HOME > コラム > 企業法務 > 契約トラブル防止のエッセンス1 [企業法務]

コラム

< 子ども名義預貯金の財産分与 [離婚問題]  |  一覧へ戻る  |  契約トラブル防止のエッセンス2 [企業法務] >

契約トラブル防止のエッセンス1 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務のうち、契約のお話です。

 

契約トラブルで多いのは、代金・報酬金額を巡るもの(買主・発注者・委託者の契約に基づく責任)、瑕疵・債務不履行(売主・請負人・受託者)を巡るものです。

 

いずれも、当事者双方で契約内容に関する認識の食い違いがある場合です(意図的かどうかは別として)。

 

このようなトラブルをはじめとして、企業間のトラブルというのは、ほぼすべて契約内容の解釈により解決されることとなります。企業活動は契約行為の積み重ねですからね。

 

契約内容は、契約書を基本に、様々な周辺証拠、周辺事情から判断されます。勿論、何と言っても契約書などの合意文書が一番強いです。

 

また、契約トラブルの発生リスクは、契約内容の修正・変更・追加があった場合が特に高いです。契約内容の修正・変更・追加があった際にきちんと取り決めをし直さないケースが多いです。修正・変更・追加指示等の証拠も残っていないということも珍しくありません。契約内容と違うと言われて瑕疵等を主張される、代金を支払ってもらえない、あるいは修正・変更・追加に関する代金・報酬の発生の有無が争われるリスクが非常に高くなります。証拠がない中で後から「こういう約束だった。」ということを立証するのは大変です。

 

勿論、そもそも最初の契約がきちんとなされていないというケースも珍しくありません。お互い何を頼んだのか、何を頼まれたかの認識が異なり、争われます。裁判になると、契約内容が概括的で契約内容が読んだだけではよくわからない、争われている肝心な点が記載されていない、ひな型を使っただけで実態と合っていない等の理由で、契約内容はどうだったかが延々と議論される例はよくあります。

 

契約トラブルが発生すると、その解決には、時間・労力・金銭あらゆる多大なコストが発生します。特に大きなお金が入って来ないとなると資金繰りの問題が深刻なケースもあります。契約トラブルは、発生した場合の解決は当然必要ですが、発生を防止することがより大切です。

 

では、どうしたら契約トラブルは防止できるのでしょうか?契約トラブル防止のエッセンスは、またお話しさせていただきます。

 

顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

http://www.nakata-law.com/

 

http://www.nakata-law.com/smart/


カテゴリ:

< 子ども名義預貯金の財産分与 [離婚問題]  |  一覧へ戻る  |  契約トラブル防止のエッセンス2 [企業法務] >

同じカテゴリの記事

契約トラブル防止のエッセンス2 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のお話として前回契約トラブル防止のエッセンス1をお話ししました。経営活動は契約行為の積み重ねでありほとんどのトラブルは契約内容の解釈に帰趨するということ、トラブルが発生しないように防止をすることが大事であるというようなことをお話ししましたと思います。

では、具体的にはどうすればいいのでしょうか。先日顧問先企業様の役職員様にお話しする機会がありました。

かいつまんでご指摘すると、

企業のリスク管理は分離とチェック、そのための見える化、記録化が基本です。売掛の信用リスク管理の仕組み(枠設定、信用調査)を作る。
といったことは全般的なお話です。

契約については
契約過程のやりとりをすべて記録に残す。
契約書類だけで見て、受注から債権回収までのあらゆる場面をきちんと想定できるかチェックする(解釈が必要な合意は意味がない)。
トラブルが多い追加や変更の場面では、特に追加・変更内容及びそれに応じた代金額等の変更の有無等と記録に残す。
記録方法は、何でもいいが、FAX・メールで相手の確認を取ることが重要。
といったところでしょうか。

文章にすると抽象的になりますが。

大事なのは、このようなことを現場で皆が気を付け、担当者が1人で決めないということですね。そんなに面倒なことではないはずです。

誰かが気付く体制さえ作れば、契約トラブルはある程度防止できます。トラブルは、契約内容の意識のずれから生じることがほとんどですから。裁判をするとここの記録さえ残っていれば勝てるのに!と残念なケースが多くあります。

 

顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

http://www.nakata-law.com/

 

http://www.nakata-law.com/smart/

 


退職の申出に対する対応 [企業法務]

 広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務のお話です。

会社と従業員との間で退職時期に関する紛争が生じることが珍しくありません。

 

会社としては急に辞められては困る、従業員としては次もあるから早く辞めたいということですね。

 

期間の定めのない正社員などを前提とすると、民法では、2週間前までに申し出るルールです。
ただし、月給者であれば当期賃金支払計算期間の前半に次期の退職を申し出する必要があります。
5月14日に辞めたければ4月15日までに申し出るということでしょう。

 

実際には就業規則にて、1カ月前と決められている会社が多いでしょう。


その場合は1カ月前です!と言いたいところです。


しかし、どちらが優先されるかは争いがあります。
どちらかというと、就業規則の規定が裁判では認められない傾向にあると言えるかもしれません。

1カ月前を前提に動くと争われた場合、リスクがあるわけです。

 

2週間というとかなり短いですね。経営にはこういうリスクもあるということを頭に入れてください。

 

