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コラム

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相続人に未成年者がいる場合はどうすればいいか [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。
 

相続の際、相続人に未成年者がいらっしゃることがあります。
未成年の子を残して父あるいは母が亡くなった場合や、
その後亡くなった父母の父母(祖父母)が亡くなって未成年の子が父または母の代襲相続人として相続人になる場合ですね。

 

その場合、遺産分割手続など(遺産分割協議・遺産分割調停・審判・相続放棄)を進めるにあたって、特別な注意をする必要が出てきます。

 

未成年者は単独で遺産分割協議等をすることができません。
親権者が未成年の子の法定代理人になります(民法824条)。

親権は父母の共同行使ですが、仮に父母の一方が死亡等により親権を行使できないときは、他の一方が単独で親権を行使します(民法818条)。

 

そうであれば残された配偶者(単独親権者)が未成年の子を代理して遺産分割協議等をすることができそうです。
しかし、そう単純ではありません。

 

例えば、被相続人相続人が配偶者と未成年の子1人である場合を考えてみましょう。

 

その場合、法律上、配偶者と未成年の子の利害が対立するとみられます。
外形的・客観的に法律関係を見て利害相反があるという関係になるのです(具体的な内容に関係なく形式的にみられます)。
会社法での利益相反取引と同じ考え方です。

 

このような親権を行う者と未成年の子との利益相反行為(利害が対立する行為)については、親権者が親権を行使して未成年者の代理人になることはできません。
この場合は、特別代理人を家庭裁判所に選任してもらわなければなりません(民法826条)。

 

次に、被相続人(祖母あるいは祖父)が亡くなって、それ以前に亡くなっていた配偶者の代襲相続人として未成年の子が相続人になるケースを考えてみましょう。

 

その場合、未成年の子が1人だけの場合には、残された配偶者が問題なく未成年の子を代理して遺産分割協議等をすることができます。
配偶者は相続人ではありませんからね。共同相続人の関係にないので、利益相反関係にないのです。

 

一方、未成年の子が2人の場合には様相が異なります。
配偶者が未成年者
2人の代理人となることは、双方代理となるのですね。
双方代理は本人同士の利害相反関係があるため、基本的にできないことになっております。
そのため、親権者が数人の子に対して親権を行う場合には、その
1人と他のことの利益が相反するときも、また特別代理人を家庭裁判所に選任してもらわなければなりません(民法826条)。

親権者は一方の代理人にはなれますが、もう1人は特別代理人が代理して遺産分割協議等をすることになります。

 

それでは、相続放棄の場面を考えみましょう。

 

親権者が未成年の子を代理して相続放棄をすることはできるでしょうか。

 

親権者が相続人ではないときは、相続人となる未成年者が1人であれば、問題なく未成年の子を代理して相続放棄することができます。

さきほどの、代襲相続で未成年者1人だけが相続人となるケースですね。

ただし、代襲相続の場合でも、未成年者が2人以上である場合、一部のみの未成年者を代理して相続放棄をすることはできないです(特別代理人の選任が必要)。

 

親権者が相続人であるときは(最初のケースですね)、未成年者のみの相続放棄を代理することはできません。
一部のみの未成年者を代理して相続放棄をすることもできません。
親権者と未成年者、あるいは未成年者同士の利害が相反しますからね。

親権者と未成年の子全員が同時に相続放棄をする場合、あるいは先に親権者が相続放棄をして相続人でないことを前提として未成年の子全員が相続放棄をする場合は、親権者が特別代理人を選任することなしに未成年者を代理して相続放棄をすることができます。
この場合は、利益相反関係がないと判断されます。

 

相続放棄が必要な場合は、通常、親権者と未成年の子が一緒に相続放棄をすることになるでしょう。
そのため、通常の相続放棄では特別代理人の選任は必要ないと言えます。

 

このように、相続人が未成年者である場合には、利害相反というやや面倒なことを考えて手続をする必要がでてきますのでご注意ください。

 

遺言、遺産分割、遺留分相続放棄、等相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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相続人が相続放棄をする前に亡くなったとき [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。
 
