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法律相談の対応について【閑話休題10】

弁護士の仲田誠一です。


みなさんが法律相談を受ける際,どのような回答をもらえば満足されるでしょうか?

是非任せてください!やりましょう!という回答をもらえれば満足する方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,弁護士の仕事は,安請け合いをすればいいというものではないと思っています。相談者のご希望に添えない可能性がある以上は,安請け合いをし てはお互いに不幸になります。弁護士費用だけを払って,結果は満足できなかった,話が違うじゃないか,とトラブルになる素です。

法律上は,弁護士は結果を請け負うものではなく(請負契約ではなく),事務処理を委任される(委任契約)ものです。ただ,相談者はやはり結果を求める傾向にあるのは事実です。

尊敬する先輩弁護士に,弁護士の仕事は「納得」を与えることだと教えられた経験があります。

その教えもあり,私は,法律相談の際,弁護士に依頼しても結果が出ないような最悪なケースの説明に時間をかけます。その上で,納得していただけるなら仕事を受任するように心がけています。

もちろん,相談者にメリットがないようなご相談は,弁護士に依頼してもメリットがないと説明して,基本的にお断りしています。

そのため,どうしてもマイナスの話に割かれる時間の方が多くなり,相談者の方にとっては,やる気がない弁護士だ!と感じられてしまうこともあるのではないかと思われ,事件の受任につながらない(相談で終わってしまう)ケースもあるのではないかと感じています。

簡単に「任せてください,やりましょう」といってしまえば,私に依頼される方が増えるのかもしれません。

それでも,私としては,最悪なケースやデメリットを十分に説明することが,相談に対する誠実な対応だと信じて,このようなスタイルを続けようと思っています。


今回は,ただの私のつぶやきを書かせていただきました。

失礼します。


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