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子の面接交渉、面接交流1 【離婚問題】

広島市の弁護士仲田誠一です。
 

久しぶりのコラム投稿です。


子の面接交渉、面会交流というと何のことかわかりますでしょうか。


別居後あるいは離婚後に、子と離れて暮らしている親と子には会う権利があります。
お子さんがいらっしゃる場合の離婚問題に付きものの問題です。
子の権利なのか親の権利なのか議論はありますが、建前は別として、実務上は親の権利として争われているような感覚です。


離婚の相談の際、「何も要らない、ただ子供は相手に会わせたくない。」、とおっしゃる依頼者がよくいらっしゃいます。
お気持ちは非常にわかります。いいかげんなことあるいは無関心なことをして家庭を壊した相手に子供を会わせて子供を混乱させたくないということでしょう。


現在の裁判所の実務は、DV等よっぽどのことがない限り、子を親に会わせるという運用です。
ハーグ条約なり子どもの権利条約なりが影響しているかはわかりませんが、この1,2年はとくに強く押し進められている気がします。
そこで、上のような相談をされてしまうと、「残念ながら相手方が望めば拒むのは難しいです、ただ方法は工夫しましょう。」とお答えせざるをえません。


弁護士は裁判所(相手方)と依頼者の間に挟まれて、試験的な面会を事務所で開いたり等苦労をするのですが、裁判所はわかってくれません。第三者機関が介入して面会交流を設定してくれる制度もあるようですが、費用と合意が必要です。


一方、子供に会いたい親の気持ちも十分わかることです。


難しい問題ですが、やや裁判所は早急に面会を実現しようとする態度にあるなと感じてはいます。
離婚を争って、いがみ合っている中で、相手と時間を約束して子供を預ける、って簡単にはできませんよね。

離婚が実現すれば安心して子供とあわせることができるという方もけっこういらっしゃるのですが。


もちろん、別居している側の親の代理人となれば、早急な面会実現を求めるのが弁護士としての務めです。
ただし、きちんとけじめをつけた会い方をするよう依頼者には説明します。


子の面接交渉の問題は、子が成年に達するまで続く問題で、偶に会う親の方はかわいがっていいことしか言わない、育ててる親は厳しくせざるを得ないため、子供が混乱してしまうっていう事例があり、一方では育てている親が子に一方の親の悪口を吹き込んで会いたくないと言わせる事例もあったり、法律的に結論が出る問題ではないため、弁護士も悩むところです。


「親が親としての自覚をもって子供に接する。」、これさえできればいいのですが。
まあ、自分も子供に甘いといつも怒られるので難しいのでしょう。


今回は離婚問題には付きものの、面会交流についてお話しました。



広島市中区上八丁堀5-27-602
なかた法律事務所
弁護士 仲田 誠一

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