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家計収支表の作り方など [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、自己破産、個人再生では、家計収支表の裁判所への提出が必要です。
広島では、自己破産では申立て直近2か月分、個人再生では直近3カ月分です(個人再生の場合には通常申立後も再生計画提出まで作成して提出します)。

家計収支表は、家計簿を月単位でまとめたものです。

 

家計収支表はなんのために提出するのか?

自己破産、個人再生の目的は、経済的更生です。経済的に立ち直るための制度です。そのために債権者の財産権を奪う制度が正当化されるのです。
そのため、家計収支表を経済的更生が図られるのかという観点で見られます。単月収支が赤字の場合には、自己破産、免責決定によって本当に経済的更生が図られるのかが吟味されます。

また、免責不許可事由(浪費等)のチェックにも利用されます。支出金額が大きい項目については内訳等を聞かれることがあります。個人再生の場合は弁済計画の履行可能性を見られることになります。
さらに、財産に報告漏れがないか、債務の計上漏れがないかのチェックにも利用されます。
加えて、破産の要件である支払不能状態、個人再生の要件の支払不能状態への危険の確認にも使われます。

 

なお、家計収支表は、家計を見つめなおしていただくツールとしての機能もあるでしょう。自己破産や個人再生に至る方の中には、家計管理が杜撰であった点が否めない方もいらっしゃいます。家計収支表を作成すると、自分が何にいくら使っており、毎月これだけの支出があるということに気付きます(依頼者の方にも毎月こんなにお金がかかっているんだと反省される方が多いです)。家計収支表を見ながら、さらに、この点は使い過ぎだ、ここを改善しようと考えることができますね。
このように、自己破産、免責決定後あるいは個人再生計画認可後の経済的更生のために家計管理を見つめなおしていただく意味も大きいです。免責あるいは個人再生計画認可を得られたら5年あるいは10年金融機関の審査が通りません。収入の範囲内で堅実に生活していただかなければなりません。

 

家計収支表には家族の誰まで入れるのか?

同居の親族の収入と支出をどこまで入れるかの問題です。同居の親族の収入証明資料は必要書類に入っていますが、支出を把握することが難しい場合もありますね。

同居の親族分の収支は、基本的に記載することになります。同居をしていたら通常は家計が一緒ですからね。家計が一緒とは財布が一緒といってもいいです。

ただ、いざ作成しようと思うと悩みます。

ケースバイケースの判断になるのですが、説明ができるように記載するということになります。説明がきちんとつけばどのように記載しても書き直せとは言われません。

財布が完全に別の場合には、単独の家計収支表を作成することもあります。

家計は別であるが、お金の授受(家賃代わりの〇万円など、援助など)がある場合には、それだけ家計収支表に組み入れて作成するということもあります。

どういう風に作成するのかは、自己破産申立て準備の前に弁護士と相談しておいた方がいいですね。

 

金額をどこまで正確に書くのか?

食費などいちいち記録することが難しいものは60,000円等丸まった数字(ラウンドナンバー)で記載しても問題ありません。

これに対し、公共料金など通帳あるいは領収書を保管していれば正確な金額が記入できるものは正確に記入してもらいます。通帳や公共料金の領収書は提出書類にもなります。

なお、あくまでもお金(通帳も含めて)の動きの報告です。水道料金、年金、児童手当など〇カ月に1回支出あるいは収入があるものは、該当月に支出額あるいは収入額(入金額)をそのまま書きます。月平均で書くわけではありません。給料は手取り額(入金額)を記載します。

後から作成するのは面倒くさいですので、少なくとも準備期間中は家計簿を作成することをお勧めしております。

 

その他注意点は?

電話代は抑えるようにお願いしております。金額が高いと、利用明細などの提出を要求され支払の内訳を確認される可能性があります。1台当たり1万円をちょっと出るくらいなら何も言われませんが、3万円とかであると裁判所から補正連絡が来ます。その際に端末料金の割賦払いが入っていると、それは債務なのではないのかと突っ込まれ、破産債権者として扱えと言われたら困ります。

 

保険料は契約者名義を記載することになっております。同居の親族契約の保険料が載っていると(あれば載せないといけないのですが)、保険証券を確認したいから提出しろと言われることがあります。ガソリン代も同様ですね。車両名義を記載することになっております。こちらは親族所有車両かどうか確認するために、ほぼ確実に車検証の提出を求められるので、最初から出すようにしています。

