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調停離婚の話 2  【離婚問題】

弁護士の仲田誠一です。catface

 

みなさんは忘年会をいくつやりましたか?年末までまだまだ続きますね。
ちなみに,今日は事務所の忘年会です。弁護士3人,事務員3人の総勢6名の忘年会ですが,ずいぶんうちの事務所も人が増えてきたなあと思っています。
広島のいわゆる「町弁」(東京大阪の大企業向けの大規模事務所ではなく,町医者のような弁護士のことです。ドラマもありましたね。)としての適正な人員はわかりません。
ただ,私自身は,責任がある以上,受任している事件や事務所で働く仲間を常に把握したいと考えているので,これくらいがちょうどいいかなと思っています。

さて,前回は協議離婚の話を簡単にしました。
当事者で協議が整わない場合,どういう流れになるのでしょう?
今回は,調停離婚について簡単にお話したいと思います。


◆ 協議が整わなければ調停を申し立てるべき?
実は,難しい問題です。
ここで考えることは,2つあると思います。
その2点とは,①相手が協議に応じるか?,②調停が成立しない場合裁判に打って出られるかです。

調停に相手が出てこなければ調停は成立しません,今度は訴訟をするしかなくなります。
また,調停に相手が出てきても,相手方に全く譲歩する余地がなく調停の中で合意ができなかった場合も,訴訟に出るしかありません(細かく言えば「審判離婚」というものもあるのですが,あまり有用ではなくお話はしません)。

そして,訴訟をするしかなくなった場合には,法律上離婚ができる理由があるのか(離婚訴訟に勝てるのか)が問題となります。
実は,裁判上の離婚が認められる理由は法律で決まっています(次回にお話します。)そのため,そのような理由がない場合には,困ります。
「調停が駄目だった,でも訴訟に出ても勝つ見込みがないから訴訟もできません,もう少し時間をおきましょう。」,といったことになるケースもありえるのです。

ご 自分で調停をする場合には,それでよいと思うのです。しかし,弁護士が入る以上は弁護士費用が発生するわけで,相談の際には,私が受任した場合に依頼者に 本当にメリットがあるか悩む場合があります。良心的な弁護士であればそのような場合に安請け合いはしてはいけないと思っています。
そこで,じっくり話し合い,納得してもらった上で受任するようにしています。

もっとも,当事者同士では全く折り合いがつかなくても,調停委員あるいは弁護士を介して話し合うことで折り合いがつくようになるケースもあります(良心的な弁護士なら自分の依頼者に法的に落ち着くところで折り合いをつけるよう説得することでしょう)。

したがって,上のような場合でも調停を申し立てる意味はないとは一概には言えません。


◆ 調停は自分だけでできる?
調停はご自分でもできます。

た だ,ご自分で調停を行ったために,法律上請求できることをきちんと主張しないで,不利な調停を成立させてしまった例を,何件か実際に耳にしました。もちろ ん,調停委員がわからないことを教えてくれるかもしれません。しかし,調停委員はあくまでも中立的な立場であり,また当たり外れもありまして,ご自分で やって失敗するケースも残念ながら皆無とは言えないようです(もちろん調停委員のご苦労は大変なものだと聞いておりますし,ほとんどの調停委員は親切かつ 公正だと思います)。

また,強制執行の必要が出てくるケースでは,弁護士がついていた方がいいでしょう。

というわけで,個人的には弁護士についてもらった方が公正な解決が図られると思います。
ご心配,ご不安なら,是非弁護士にご依頼ください。


◆ 調停の進め方は?
調停は,1ヶ月に1回程度の頻度で期日が開かれ,調停委員が双方の言い分を交互に聞いて(相手方に遭わないでもすむよう配慮してくれます),解決を図ります。
反面,交互に話を聞かれるので,待ち時間が辛いです。
2,3回の期日で終わるようだとかなり早い解決だといえるでしょう。

合意が整ったら,いよいよ裁判官が出てきて,調停を成立させます。調停調書は判決と同様な効力があります。

ここで一点注意しておく必要があります。それは,調停の管轄(どこの家庭裁判所に申し立てればいいか)です。
原則として,相手方の住所地ということになるんです。
例えば,あなたが広島市に居て,相手方が高松市にいる場合,あなたが申し立てるべき家庭裁判所は,原則として高松です(相手方が申し立てるなら広島ということになります。)。不便ですね。ここも調停の難しいところです。


◆ 調停が整わなければ?
調停が整わなければ,またそもそも相手が出てこなければ,調停は不成立になります。
それでも離婚をしたい場合には,裁判に打って出るしかありません(審判離婚は別に置いておきます)。

次回に,裁判離婚の話を簡単にさせていただこうと思います。


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