営をしていない相続人はなおさらです。

 

調停も合意手続ですので、遺産分割協議と同様です。場合によっては株式の鑑定評価に出すこともありますが、そこまで至った経験はありません。費用がかかりますからね。

 

審判に至った場合は、裁判所が遺産分割内容を決めます。

後継者であること、後継者に株式を集中しないと困る事情等をきちんと説明すれば、株式は後継者である相続人の単独取得という内容で審判を出してくれる可能性が十分あります。
機械的に法定相続分に応じて分けるということではありません。

当事者の意見も重視されると思いますが、経営をしていない相続人が株式の現物を欲しいとは言わないでしょう。
その代わり、後継者は資金負担への準備が必要になる場合があります(株に価値があり他の遺産で賄えない場合など)。
評価額は、裁判所が決めます。鑑定評価に付されるケースもあります。

 

次に、遺産分割が完了するまで(あるいは調停が成立するまで、審判が確定するまで)、相続株式の権利行使をすることができるのは誰かの問題です。

 

株式は、帰属が確定するまで共同相続人による準共有になります(株式は、物ではないので、物に使う共有という言葉を使わず準共有と呼ばれます)。

 

権利行使に関しては、会社法106条にて、相続人らが権利行使者を指定し、会社に通知するというルールが定められています。

 

判例によって、権利行使者の指定は、原則として持分の過半数で決するとされています。
特段の事情がない限り株主権の行使は共有物の管理行為とみられているわけです(共有分の管理行為は持分の過半数で決します)。

それで決められずに権利行使ができなければ困りますね、少数株主による株主総会の開催がなされてクーデターが起きることもあり得ます(勿論、株主総会の定足数も関係してくる問題です)。

 

会社法106条但し書では、権利行使者の指定・通知がなくても会社が同意すれば相続人による権利行使ができるとされています。
その場合の権利行使のルールについても平成
27年に最高裁判例が出ました。
民法の共有の規定に従い、株主権の処分や内容の変更にわたるような特段の事情がない限り、やはり共有物の管理行為として、各共有者の持分の過半数で決するということです。

後継者グループで過半数の相続分がない場合には困りますね。

権利行使ができない、あるいは相続株式全体として反対の意見が通るわけです。

 

定款に相続株式の相続分による単独行使を認める旨の定めをしておくことも考えられ(そうであれば少なくとも相続株式全体が反対に回ることはなくなります)、実際にそのようなアドバイスもしておりました。上記判例の出現でその定款規定の効力が維持できるのかどうか危惧するところです。

 

勿論、経営権はく奪目的の、法の間隙を突く株主総会決議は、権利濫用としてその効力を否定される可能性はあります。

ただ、例外的に適用される理論ですので、事前にこのような問題が起きないように措置をしておくことが肝要ですね。

 

なお、遺留分制度の改正がありました。まもなく施行されることになります。

これまでは、遺留分減殺請求の制度でした。
遺言で全株式を後継者に相続させる旨を定めていても、その遺言が他の相続人遺留分を侵害する場合、遺留分減殺請求により当然に物権的効果が生じ(遺留分侵害にあたる株式が当然に遺留分請求者に移転し)、受遺者である後継者と遺留分減殺請求をした他の相続人の準共有状態が生じました。

しかし、改正民法1046条1項が遺留分減殺制度を遺留分侵害の金銭請求に変更しました。
遺留分制度によってはもはや株式の準共有状態が生じないことになります。経営の混乱は生じないことになりました。
ただし、支払請求に対応できる資産を後継者に準備しておかなければなりません。

 

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広島の弁護士 仲田 誠一

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退職・退任後の競業避止義務 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務関係でよく相談される退職後の競業避止義務のことについてお話します。
関係が悪くなった中で従業員が退職する、取締役が退任するが、ライバル企業に就職されたら困る、競合会社を設立されたら困るなどのご相談ですね。

 

競業行為とは、会社法的に説明すると、自己または第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をすることです。従業員も含めて言うと、競業会社への就職まで含むもう少し広い意味で使われていますね。

 

在職中の従業員、取締役の競業避止義務は勿論認められます。

 

従業員の場合、就業規則に定めがある場合は当然ですが、それがない場合でも労働契約上の義務として認められています。
就職という意味では、通常、就業規則で職務専念義務や兼業禁止なども定められていますね。


取締役の場合は、法律で競業避止義務が定められています。会社法356条1項1号で、競業行為を行う場合には取締役会(取締役会非設置会社では株主総会になります、会社法365条)の承認が必要とされています。従業員と異なり取締役の兼任自体は制限されていないのでしょうが、競業行為をする場合には承認が必要なのですね。

 

実際に問題となるのが従業員の退職後、取締役の退任後の競業避止義務です。

 

まず、憲法で職業選択の自由(憲法22条1項)が定められています。退職した従業員、退任した取締役が、その後にどのような職業を選んでもそれは個人の自由です。

そのため、なにもなければ退職後、退任後の競業避止義務はありません。
もっとも、不法行為に該当するような行為(従業員の大量引き抜き等)、不正競争防止法違反になる行為は、退職後、退任後であっても損害賠償や差し止めの対象になり得ます。

