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コラム 借金問題: 2015年11月

管財事件になるケース、同時廃止ですむケース [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

自己破産の手続についてお話します。


個人の自己破産には、管財事件同時廃止事件があるってご存知でしょうか。


大きな違いは、破産管財人が就くかどうかです。


管財事件は、財産調査、換価・配当、免責調査のため、破産管財人が裁判所から任命されます。
破産管財人は、財産の調査・換価、債権調査・配当、免責調査などを行います。一定の財産を残すための自由財産拡張手続も必要になります。

そのため、多額の予納金がかかります(管財人の報酬等になります)。
予納金の額は、20万円ちょっとから、不動産がある場合は30万円がスタンダードでしょうか。
ケースによって増減します。

ほかに、郵便物が管財人に転送され開封される、管財人(弁護士です)の事務所に打ち合わせのために何度か足を運ぶ必要がある、といった留意点もあります。

なお、法人破産は常に管財事件です。
予納金も100万円が基準と高額です(ケースによって減額してもらえます)。


同時廃止事件は、破産手続費用(管財人の報酬など)を支払える財団が形成できる見込みがない、すなわち財産がない場合に、破産手続開始と同時に破産手続を廃止する手続です。

広島本庁の場合は、裁判所に1回行くだけの手続で済みます(免責不許可事由などの問題がある場合には2回ほど行くこともあります)。

この場合の予納金は、1万円ちょっとの低額になります。
官報公告費用です。


破産法上は破産手続は管財事件として処理されることが基本なのですが、消費者破産者の増大などを背景として、同時廃止という簡便な手続が認められるようになりました。


各裁判所、支部によって、同時廃止になるか管財事件になるかの一応の目安(振り分け基準)が決まっていますが、最終的にはケースバイケースで判断されます。


広島本庁では、

1 現預金は50万円、その他の財産は項目毎に20万円の基準額を超える場合

保険解約返戻金や退職金(自己都合退職の支給見込額の8分の1が財産評価の原則です。)で引っかかるケースが多いです。

一つ一つの項目が基準額内であっても、全体で相応の財産がある場合には管財事件になり得ます。

例えば保険解約返戻金が大きいときに、解約や契約者貸付を受けて基準内の納めて同時廃止事件として申し立てるなど、形式的に数字を変えて申し立てることもある程度許容されます。

2 5年以内に事業を営んでいた、会社を経営していた場合

会社経営の場合には代表者が対象となります。単なる取締役は含みません。

確定申告をしている事業主の場合でも、小規模である、あるいはいわゆる一人親方のように労務提供だけをしているケースでは、同時廃止事件としての扱いが可能です。

3 オーバーローンではない不動産がある場合

そのような不動産がある場合には、田舎の畑や山林などで換価性がないとみられる場合以外は管財事件になります。

住宅ローン付の不動産がある場合は、その価値と住宅ローン債権との対比で(計算のルールがあります)オーバーローンと認められれば同時廃止が可能となります。

4 免責不許可事由の悪質性が高い場合

免責不許可事由があるだけで管財事件になるわけではありません。
その悪質性の程度が高い場合に管財事件になります。

例えば、2回目の自己破産でも、同時廃止で済むケースは珍しくありません。
ショッピング枠の現金化やスマホの不正購入等の事実があっても直ちに管財事件になるわけではありません。

以上のケースなどに管財事件となります。
 

管財事件にされてしまうと、それが本来の手続であるため、弁護士が反対しても受け入れてもらうのは難しいところです。

自己破産を検討する場合には、予想される手続が同時廃止事件か管財事件かを見極めた上で、申立準備や申立費用の用意をする必要があります。


スムーズに手続を進めるためには、お早目に専門家に相談してください。

 

借金整理、民事再生自己破産のサポートはなかた法律事務所にご用命を。


広島市中区上八丁堀5-27-602
なかた法律事務所
弁護士 仲田 誠一

 

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借金の整理と自宅不動産2 [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

前回に引き続き、債務整理、すなわち自己破産個人再生任意整理に絡む自宅をどうするかという問題です。


【住宅ローンの他には多額の借金がない、かつ売却金で住宅ローンを完済することができる場合】

任意売却するのであればOKですね。
ただ、そのような状況で自宅不動産を売却しないといけない状況になることは稀です。

むしろ、住宅ローンのリスケジュール(条件変更)を行って、その間に他の債務を整理(任意整理)することを選択する方が多いのでしょう。

そうすれば自宅の維持は可能ですね。


【売却金で住宅ローンを完済できず残債が残る場合】

簡単に売却してはいけません。

残債の返済計画が立つかどうかを検討するのが先です。


残債を債権者との合意で無理なく返済できるのであれば任意売却でもいいでしょう。
ただし、賃貸物件に転居する場合の家賃を考慮に入れなければなりません。


残債がかなり残るということであれば、家賃プラス残債の返済に耐えることができるのかという問題になります。

自己破産も検討する必要がありますので、残債が残る場合には安易な任意売却は慎むべきです。

また、破産手続では妥当な取引だったか等を検証されます(それ自体で管財事件にされる可能性もあります)ので、弁護士に相談してからの方がいいですね。

 