 

駐車場代を記載する場合、駐車場を借りているのであれば、賃貸借契約書が提出書類になります。お気を付けください。

 

交際費、娯楽費については、その内容を弁護士に説明できるようにしておいてください。内容の記載あるいは説明が求められます。

 

返済欄については、受任通知後にご自身の債務の返済があったらおかしいことになります。必ず突っ込まれると思ってください。同居人の返済の記載がある場合も、同居人の債務額を聞かれることが多いです。

 

なお、家計収支表の各項目の名称は変えてもかまいません。きちんと説明ができればいいわけですから。

今回は、自己破産、個人再生で提出しなければならない家計収支表のことについてお話ししました。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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債権者一覧表に漏れがあった場合 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

自己破産、個人再生の際の債権者一覧表に一部債権者の漏れがあった場合についてお話しします。

 

あってはならないことですが、稀に起きることがあります。

債権者数が多い場合、しばらく支払えていない場合、保証債務や個人間の債務など請求がまだ来ていない債務がある場合、代位弁済・債権譲渡が続き債権者を把握できていない場合などが考えられます。

 

債権者の督促状が来ていない、しばらく口座引き落としもない、という場合には、依頼者が弁護士に伝えない限り、弁護士が把握できないですね。

勿論、弁護士事務所等の単純なミスで債権者一覧表にある債権者が漏れる可能性もあります(あってはいけないことですが)。

 
自己破産、個人再生手続の途中で債権者の漏れが判明した場合はどうするのでしょうか。

 

その場合には、債権者一覧表を補正して債権者を追加すればいいです。

なお、手続の途中で督促状等債権者からの連絡が来た場合は、債権者一覧表にその債権者が記載されていない可能性が高いので、弁護士に確認をしてください。

 

債権者一覧表に記載漏れがあったまま自己破産、個人再生手続が終わった場合はどうなるのでしょうか。

 

自己破産の場合、非免責債権を定める破産法253条1項6号に、

「破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)」

と定められています。

 

非免責債権とは、破産免責の効果が及ばず破産者がその弁済責任を免れない債権です(ということは債権者が法的に請求を継続することができます)。

「債権者名簿」とは、債権者一覧表を指すと思ってください。債権者一覧表に知りながら債権者を記載しなかった場合には非免責債権として免責対象外になってしまうのです。

 

裁判所は債権者一覧表の記載に基づき債権者に通知を行います。記載漏れがあると、当該債権者は免責についての意見申述をする機会を奪われるなどの不利益を被ることから、非免責債権として債権者を保護する趣旨と説明されます。そのため、債権者が破産開始決定のあった事実を知っている場合には債権者を保護する必要がないので非免責債権になりません。

 

「知りながら」とありますが、記載漏れ自体が破産者の過失による場合であっても非免責債権になるとされています。怖いですね。
破産者が無過失で記載を漏らした場合にはその債権者に免責の効果が及ぶということになります。

 

確たる判例がありませんが、当たった下級審裁判例でも、

「債権者名簿に記載されなかったことが破産者の責めに帰することのできない事由による場合にまで非免責債権とすることも相当ではない。そうすると、債権者名簿に記載されなかった債権について、債権の成立については了知していた破産者が、債権者名簿作成時に債権の存在を認識しながらこれに記載しなかった場合には免責されないことは当然であるが、債権者名簿作成時には債権の存在を失念したことにより記載しなかった場合、それについて過失の認められるときには免責されない一方、それについて過失の認められないときには免責されると解するのが相当である」

「破産者が、債権の存在を知って債権者名簿に記載しなかった場合のみならず、記載しなかったことが過失に基づく場合にも免責されないと解すべきである。」

などとされています。

 

過失がない場合というのは、長年請求も来ておらず破産者が債権者であるとの認識がなかったなど、破産者がその債権者を記載をしなかったとしてもやむを得ないケースに限られるでしょう。

制度趣旨からは、免責の及ぶ場合を拡げる方向で解釈してもいいように思います(債権者が手続関与をしても免責結果は変わらないと思われる場合など)。

 

しかし、裁判例を見ると免責の効果が及ぶのは例外的な取り扱いのようです。記載漏れがあると基本的には免責の効果が及ばないと覚悟をした方がいいですね。

 