なお、退職届が出されたらアウトです。
法律上、退職届の受理の留保は認められません。
受け取らない場合には、内容証明郵便で退職の届がなされることもあります。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

http://www.nakata-law.com/

 

http://www.nakata-law.com/smart/


可否同数の場合の議長の裁決権  [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務にまつわるものとして、議長の議決権という話もあります。

 

取締役会、株主総会の出席取締役あるいは出席株主の通常の決議(過半数で行う決議)の場合、当然、議長は議決権を有することになります。

議長だからという理由で議長が議決に加われないとすると、その議決権を不当に奪うことになりますからね。
その他の団体の会議体でも同様に考えていいです。

 

一方、公的議会などでは、議長は決議に参加できず、可否同数の場合の決定票のみ有すると定められているようです。議長は公正な立場でいなさいということでしょうか。

 

そこで、各種団体や会社で「可否同数の場合には議長が決する」というような決まりを定款等で作ればどうなるのでしょうか。
実際にあるようです(
会社定款などではこのような規定は認められないようですが)。

 

「可否同数の場合には議長が決する」をいったん議長が議決に加わった上で可否同数の場合にも議長が決定票を持つという解釈はできないでしょう。
そのような解釈でおこなった決議は無効となろうかと思います。
議長が2個議決権を持つことになりますし、法定の決議であれば法定決議要件を勝手に緩和するものだからです。

議長はまずは議決権を行使せずに留保し、最後に議決権を行使するというように解釈せざるを得ないのではないでしょうか。

 

もっとも、可否同数になった後に過半数等により「議長一任」の決議が成立した場合は別です。
適式に「一任」を内容とする決議が成立したことになりますからね。

 

こう見ると、「可否同数の場合には議長が決する」というような決め事は、あまり意味がないですね。混乱させるだけのような気がします。

 

顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

http://www.nakata-law.com/

 

http://www.nakata-law.com/smart/

 


マイカー通勤、自転車通勤に対する対応 【企業法務】

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

以前にもお話ししましたが、企業法務として、従業員のマイカー通勤・自転車通勤のリスクについてもう一度お話します。

 

従業員の通勤事故において、使用者である会社が使用者責任を問われるケースが増えていることはお話ししました。会社が責任を負う場合、損害賠償額が自賠責を超える高額なものになる場合も珍しくなく、会社にとって大きなリスクなのです。中小企業で1億なんて賠償責任を負うと経営危機ですよね。

 

企業としては、マイカー通勤を許容するかどうかを明確に定めきちんと管理をしなければいけません。
そして、許容するのであれば任意保険(できれば対人対物無制限)の加入を条件として、従業員の加入状況を定期的に確認してください。

 

保険証券の確認の際には、使用目的の確認を忘れずに。
月一定以上の日数(保険会社により15日など基準が定められています)通勤に使っているにもかかわらず、保険の使用目的が「通勤・通学」ではなく「日常・レジャー」になっている場合、事故時に保険会社が対応しないリスクがあります。

 

自転車事故による損害賠償高額化の問題もお話ししましたね。
自転車保険は保険料が安いですし、火災保険や自動車保険の特約(個人賠償保険特約)で自転車事故がカバーできる場合もあります。
自転車についてもやはり自動車と同じような管理をするべきだろうと思います。

 

事故の発生頻度は少なくても、一度でも起きると金額が大きい場合があります。
損失額×発生確率で考えると、通勤事故のリスクは相応なものと評価され、きちんとした対処が必要になります。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

http://www.nakata-law.com/

 

http://www.nakata-law.com/smart/


すべてのリスクは法律に通じる? [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務は、企業のリスク管理を担うと考えています。
かつ、企業のリスク管理には、法律家の助けが必須だとも考えています。

 

多くのリスクを作るのは何でしょうか。法律です。

法律で損害賠償義務、契約責任、その他法定責任が決められているからです。
法律や判例が変わると今まで隠れていたリスクが問題となるケースも珍しくありません。

 

そして、リスクが顕在化する場合には、多くは(金銭的評価のできる損失の多くは)、法律の世界を通して、金銭的な責任が表面化していきます。

 

そうであれば、リスク管理に法律的な観点が必要ですね。法務リスクは狭く捉えられるものではないのです。

 

リスクを排除する、リスクを回避する、リスクを低減するという作業では、法律的観点から責任が発生する事態を排除・回避する、責任が発生する事態をできるだけ避ける仕組みを作るという作業が大きいウェートを占めるはずですね。

 

経営は契約の積み重ねですが、業界慣行・経験により「これで大丈夫だ」と思ってご商売をされていませんでしょうか、そのようなものは裁判では通用しません。企業トラブルはほぼ契約内容の解釈により結論が出ますが、それは法的に解釈されるのです。
リスクが顕在化したら損失は甘んじて受け入れるというのであれば、そのような経営姿勢でいいのかもしれません。しかし、実際にトラブルが発生した際にもそのように達観できる経営者の方は少ないでしょう。勿論、損失は経営にも影響を与えます。

 

「簡単な〇〇だけでも記録に残しておけば裁判に勝てたのに!」と感じる裁判は珍しくありません。ノーガードで経営をされている例が驚くほど多いと感じています。
 

やはり、日頃から、法律的な観点で企業防衛を図る意識が必要であると思います。

 

顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

http://www.nakata-law.com/
 

http://www.nakata-law.com/smart/


このページのトップへ