相続問題のうち相続放棄のお話です。
相続放棄に絡んで、再転相続、代襲相続、数次相続について説明します。
 
【再転相続】
Aが亡くなって1回目の相続が発生します。
相続人Aの相続人Bが熟慮期間中に相続放棄も承認も行わないまま亡くなって2回目の相続が発生しました。
Bの相続人Cが相続人となることを再転相続と言います。
ここではCを便宜上、再転相続人と呼びますね。
 
あまりない例かもしれませんが、第2順位相続人相続放棄の例で見ることがありますね。
祖父母、曽祖父母が御生存であれば高齢のことが多いです。
第一順位の子が相続放棄をしなければ第2順位の直系尊属の相続放棄ができませんから、第2順位の方が相続放棄するのは一定期間経過した後になります。
たまたま、亡くなってしまうこともあるのですね。
 
再転相続人は、AとB両方の相続人になります。
 
再転相続人は、勿論Aについて相続放棄ができます。
3か月の熟慮期間の起算点は、再転相続人がAの相続人になったことを知ったとき、つまりBの相続を知ったときになります。あくまでもCがAの相続人になるのはBが亡くなったからですから。
第2順位、第3順位の相続人相続放棄できるのは自身が相続人になったときからなので、先順位の相続人相続放棄を知ったときから熟慮期間が起算されるという理屈と同じです。

もう少しややこしい議論があります。
 
(先にAの相続を承認・放棄した場合)
再転相続人は、Bの相続について承認・放棄の選択ができます。
再転相続人はBの相続について固有の選択権を有しているからです。
Aの相続放棄をした後に、Bの相続放棄をしても、Aの相続について放棄の効力が遡って無効にはならないとされています。
 
(先にBの相続を承認した場合)
再転相続人は、Aの相続について、相続放棄・承認のいずれもすることができます。
Aの相続を承認・放棄し得る地位を承継し、選択権を有しますからね。
 
(先にBの相続を放棄した場合)
再転相続人は、Aの相続について、承認・放棄のいずれもなしえません(する必要がありません)。
再転相続人はBの相続を承認して初めてAの相続を承認・放棄し得る地位を承継し、選択権を有しますから。
 
ややこしいですね。
書籍により微妙に説明が異なっているような気がします。
実際に行うときは(現在そのような案件を受けているのですが)、よくよく吟味して手続を進めないといけません。
 
代襲相続
BがAより先に亡くなっていた場合には、単純に代襲相続の話となります。

Aの相続発生時に既にBが亡くなっている点が再転相続のケースと異なります。

Aの遺産分割はAの相続人間(Bが亡くなっているのでBの代襲相続人が当事者)で行います。
Bの代襲相続人は、勿論Aの相続について相続放棄ができますね。代襲相続人の熟慮期間の起算点はAの相続を知ったときです。
 
【数次相続】
BがAの相続を承認(熟慮期間を徒過など)していたが遺産分割前に亡くなった場合は数次相続の問題となります。
実務上よくある事態です。

こちらは、既にBがAの相続を受けていますね。その点で再転相続のケースと異なります。

Aの相続についてはAの相続人間で(Bの代わりにBの相続人が当事者となります)、Bの相続については勿論Bの相続人間で遺産分割協議をすることになりますね。

遺産分割協議は同時に行うことも多いです。遺産分割調停も2件同時に申し立てることになるでしょう。

勿論、Bの相続人は、Bの相続について相続放棄をすることが当然できます(その場合はBの相続人ではなくなるのでAの遺産分割協議には参加できません)。
 
遺言、相続、遺留分相続放棄等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
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生命保険金と相続 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

生命保険金は、相続の対象外だと聞かれることがあると思います。

保険の外交員さんなどもこのフレーズでセールスをすることがありますね。

 

相続税法上、生命保険金はみなし相続財産です。

基礎控除はありますが、相続税がかかります。

 

しかし、民法上は、受取人指定の保険金請求権は相続財産ではありません。

民法と税法が違うところですね。

受取人指定の保険金請求権は、受取人である相続人が取得する固有の権利と見られるからです。

 