記載漏れがあった債権者から請求があった場合には、とりあえず破産免責決定書の写しなどで破産免責を受けたことを説明することになります。

それに対する対応は債権者が考えることになります。非免責債権かどうかというのは債権者が主張すべきことですからね。

 

債権者が金融機関の場合は、破産開始決定通知、免責決定通知を送って破産免責を得たことを説明すると、免責処理をしてくれる、すなわち請求をしないケースが多いと言われます。実際、当職もOKを貰ったことがあります。ただ、ケースバイケースの判断なのでしょう。

 

自己破産の場合は、債権者の記載漏れがないかよくよく確認しないといけないですね。

 

なお、破産者が主債務者である場合の保証人、あるいは保証債務者である他の保証人の求償権については、債権者一覧表に記載がない場合にも免責の効果が及ぶのか議論があるようです。広島では保証人や他の保証人を債権者一覧表への記載を指導されております。

 

続いて、個人再生の場合に認可決定後に債権者漏れが発覚したときはどうでしょうか。

こちらは割合傷が浅いです。認可された再生計画の再生債権の弁済率に応じて漏れていた債務を弁済するということになります。
ただし計画に基づくと期限が来ている弁済分は一括弁済となります。

こちらもやはり債権者漏れは怖いですね。

 

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広島の弁護士 仲田 誠一

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自己破産における破産管財人 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

破産管財人をご存知でしょうか。
当職も破産管財人を多数経験しております。しかし、一般的には馴染みがない言葉かもしれません。

 

今回は、自己破産をする、あるいは取引先等債務者が自己破産をした場合に接することがある破産管財人についてのお話をさせていただきます。

 

【破産管財人が就任する場合はどのような時でしょうか】

 

破産法上、破産手続のために破産管財人が選任されることが原則の建前です。

法人が破産をした場合には、原則どおり、破産管財人が裁判所によって選任されます。

これに対して、個人が破産をする場合には、同時廃止事件を除いて、破産管財人が選任されます。
同時廃止事件というのは、財産があまりなく(各裁判所によって基準があります)、破産手続費用を支弁できないと認められる場合に、破産開始決定と同時に破産手続が廃止される手続です。だから同時廃止と呼ばれます。建前と異なり、個人の自己破産の場合、多くは同時廃止で終了します。
ただし、財産がなくとも免責不許可事由があり、その程度が重大な場合と思われる場合には、破産管財人が選任されます(免責調査型の管財事件と呼ばれます)。

 

【破産管財人就任のタイミングは】

 

破産管財人が就任するのは破産開始決定のタイミングです。

自己破産を申し立てた場合は、裁判所からの補正連絡に対応して、指示された予納金を納めたタイミングか、あるいは債務者審尋にて破産管財人就任予定者と会ったタイミングですね。

 

【破産管財人は誰が就任するのか】

 

裁判所が、弁護士から選任します。自己破産申立代理人ではない客観的な弁護士が選ばれます。
法人の自己破産と個人の自己破産とを同時に申し立てる場合には、同じ弁護士が就任します。
割合大規模な破産の場合には、管財人代理の弁護士も選任されることがあります。

 

【破産管財人の仕事とは】

 

様々な仕事がありますが、大まかに言えば、調査、財産の管理処分、債権調査・配当(なお、配当が全く見込まれないと債権調査はされません)です。

 

まず、一番大きい仕事は財産の管理処分ですね。

破産開始決定後の破産者の財産(個人の場合には財団に組み入れる財産に限られます)の管理処分権は破産管財人に移ります。
個人の場合には、自由財産拡張(財団に組み入れない財産を決める手続)に対する意見も出します。


財産を換価して配当原資を作るということになります。

当職の経験でもいろいろなものを換価しました。

預貯金、株式、保険、ゴルフ会員権、保証金、不動産、車、機械工具類、在庫商品等々、様々なものを処分します。

工場内の機械工具一式等、場合によっては入札方式で売却をします(引取業者に声をかければ現地に来てくれます)。
不動産は、基本的には業者さんに仲介して売却しますが、流通性が乏しい不動産や賃借人、借地人がいる不動産では、近隣の方や賃借人・借地人にお声がけをしたこともあります。