 

従業員あるいは取締役が退職後・退任後の競業避止義務を負うのは、契約上(従業員の場合は労働契約、取締役の場合は委任契約)、競業避止義務が成立している場合に限ります。

 

就業規則等で明確に定められている場合あるいは誓約書等の合意書がある場合でしょうか。

 

ただし、職業選択の自由との関係からそのような取り決めの有効性は制限されます。憲法は国と私人の関係を規律するもので私人間の法律関係には直接適用されないのですが、民法の解釈において憲法の趣旨が及ぼされます。職業選択の自由を過度に制限するような合理性のない競業避止義務は、公序良俗(民法90条)に反して無効とされます。

 

具体的には、競業避止義務合意の効力は、従業員の場合の裁判例の言いまわしを借りると、使用者の利益、労働者の不利益、制限期間、場所的範囲、代償の有無を検討し、合理的な範囲で認められます。
 

どんな従業員、取締役に対しても競業避止義務がかけられるわけではありません。企業に機密情報、営業秘密を守るべき利益がなければなりません。

 

その関連で、従業員の地位、取締役の担当職務などがメルクマールになります。
従業員、取締役が会社の機密情報、営業秘密に接している場合には競業避止義務合意が有効の方向に傾きます。

 

地域的な限定の有無もメルクマールです。さすがに地域的な限定がないと有効とは認められないでしょう。

 

存続期間は、ケースバイケースなのですが2年間ぐらいから危なくなると言われているようです。

 

禁止される競業行為の範囲の制限も必要です。
競業企業への転職を一般的・抽象的に制限する場合には無効の方向に、業務内容・職種等が特定される場合には有効の方向に判断されます。

 

代償措置も必要です。
退職後、退任後の競業避止義務を課しても著しく従業員、取締役の不利益はないと言える場合ですね。
対価自体の支払いだけではなく、退職金の加算、在職中の高額な賃金や特別な奨励金等も勘案されます。

 

総合的に判断されるので、これがあったら有効あるいは無効というわけではないのですが、このような点に気を付けて競業避止合意をする必要があります。

 

なお、会社を辞めた人を雇う方も気を付けないといけません。
前職の地位や職種によっては、競業避止義務の有無は確認した方がいいでしょう。場合によっては共同不法行為などの責任を追及されることもあり得ます。

 

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中小企業の債権回収対策のエッセンス2 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

前回、債権回収トラブルの要因の大きな2つのうちの1つは契約内容の意識にズレがある場合である、契約内容の疑義をなくすことが実は債権回収対策の1つの柱である、ということをお話いたしました。

 

契約内容に疑義がなくても発生する債権回収のトラブルの要因(債権回収トラブル発生のもう一つの要因)は、勿論、相手に支払能力がないという場合ですね。弁護士では手元不如意の抗弁なんて言ったりします。

 

中小企業の場合、取引先の財産や業況の把握が不十分である例、あるいは取引先事に与信枠(売掛金の枠)を設定しないで、あるいは意識もしないで、ご商売をされている例があります。なかなか手が回らないところかもしれません。

 

しかし、売掛金があるということは取引先と債権債務関係に立っているということです。
お金を貸しているということと理屈上は同じです。

 

したがって、御社も取引先に対して「貸している意識」を持たないといけません。

 

取引先へは頻繁に訪問しないといけませんね。情報収集を欠かしてはいけません。会社の雰囲気だけでも順調な会社と危ない会社は全く違います。取引先の情報が一番の保全だと思ってください。

在庫の管理状況や、荷物の搬出入状況も、日ごろから何気なくかつ意識して見ておかないといけません。
取引先が説明している状況と合っているでしょうか?

特別なことをする必要はありませんが、日ごろの意識が大切です。情報察知能力ですね。

 

売掛金の限度額(与信枠)も設定し、急激な取引増加はリスクの増大の兆候であることにも気を付けないといけません。
もしかしたら、他の取引先から断られて御社の取引量が増えているかもしれません。

 

実際に取引先の危険を察知した、トラブルの兆候が出てきたらどうしたらいいでしょうか。

 

残念ながら、契約内容にズレがあるケースではそれを解消するしかありません。
訴訟での解決等が必要な場合も多く、その解決は長期化します。契約トラブル防止のお話でも説明しましたが、契約トラブルは怖いのです。

 

支払い能力に問題がある場合には、初動対応が大事です。

 

支払いが滞るまで至らない場合は、速やかにその取引先の与信枠を引き下げないといけません。
同業他社よりも先に逃げるということです。

 

支払いが滞りそうである場合には、まずは、契約書類等のチェックをし、不備があれば補完してもらいます。契約に不備があると後で困りますので。
残高確認書などを貰うこともいいでしょう。

 

同時に、訪問・督促を頻繁に行い、「うるさい取引先」になることです。

うるさい先の順に頑張って支払うというのはよくあることです。

 