保険の種類により扱いが異なります。
 

受取人が、「本人」の場合には相続財産に含まれますね。
また、受取人が「相続人」と指定されている場合には、相続人の固有の請求権になります。
この場合、相続分とは無関係に各相続人平等で取得します。

保険証券を確認してみないといけません。

 

なお、受取人指定の保険金であれば、相続放棄をしても受け取ることができます。

相続財産ではありませんから、単純承認行為とはなりません。
相続財産と見られる保険金は受け取って費消しては駄目です。単純承認行為となります。

 

ということで、冒頭の生命保険金は相続の対象外という言葉は間違いではありません。

ある相続人にある程度特別にお金を残したい際に保険を活用することも有益ですね。

 

ただし、法律の世界では何事も例外があります。

 

遺産に比べて法外な金額の生命保険金請求権を特定の相続人が取得する場合は不公平ですね。他の共同相続人が納得できません。
そこで、相続の対象外となる生命保険金も、場合によっては、特別受益に準じると見られて相続に影響を及ぼすこともあります。

 

判例は、受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が到底是認ですることができないほどに著しいものと評価すべき特段の事情が存する場合には、死亡保険金請求権は特別受益に準じて持ち戻しの対象となる、としています。

 

持ち戻すということなので、仮に1億の遺産で1億の保険金請求権であった場合、保険金請求権1億を特別受益と同じく持ち戻し、遺産を2億と見ます。
相続人が子4人である場合、2億を法定相続分に応じて分けると1人5000万円です。
受取人は既に1億貰っているから残る相続分はないとして、1億を3人で分けることになりますね。

 

特段の事情は、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、「被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断するとされています。

 

実務的には、判例の言い回しである特段の事情はなかなか認めてくれません。
あくまでも例外だからです。

 

単純に遺産の額と保険金請求権の額を比べるだけではないので一概には言えないのですが、遺産の額を超える保険金額のケースや60%を超える保険金額のケースで、特別受益に準じた持ち戻しが認められた例があるようです。

 

遺産と比べて相当の額と言える死亡保険金請求権を共同相続人の1人が取得した場合には、このような紛争が生じるリスクがあることにご注意ください。

特に、事業承継対策などで極端な保険契約の提案を受けたときには気を付けないといけませんね。

 

遺言に、仮に特別受益に準じると見られた場合であっても持ち戻し免除をする意思表示を記載しておく、あるいは生命保険金の受取人を指定した事情を記載しておくことも考えられますね。
持ち戻し免除の意思表示の効力はどう判断されるのか判例がないのでわかりませんが、少なくとも上記判例の総合考慮の要素としては組み込まれるのではないかと思います。

 

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収益物件の相続 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

相続問題の投稿です。

 

今回は、収益物件の相続をまとめてお話しようと思います。

収益物件とは賃貸している物件ですね。

 

相続が起きたとして今後の賃貸料の扱いが気になりますね。

賃料は遺産の果実です。遺産の果実は遺産そのものではないので遺産分割の対象外です。

賃料債権は可分債権なので、相続発生後の賃料は相続分に応じて各相続人に帰属します。

 

固定資産税等の管理費用はどうでしょうか。

民法上、相続財産に関する費用は相続財産から支弁することになっています(885条)。

それでは相続財産ではない家賃と精算できないですね。

しかも、マンションやアパートだと保守管理費用や清掃費用も出てくるところ、相続財産の管理費用か相続発生後の賃貸行為の費用なのか微妙な感じもします。

 

勿論、合意で解決する場合には、賃貸にまつわる費用は家賃から精算する(相続開始後の賃料から管理費用を控除した残額を分配する。)のが通常でしょう

 

相続物件たる不動産は、遺産分割前では、遺産共有状態です。
保存行為は各共同相続人単独で、管理行為は過半数持分で決めることになります。

固定資産税、火災保険の支払、不法占有者に対する明渡し請求あるいは破損部分の修繕などは保存行為として各相続人単独でできます。

その場合の費用の精算は上述のとおりの問題が出てきます。

 