特に苦労したのは農地の処分ですね。農地は普通には処分できません、農業委員会などに問い合わせる、あるいは近隣の農家さんに声をかけるなどしないといけません。
また、有害廃棄物がある場合は処理してからではないと売却できません、たまたま処分工場が閉鎖になっている時期に当たり一時保管場所の確保等苦労したことがあります。抵当権者や租税公課の差押権者との交渉も骨が折れる場合があります。
売却する場合には、現状有姿売買、境界確認義務免除、瑕疵担保責任免除の形で購入してもらいます。その分、ある程度安価になることは止むを得ないかもしれません。
 

 

なお、財産の管理処分に関連して、破産者の訴訟を引き継ぐこともありますし、換価回収のために訴訟を提起することもあります(敷金返還の訴訟を提起したこともあります)。

 

次は調査です。

破産管財人には調査権限があり、破産者には回答協力義務があります。

財産調査、負債調査、個人破産の場合には免責調査もします。
破産者宛の郵便物は破産管財人に転送され、開封してチェックすることになっております。

免責調査については、破産管財人から免責に関する意見書(免責不許可事由がない、免責不許可事由があるが裁量免責相当である、免責不許可が相当である)が裁判所に提出され、ほぼそのとおりの結論が出ます。

 

調査に関連して、否認権というものがあります。
破産管財人には、破産法に定められた否認対象行為がある場合、同法に定められた要件で、破産者が行った行為を否認し(法的効果を覆す)、散逸した財産を取り戻す権限があります。
よくあるのが、受任通知後あるいは破産直前の偏頗弁済(不公平な債務の弁済)や贈与などの無償行為ですね。破産直前の相続、離婚に伴う財産分与慰謝料支払、不動産や車の売却もよくよく吟味されます。営業譲渡、会社分割も否認の対象となり得ます。

通常、まずは交渉による解決を図りますが、解決できない場合には破産裁判所へ否認請求を申し立てる、あるいは通常裁判所へ否認の訴えを提起するということもできます。
和解的な解決ができるケースが多いのですが、当職が申し立てた否認請求が破産裁判所で認められた後に通常裁判所に異議訴訟を提起され、それが控訴審まで至って解決にかなり時間がかかったケースも経験しています。

 

なお、法人破産の場合、破産管財人が税務申告をすることもあります。
従前の税理士さんに頼める場合は頼むのですが、資料が散逸している、関係が悪くなっている、あるいは税理士さんにお願いする費用が出せないような場合には、破産管財人自ら申告作業をします。当職も何件か自分で申告をしました。そのため、法人破産の場合には、会計書類の保全、引継ぎも大事になってきます。

 

上述に限らず、破産管財人は開始決定から手続廃止・終結まで、破産手続の隅々に関与します。

破産管財人の経験がないと破産のことは完全にはわからないと言ってもいいかもしれません。特にどのような行為が問題となりそれがどの程度突っ込まれるかですね。
申立代理人を選ばれるときにも、破産管財人の経験が豊富な弁護士が望ましいですね。

 

今回は破産管財人についてご紹介をしました。いろいろ大変なので、接することがございましたら、ぜひご協力のほどよろしくお願いします。

 

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法人の自己破産の相談ポイント [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

法人の自己破産もお手伝いすることも割合多いです。法人の破産管財人もコンスタントに受けております。

 

法人の自己破産は、個人の自己破産と異なり、契約まで、あるいは受任通知までに、いろいろな整理をしていかないといけません。

時間があまりない中でご依頼者様にも頑張っていただかなければなりません。

 

そこで、法人の自己破産相談についてのポイントなどをお話します。

 

【方針として自己破産を選ぶかどうかの問題】

法人の自己破産をご相談に来られる理由は、

1 資金面で、今月あるいは来月の支払ができない。

2 業績面で、業績回復が見込まれず長期的に債務弁済の見込みが立たない。

3 後継者面で、後継者もおらず業績も不振が続いているためリセットしたい。

が多いでしょうか。

 

1の場合

慢性的な資金ショートか短期的な資金ショートかの見極めが大事ですね。

銀行の借入れの条件変更(リスケ)+協力仕入先の条件変更で対応できるのであれば、敢えて今自己破産を選択する必要はありません。
向こう数か月程度の資金ショートだけ乗り越えればいいですよね。

この点、借り換え資金が出ずに資金ショートをする会社さんが多いです。その際にはリスケも検討します。借換資金が借りられなくても返済を止めれば資金はその分余ります(最近は銀行からはリスケに当たって事業計画あるいは再建計画の提出を要請されることが多いです)。