【他の借金も整理する必要がある場合】

住宅ローン以外の借金も相当額ある場合には、自宅の任意売却だけで解決ができるわけではありません。
売却金をローン返済に充ててもかなりの余剰が出て他の借金も返済できるのであれば別ですが、そのような例は稀でしょう。

他の借金を整理して生活再建を図るためには、他の借金も含めて任意整理個人再生自己破産を選択するべきです。

法的手続をとる可能性があるのであれば、任意売却は弁護士に相談してからにすることをお勧めします。
 

残る借金を任意整理(元金を数年で分割する交渉を行います)で返済できるのであれば、任意売却と任意整理のセットでよろしいでしょう。

ただ、無理な計画を立てて途中で返済に行き詰ると無駄になってしまいます。

個人再生自己破産も検討しなければなりません。

まずは、個人再生を選択して住宅を維持できるか検討することになります。


一定の継続収入があり、残る借金を全部返済することはできないが、住宅ローンのほかに月々ある程度なら返済することができる、というのであれば、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用した個人再生の選択を検討します。
 

具体的には、住宅ローンを返済しつつ、他の借金の一定額を、一定期間(原則3年から最長5年間)で分割返済ができるか、検討します。

一定額というのは、小規模個人再生では、他の債務の5分の1(債務総額によって基準は異なりますが多くは5分の1のケースです)、清算財産額(財産の額だと思ってください)、100万円の一番大きい額です。

給与所得者等再生では、可処分所得の2年分という基準も加わります。

上述の他の借金の一定額を返済できる計画が立つのであれば、住宅資金特別条項付の個人再生手続を選択し、自宅不動産は維持しながら他の借金の一定額を返済します。


自宅を維持しながら他の債務の元金をカットして整理ができるのです。

ただし、借入の方法あるいは自宅に付いている担保の関係で、住宅資金特別条項を使えない場合もあります。
住宅ローンがある方はまずこの途を選択できるのか、弁護士に相談したらよろしいかと思います。
相談時には登記簿謄本、住宅ローン契約書をお持ちいただいた方がいいです。


最後に、住宅ローンを支払いながら他の借金の一部でも返済できる見込みがない場合、自己破産を選択することになります。

もちろん、無駄に任意売却をせずに自己破産の選択でしょう。

自己破産が必要であるが、住宅を維持したいというケースもあります。
基本的に難しいのですが、当職の経験では、息子さんあるいは親族が抵当権者が納得する適正価格で不動産を購入する方法で自宅を維持したことはあります。
そのような際には、弁護士が関与した方がいいでしょう。破産手続できちんと説明できるように段取ります。
 

なお、債務整理の手続選択は、他の事情も考慮して決めないといけないことは勿論です。

早めに弁護士に相談して、どうすればあなたの生活が再建できるのか一緒に考えてもらいましょう。


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借金の整理と自宅不動産1 [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

債務整理である自己破産個人再生任意整理に絡む自宅をどうするかという問題を2回に分けてお話します。


借金問題でお悩みの方が自宅不動産を所有している場合、自宅を維持するのか、処分するのか(任意売却するのか)、処分するのであればどのタイミングで処分するのかは、必ず悩む問題です。


どういう風に考えたらいいのかをお話する前に、簡単に、自宅不動産の任意売却のメリット、デメリットに触れておきます。

ちなみに、住宅ローンなどの抵当権が付いている住宅の任意売却には、抵当権者の同意が必要となります。
抵当権を抹消してもらわなければ事実上売却できませんから。


【メリット】

自分のタイミングで転居することができる。

抵当権者との交渉によって引越費用の捻出がしやすい。

じっくり高く売ることができる可能性がある。

固定資産税負担がなくなる。

売却相手を選ぶことができる。
適正価格であれば親族に売却することも可能ですので自宅の事実上の維持も可能です。


【デメリット】

自宅を処分してしまうと転居先の家賃の負担が発生してくる。

住宅ローンを売却金で返済しきれなければ債務が残り、生活再建の妨げとなる。

住宅ローン以外の借金の解決にはならない(余剰資金が出れば別ですが)。

後に自己破産等法的手続をとる場合、売却行為の妥当性が吟味される。

抵当権者の求める売却金額では売れない可能性がある。
抵当権者の同意を取り付けなければならないので事前の打ち合わせが必要なんですね。

売却費用がかかる。
 

場合によっては譲渡所得税が発生する。

任意売却のメリット、デメリットはこのようなものでしょうか。


ただし、任意売却のメリット、デメリットを並べただけではどの債務整理手続を選択していいかわかりません。

住宅を維持するべきかどうか
住宅を維持することができるか

それらを踏まえて、任意整理自己破産個人再生という債務整理のどの方法を選択すればいいのか

は、あなたの生活状況、資産負債状況によって変わってきます。


そこら辺を次回にお話しします。

なお、任意売却をする場合、当事務所では、懇意の不動産業者を紹介した上で、抵当権者との交渉や後の債務整理手続に備えたお手伝いをさせていただいております。


任意整理個人再生自己破産のサポートはなかた法律事務所にご用命を。


広島市中区上八丁堀5-27-602
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広島の弁護士 仲田 誠一
 

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