相続預金口座は、相続発生の連絡により(中には銀行が新聞を見て動く場合もあります)、凍結されますね。
凍結されても家賃の振込入金は継続できるケースもあります。ただ、手続を踏まないと引き出せません。

 

同意ができる範囲で同意書を取り交わし、家賃等管理口座を作成して、賃借人に振り込み先の変更をお願いするのが現実的でしょうか。

 

実際には、事実上1人の相続人が管理を引き継いで振込みを受けることもありますが、他の相続人に対して清算義務が勿論あります。
かつ、本来は共同相続人共同の事業として各人が申告をしないといけないことになります(実際には代表して誰かが申告すればそれ以上突っ込まれないところですが)。
一人で申告した場合には後の清算の場面で所得税の扱いが面倒ですね(また、共同事業として各相続人が申告した方が税金は通常安くなります)。

 

遺産分割前に、空室について新規の賃貸借契約ができるかの問題もありますね。

新規の賃貸借は、管理行為になるか変更行為になるか争いがあります。

管理行為なら持分の過半数で決められる(民法252条)、変更行為なら共有者全員の同意が必要です(民法251条)

事例判断に依らざるを得ないことになります。目的不動産の利用形態、期間の長短がメルクマールとなるようです。

まず、利用形態を大きく変更する賃貸借は変更行為と見られるでしょう。

次に期間ですが、民法602条の短期賃貸借(土地5年、建物3年)であれば理屈上大丈夫でそうですが、借地借家法の問題があります。

借地借家法の適用のある賃貸借契約(通常の賃貸借は適用があります。適用がないのは、建物所有を目的としない土地賃貸借や一時使用目的の建物賃貸借などです。)であれば、短期賃貸借であっても更新がなされて長期間の契約になる可能性が高いのですね。そのため、変更行為と判断された裁判例もあります。

無難に考えるのであれば、借地借家法の適用のない短期賃貸借かつ利用形態を大きく変えない賃貸借は過半数持分の同意でできるというべきでしょうか。

更新の場合も、自動更新の場合には問題がなさそうですが、都度更新の場合には変更行為となる場合があるでしょう。

事実上、一人の相続人が管理をして賃貸借契約を締結するということもあります。それは法律的には無断賃貸借になります。

 

なお、賃貸借契約の解除は管理行為です。過半数持分での決定ですね。

 

このように、遺産分割前の収益物件の管理は法律的に見るとかなりややこしいです。


最近も、お母さまの相続後何年も一人の相続人が遺産分割なしで事実上ビルの収益管理を継続した上でその方も亡くなったという事例がありました。
遺産分割は勿論、不当利得返還請求や相続後の家賃・管理費用等問題が多岐にわたっており、訴訟で紐解くのも可能ながら効率的ではなかったため、なんとか和解的解決を図りました。

 

できれば、遺産分割前の物件管理等について合意書面を作っておく方がいいですね。

 

遺言、相続、遺留分減殺、相続放棄等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

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法人破産のための準備など2 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

法人破産の準備はどうするべきかの続きです。

 

◇ 財産処分・整理

(決算書記載資産)

決算書に記載されている資産項目については、すべて説明をして、現金化できるものはしておくということが基本です。
破産管財人の手間を少しでも削減する意味もあります。
すぐに現金化できないものは破産管財人に引き継ぐことになります。

 

(銀行関係)

借入のある金融機関が絡む保険、共済、定期預金等は解約できるうちに早めに現金化します。申立費用等を捻出する必要がありますしね。
現金化債権者平等原則に従って破産手続により平等に弁済する、あるいは債権者共通の利益に費消するということですので、後ろめたいことはありません。


借入のない金融機関の預金については、もう使わなくていいというタイミングで解約していただきます。


当座取引があり手形帳、小切手帳がある場合には弁護士に預けてください。


貸金庫契約がある場合もあります、中身を空にして解約をしていただきます。

 

(機械・工具、什器・備品)

まずは固定資産台帳の確認です。台帳記載資産のチェックをします。

台帳記載以外の一括償却資産、償却済み資産については、最終的にリストは作成していただきます。

処分をするかどうかはケースバイケースの判断ですね。実際に現場を拝見してからの判断になります。
賃貸物件の整理の必要性からは処分を急ぐ場合もあります。破産管財人の立場ですが、工場内の機械類一式を競争入札で売却したことがあります。