これに対して、資金ショートが慢性的あるいは慢性的と予想される場合は、次の2の話になります。

 

2の場合

会社再建のイメージが掴めるかが大事です。

①リスケの上で一定額の弁済資金が捻出できる見込があり、②業績回復の上で多額の債務を弁済していける青写真が描けるか、ですね。この点の見極めが大事です。

現状維持だけのためのリスケは単なる時間稼ぎになってしまいます。仮に業績回復が見込まれないというのであれば、自己破産の資金手当てができるうちに自己破産をされる方が関係者に対する迷惑も最小限に抑えられることになるでしょう。

この点は、社長様の意欲、ビジョンに負うことも大です。経営決断の最たるものですね。

勿論、自己破産の相談に来られても、打ち合わせの中で、事業継続を選択する社長さんもいらっしゃいます。
その場合には、銀行のリスケと個人債務の任意整理により資金繰りを落ち着かせて後は業績改善に頑張ってもらうことになります。再建計画策定や銀行等の交渉をお手伝いすることになります。
一方で、業績低迷が続く中、決断ができずに債務だけを増やしていっている例もあり(多くの場合、営業縮小に走りより身動きができなくなります。)、その場合には自己破産をお勧めせざるを得ません。法人破産の破産管財人をしているとそのような例が多いですね。もっと早く整理すればご苦労は幾分軽減されたのにと思うことがあります。

 

3の場合

基本的には自己破産をするべきということになるでしょう。多くは役員報酬も満足に取れていないケースです。
出口が見えない以上、経営を続けることをお勧めできません。
社長様の自己破産後の生活再建の方がより大事になります。

 

【法人自己破産相談のタイミングの問題】

法人の自己破産のご相談は、できるだけ早くされた方がいいです。

法人の自己破産では様々な準備をしなければなりません。弁護士に相談をしながら段取りを組んで準備を進めてください。

弁護士関与の下で、できるだけ混乱を生じさせないように、かつ後の自己破産手続で問題になる点が発生しないようにしたいところです。

 

通常は、事業廃止と同時に弁護士か債権者等へ受任通知を出します。

 

そのため、事業廃止のタイミングを検討しないといけません。タイミングを考えるにあたっては、

①資金繰り状況(自己破産の費用を支弁できるタイミングがベストです)

②従業員の状況(解雇予告をしてあるいは解雇予告手当を用意して解雇をすることになります)

③資産処分の状況(費用面で資産を処分して自己破産費用を支弁する場合など資産整理を先行する場合もあります)

などを考えるでしょうか。

 

タイミングが決まれば、事業廃止日をターゲットにして会社の整理について段取りを汲みます。

従業員解雇の段取り、賃借物件の明渡し等の段取り、売掛金の振込先口座の変更などの売掛金回収の段取り、取り立てに対する対応の段取り、売掛金リスト、買掛金リストの作成の段取り、資産保全の段取り、現金化すべき資産の売却の段取り、自己破産申立てに必要な書類等の保全の段取り、等々のさまざまな段取りを組まなければいけません。

 

個人保証をしている代表者の自己破産の段取りも組まないといけませんね。

 

勿論、急に事業廃止をしないといけないケースもあります。その場合には事業廃止後に段取りするしかありません。事業廃止のタイミングで受任通知を出すと、取引先からたくさんのお電話をいただきます。それの対応も弁護士の仕事になります。

 

【法人破産の費用捻出の問題】

法人の自己破産の費用捻出も気になるところです。

 

法人の自己破産において裁判所に納める予納金は100万円が原則です(場合によっては減額してもらえます、裁判所と交渉することになります)。

それに加えて、ケースバイケースの金額になりますが、実費と弁護士費用が必要ですね。できれば200万円は資金の準備がほしいところです。

 

通常はそれらを用意できるタイミングで事業廃止をします。

勿論、今後の売掛金の回収も見込むとそれらの費消が捻出できるタイミングでも事業廃止することはあります。
受任通知後に売掛金回収を図るということですね。

現金化できる資産がある場合には、それらを現金化して費用を捻出するということもやります。
勿論、弁護士の関与のもとに処分行為をすることが大事です。弁護士の関与のない処分行為は破産手続で問題視される可能性が高くなります。

 