残念ながら取引先が手を挙げる(弁護士に依頼する、破産申立を考える)段階になるとどうしようもありません。

まだ、取引先が協力的なうちに、保証、相殺、商品引き揚げ、代物弁済、債権譲渡等の合意を取り付けて債権保全・回収を図らなければなりません。
同意なく商品の引き揚げや備品等の持ち出し等の取付行為がなされることがあります。後に破産管財人に追及されることもありますし、刑事の問題にもなり得ますのでご注意を。

 

勿論、取引先の協力が取り付けられない場合には、法的措置をとるしかありませんね。

ただ、法的措置は、支払能力がない相手に対しては、時間がかかり実効性にも問題が生じます(弁護士が入って自己破産の準備をされてしまうと、基本的には何もできないと思ってください)。

 

債権回収対策は、トラブル発生を防止するためのルール・仕組みづくりが大切、日ごろはアンテナを張って情報察知能力を高める、一旦トラブルが発生したら初動対応に尽きる、ということだと思います。

 

顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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中小企業の債権回収対策のエッセンス1 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務として、債権回収対策のエッセンスその1をお話しします。

法律的な側面だけではなく、元銀行員の経験からのお話も含みます。

 

皆さん、債権回収を本当に考えてご商売をされているでしょうか?

 

債権回収トラブルの要因の大きな2つのうちのまず1つは、契約内容の意識にズレがある場合です。

 

契約内容どおりのことをしてもらっていない、要求される金額を約束していない、瑕疵があるからお金を払いたくない等の理由で、相手が御社に支払う必要がないと思っている場合ですね。これがけっこう多いです。弁護士として接するメインの案件はこのような場合です。

 
原因は契約内容(約束事)の全てを何らかの書面、FAX、メールなどできちんと確認をしていないことです。
 

中小企業では、基本的な契約書類すら不備があり、口約束でいいと思っている場合も珍しくありません。
しかし、契約書類に不備があり、両者の意識にずれがあると、取引相手の支払い拒否につながります。
この点は、前に契約トラブルの防止のエッセンスとして詳しくお話ししました。

 

「言った言わない。」の争いでは話が前に進みません。契約内容の意識のズレが原因のトラブルは訴訟での解決によらなければならないことも多く、解決は長期化します。
また、契約内容への意識のズレは、御社が契約どおりの物を納めたつもりでも、先方は契約と違う物が納められたと認識して、債務不履行や瑕疵の損害賠償の主張にもつながってしまいます。

 

まずは、取引交渉過程及び取引履行過程の記録化・見える化で、契約内容に疑義がないようにしておくことが債権回収対策の1つの柱です。
手間がかかりそうかと思われることがありますが、そんなことはありません。できるだけ省力化した形でルール化、ルーティン化すれば、対策にさほどコストはかからないはずです。これをしているかしていないかは、トラブルの発生防止に大事なことはもちろん、仮に裁判になったときには有力な証拠になります。「この点さえ証拠があれば勝てるのに・・・。」と思うことは珍しくありません。

 

最初の契約内容はもちろんですが、追加や変更があった際のトラブルも非常に多いです。追加や変更があったら、必ず確認結果を残し、最終的な契約内容に疑義が生じないようにしないといけません。
契約内容に疑義がない限り、かつ御社が疑義のない契約内容を履行している限り、債権回収トラブルは基本的に発生しません。

 

契約内容に疑義がなくても発生する債権回収のトラブルの要因(債権回収トラブル発生のもう一つの要因)は、勿論、相手に支払能力がないという場合ですね。
弁護士では手元不如意の抗弁なんて言ったりします。

 

この点に関しては、またお話させていただきます。

 

今回は、契約内容の疑義をなくすことが実は債権回収対策の1つの柱であることをお話いたしました。当たり前のようなことですが、実はできていないケースが多いのです。日頃の意識が大切です。

 

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契約トラブル防止のエッセンス2 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のお話として前回契約トラブル防止のエッセンス1をお話ししました。経営活動は契約行為の積み重ねでありほとんどのトラブルは契約内容の解釈に帰趨するということ、トラブルが発生しないように防止をすることが大事であるというようなことをお話ししましたと思います。

では、具体的にはどうすればいいのでしょうか。先日顧問先企業様の役職員様にお話しする機会がありました。

かいつまんでご指摘すると、

企業のリスク管理は分離とチェック、そのための見える化、記録化が基本です。売掛の信用リスク管理の仕組み(枠設定、信用調査)を作る。
といったことは全般的なお話です。

契約については
契約過程のやりとりをすべて記録に残す。
契約書類だけで見て、受注から債権回収までのあらゆる場面をきちんと想定できるかチェックする(解釈が必要な合意は意味がない)。
トラブルが多い追加や変更の場面では、特に追加・変更内容及びそれに応じた代金額等の変更の有無等と記録に残す。
記録方法は、何でもいいが、FAX・メールで相手の確認を取ることが重要。
といったところでしょうか。

文章にすると抽象的になりますが。

大事なのは、このようなことを現場で皆が気を付け、担当者が1人で決めないということですね。そんなに面倒なことではないはずです。

誰かが気付く体制さえ作れば、契約トラブルはある程度防止できます。トラブルは、契約内容の意識のずれから生じることがほとんどですから。裁判をするとここの記録さえ残っていれば勝てるのに!と残念なケースが多くあります。

 

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