自動車については、使わないタイミングで鍵を預かります。自動車保険についても使わなくなったタイミングで解約をしてもらいます。

 

(既に処分した資産)

法人破産を決断する前には資金繰りのために様々な資産を現金化していることが多いです。
少なくとも半年前、かつ直近決算後の売却、解約等の現金化については説明をしないといけません。
解約関係書類を探していただくことになります。使途も説明しなければなりません。

 

(保証人の銀行資産)

受任通知を銀行に出すと、保証人の口座も凍結され、相殺されることになります。
受任通知を出す金融機関には、法人・個人とも資産がない状態が理想です。忘れることがあるので気を付けてください。

 

◇ 賃貸物件

明渡しをしないといけませんね。弁護士が受任通知を出した上で、弁護士が折衝をすることになるでしょう。

中のものを処分整理して明渡しが可能なら明渡しをします。

中にある物の処分が難しい、あるいは処分費用がかなりかかる等の理由で、明渡しを破産管財人に引き継がなければならないケースも多いです。

勿論、家主と和解的な解決により(原状回復費用が払えないという前提で)、早期の明渡しが可能な場合もあります。

 

◇ リース、所有権留保物件

リース物件、所有権留保物件は返却します。弁護士が受任通知を出せば返還の要請が来ます。確認のため契約書は弁護士に渡してください。

自動車では、予め弁護士に車検証を確認してもらってください。きちんと所有権留保の形の所有者登録ができていない場合には、そのまま返却することができません。

場合によっては、債権者から所有権を放棄される、無償譲渡される場合もあります。そうなるとこちらで処分するか破産管財人に引き継ぐかをしないといけません。

 

◇ 帳簿、税理士

事業廃止までの帳簿はきちんとつけていただきます。

事業廃止後ですが、少なくとも領収書や請求書など帳簿作成に必要な資料を整理・保管してもらいます。

資金がある場合には、税理士への依頼を継続してもらうこともあります。

 

◇ 不動産

不動産については、処分が可能(担保に入っていない)かつ売却をしないと破産申立資金が捻出できない場合には、弁護士関与の下で適正価格にて売却します。
売却資金の使途はきちんと説明しなければなりません。

それ以外はそのまま破産管財人に引き渡します(鍵を弁護士に預けることになります)。

勿論、お邪魔して、写真を撮り、状況を報告します。

 

◇ 許可、認可、登録

法人破産をすれば最終的に法人はなくなります。営業を廃止した後に、営業に必要な許可、認可、登録などは抹消等を届けてもらいます。

 

◇ 仕掛の仕事

基本的には営業廃止にかかる仕事は受けないようにしてもらいます。

それでも残ってします仕掛仕事は、契約書を基に一覧表を作成します。対応ができるものはしていただくこともあります。

賃貸管理会社の破産の場合にもそうでしたが、継続的な仕事についてもリストを作成し、顧客に営業廃止後の対応を説明しないといけないですね。

 

まだまだ法人破産の準備の話は尽きませんが、この辺までにしておこうと思います。法人破産はオーダーメイド色が強いです。できるだけ早く弁護士の助けを得て、ご準備ください。
本格的な準備は営業廃止後ですが、その前にやっておかないといけないこともあります。

ざっと法人破産の準備についてお話いたしました。
勿論、個別の問題毎にもう少し掘り下げて説明しないといけない点が多々あります。機会を見て説明していきますね。

 

債務整理(任意整理民事再生自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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相続法改正ポイント6 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

2019年71日から順次施行される改正相続法(民法)のお話をさせていただいております。
今回が最後になります。

 

【持戻し免除の意思表示の推定】
 

特別受益者の相続分を定める903条の改正です。配偶者の保護のための改正です。


「改正第903条

4 婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。」

 

「第1項の規定を適用しない旨の意思」とは、持戻し免除の意思表示です。

 