なお、代表者さんが個人保証をすることがほとんどですので、同時に代表者さんの自己破産も必要となるケースがほとんどです。
代表者さんの自己破産も管財事件になりますので、予納金が必要になります。

弁護士費用は弁護士との契約次第で法人のみ費用をもらうということができるのですが、裁判所に納める個人の破産予納金は法人のお金から出すわけにはいきません。
20~30万円程度必要と思います。

仮に用意できない場合には、捻出方法を弁護士と一緒に考えます(法人である程度お金を詰むことができるケースでは、裁判所と交渉して個人の予納金をできるだけ小さくしてもらうよう働きかけます)。

 

【相談、依頼する弁護士の問題】

法人の自己破産は、様々なことを検討準備しないといけない故に、弁護士の力量が破産手続進行のスムーズさ等に反映されてしまいます。

 

早めにご相談されることは勿論、どうせなら、きちんと疑問点を解消してくれ、段取りを明確に示してくれる弁護士に依頼されるべきでしょう。

できれば、法人破産の破産管財人経験が豊富な弁護士の方がいいです。
法人破産を破産管財人の目から見たことがないと法人破産の本当の理解は困難ですから。

 

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自己破産、個人再生と給与明細 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、自己破産や個人再生の場合にはご相談時に給与明細をお持ちいただいた方がいいかもしれません。

 

自己破産や民事再生の申立準備のためには給与明細をお持ちいただくのですが(給与明細は必要書類になります)、その際に、依頼者様がご認識されていない事実が判明してしまうことが時々あります。給与明細には自己破産や個人再生の準備にあたって重要な情報が載っている場合があるのです。

 

特に、給与明細の控除(給与天引き)の欄の問題です。裁判所もかならずチェックをしているところです。

 

まず、債務、債権者の面です。

 

自己破産、個人再生では、債権者を一部外して手続をすることはできない原則です。
債権者はすべからく債権者として扱わないといけません。

 

給与明細の控除欄を見ると、稀ではありますが、勤務先からの借入金や労働組合・共済組合からの借入金があることが漏れていたことが判明する場合があります。

 勿論、勤務先からの借入れや組合からの借入金があると、勤務先等を債権者として扱わないといけません。

 

そうすると、自己破産、個人再生を申し立てるということが勤務先等に判明してしまいますし、何よりも弁護士からの受任通知や裁判所からの通知が届いてしまいます。

理屈上、そのことにより勤務先が従業員を解雇することは難しいですし、その事実をもって解雇された例も経験がありません。ただ、困ってしまうのは当然ですね。

場合によっては、後々偏頗弁済として問題になる行為であることを承知の上で、勤務先に対する返済を手続に先行して行うケースもあるでしょう(勿論、弁護士が推奨できる行為ではありませんが)。

 

なお、共済組合等からの借入金など保証会社が付いているケースでは、割とすんなり受け入れられる傾向があります。
ただし、通常、破産開始決定あるいは個人再生開始決定まで給与天引きは継続されてしまいます、開始決定時に保証会社による代位弁済がなされ給与天引きがなくなります。
これを偏頗弁済として突っ込まれるケースもなくはありません。管財事件だと否認の対象になり得ますから(当職も破産管財人として否認し勤務先に返還してもらったことがあります)。

 

問題は勤務先等に「債務」があるかどうかです。
勤務先での事故や何かの手当の返戻があるなどの事情で、「弁償金」、「返納金」、あるいはただ単に「その他」などの名目で天引きされていることがあります。
勤務先からの借入金は忘れなくても、それら支払債務を「債務」だと認識されていないケースもあります。
借入金でなくとも勤務先に対して債務を負っていれば勤務先を債権者として扱わないといけないことにご注意ください。

 

次に財産の面です。

 

控除の欄に、団体保険や共済保険の給与天引きの記載があることがあります。けっこう、忘れてしまうケースがあります。
自己破産、個人再生では、保険契約がある場合、保険証券と解約返戻金証明書(あるいは解約返戻金がない、ある場合は金額がわかる資料)が必要書類の中にあります。
団体保険は書類が残っていないことが多く、慌てて問い合わせや再発行をしてもらうことがあります。事前に確認しておきたいところです。

 

また、〇〇金、〇〇積立、〇〇会等の項目で給与天引きがある場合もありますね。

資産性の有無(解約したらお金が返ってくるのか)、資産性がある場合には残高がわかる資料の報告を求められます。

 

組合費や親睦会であれば資産性はないという説明ですんなり通るのですが、旅行積立等「積立」は説明に困りますね。
旅行積立は会費みたいなものでお金は帰って来ないということも多いのではないかと思いますが年金等他の積立は通常資産性があるのだろうと思いますから資料あるいは説明が必要になりますね。

 

財形預金、社内預金の天引きがある場合には、それらは勿論資産性があるものでしょう。残高がわかる資料が必要ですね。

 

なお、給与天引きの控除欄ではないですが、保険料の所得控除の欄も要チェックです。
控除があるのに保険契約の資料がないこと、あるいは金額的に保険契約が一部漏れていることがわかるケースもあります。勿論、被扶養者契約の保険料もあるかもしれませんが。

 

このように、自己破産や個人再生の検討・準備をする際には、給与明細は、その控除欄(給与天引きの欄)を中心に早めにチェックをしておかないといけない書類です。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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給与口座、年金口座の銀行が債権者の場合 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理をしないといけない場合に、給与口座がある、年金受取口座がある銀行が債権者である場合があります。

その場合は注意をしないといけません。軽々に弁護士に受任通知を送ってもらってはいけません。

 

銀行に債務整理の受任通知を送ると、届いた時点で借り入れについて期限の利益が喪失され(直ちに一括請求されるという意味です)、預金口座は凍結され、口座の預金債権は借入債務と相殺されてしまいます。

なお、任意整理のケースでは銀行ローンは手を付けないことが多いです。自己破産、個人再生の場合はそうはいきませんから、銀行に受任通知を送らないといけません。

 

給与口座、年金受取口座を凍結されてしまうと、勿論、預金を引き出すことができません。

一方、給与口座指定を変更しない限り、給与が入金されます(口座凍結がなされても振込入金は入ってしまいます)。年金も同様です。

給与、年金が引き出せないと困りますね。

 

そのため、給与口座、年金受取口座のある銀行が債権者であるときは、受任通知を出す前に、給与口座あるいは年金受取口座を借り入れのない銀行の口座に変更してもらいます。

 

年金口座の変更には時間がかかります。また、給与口座の変更にも大きな企業だと時間がかかることがあります。

 

そのため、相談を受けた時点ですぐに変更をするようアドバイスしております。
銀行が債権者であるかどうかは相談時にわかっていることがほとんどですが、預金口座とセットのカードローン契約やクレジット契約がある場合に銀行が債権者であることを認識されていないケースがありますのでご注意ください。

 

ただ、中にはメイン銀行の口座しか給与振込口座に指定できない勤務先もあり、その場合は困ります。その場合はなんとか勤務先に掛け合ってもらいます。

 

残念ながら口座凍結がされた後にその口座に給与、年金が入ってしまった場合にはどうしたらいいのでしょうか。

 

まず、キャッシュカードが使えませんから窓口で引き出しをしないといけません。

かつ、口座凍結されている以上、簡単には引き出せません。

銀行に予め連絡して承諾を得ておく必要があるでしょうし、債務者の方が窓口に行った後に弁護士に確認の連絡が来ることもあります。

 

ただ、給与、年金の場合には、最終的には銀行が引き出しに応じるのが通常です(広島の地場の金融機関、都市銀行には断られたことがありません。ただし、ネット銀行は経験がありません)。

 

勿論、銀行の判断によりますが、受任通知後の入金による預金債権と借入金を相殺することは破産法でいう否認対象行為になるということと、債務者の生活のために必要なお金だということかた応じてくれているものだと思います。

中には、受任通知が届いたら「給与口座が指定されていますが大丈夫ですか。」と確認の電話をしてくれる銀行もあります。

 

なお、口座凍結絡みですと、借入のある銀行に対し保証人となっている方の口座が当該銀行にあるケースも怖いです。

主債務者の受任通知により、同じように保証人の口座が口座凍結されて相殺される恐れがあります。
契約書を探して保証人がいるかどうか確認した上で、正確に弁護士にご報告いただかなければなりません。

 

個人の給料、年金と異なって、法人の売掛金が口座凍結後に入金されたケースだと、引き出しを拒む金融機関があります(基本的には断られるイメージです)。

自己破産開始決定後の破産管財人による引き出しには応じるが現時点では応じないといった対応です。

債務整理を考える場合に銀行が債権者であるときは注意をしてください。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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