特別受益がある場合、特別受益を遺産の中に回復させて(これを「特別受益の持戻し」といいます。)、特別受益者はそれに基づいて算出した相続分から特別受益額(贈与又は遺贈の価額-財産評価の基準時は相続開始時です。)を差し引くことになります。

 

これには例外があり、被相続人が持戻しの免除の意思表示をしたときは、特別受益は相続財産に算入されません(民法903条3項)。
その意思表示は、遺贈の場合には遺言によりますが、贈与は明示でも黙示でも同時でも事後でもいいとされています。

勿論、持戻し免除の意思表示は遺留分を侵害することができません。相続人に対する贈与は相続開始前10年間にしたものに限りその価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入します(改正民法1044条3項)。

 

上記改正民法903条第4項は、婚姻期間が20年以上の夫婦の間における居住用不動産の遺贈・贈与に関する持戻し免除の意思表示の推定規定です。
死因贈与についても遺贈と同様に考えられるとされています。

 

推定されますので、それを覆す被相続人の意思表示を立証しない限り持戻し免除の意思表示があったと扱われます。推定といっても強い効力を有します。

 

【預貯金債権の仮払い制度】

改正民法第909条の2のお話です。

 

従前、預貯金債権は、遺産分割の対象とならず、各相続人法定相続分に応じて払出しを要求することが可能でした。
対応しない金融機関に対しては訴訟をすれば勝訴できました。

 

平成28年の最高裁決定で、その扱いが変わりました。預貯金債権については、遺産分割までの間は共同相続人全員の準共有状態になるから権利は全員が共同で行使しなければならない、遺産分割の対象となる、としたのです。

これで、預貯金債権も遺産分割調停・審判に乗せることができ(それまでは他の相続人の同意が必要だった)、特別受益の持ち戻しに関連する不公平が解消できます。

一方で、相続債務を弁済する、葬儀代を捻出する等のために相続預金を遣えなくなる不都合が生じます。遺産分割が完了しないと理屈上金融機関は払出しに応じません。

 

まず、改正家事事件手続法200条3項は、遺産の仮分割の要件を緩和し、一定の要件の下で裁判所が認める預貯金債権の仮払いを認めました。
詳細は省略します。でも、やはり手続の手間暇が負担ですね。

 

そこで、改正民法が、裁判所を経ることなく、預貯金の払戻しができる制度を設けています。
相続開始時の預貯金債権額の3分の1×当該相続人法定相続分が払い戻しの上限です。さらに法務省令により金融機関ごとの限度額が設定されるようです。

 

【遺産の一部の分割】

遺産の一部を分割できるかについては、現行法では明文規定がありませんでした。解釈上は、当然認められると考えられていましたが。

改正民法907条1項は、一部分割が可能であることを明示しました。

 

それに応じて、一部遺産分割の調停、審判も原則として認められるようになりました(改正民法907条2項)。特別受益や寄与分の調整の場面等で他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合には許されません。

 

【相続後遺産分割前に遺産に属する財産を処分した場合】

改正民法906条の2です。遺産分割前に遺産がされた場合であっても、共同相続人全員の同意により、遺産分の分割時に遺産として存在するとみなすことができる(1項)。
ただし、共同相続人により遺産が処分されたときは処分をした相続人の合意は必要がない(2項)。

 

1項は、現行法の解釈実務のとおりです。2項が新しいものですね。

これまでは、遺産分割前に相続人が預金を勝手に引き出した等の場合には、遺産分割において当該相続人の同意がない限り、不法行為による損害賠償請求あるいは不当利得返還請求をするほかありませんでした。
改正民法によれば、遺産分割に乗せるのか、損害賠償あるいは不当利得返還の請求をするのかどちらか選べるということになりますね(遺産分割に乗せるには被侵害相続人全員の同意は必要ですが)。

 

なお、相続前の預貯金の無断引き出しについては、従前どおりになります。全相続人の同意により遺産分割対象財産に含めるか、損害賠償請求あるいは不当利得返還請求を行うことになります。この場合は特別受益(生前に被相続人から贈与された)との反論もあり得ますが。

 

改正相続法のお話はこれでいったん終わりです。

大きな改正で、実務の集積が必要です。

 

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