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「過払金の税金,相続など」【消費者問題6】

弁護士の仲田誠一です。

今回は,よくある質問から,過払金の税金と相続などについてお話します。
小ネタで恐縮です。

 

◆ 過払金の税金について
過払金が回収できた場合,それを所得として申告する必要があるのでしょうか?
実は,「過払金元金」については,課税されません。払いすぎのお金を返還してもらうだけなので,原則として所得が生じないのです。
ただし,過払い返還金に付された利息については、その支払を受けた日の属する年分の雑所得の金額の計算上総収入金額に算入されるようです。

なお、個人事業主などで,制限超過利息の支払額が各年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入されている場合にはこれを修正する必要も出てくるようです。

詳細は,国税庁のHPに記載されているため,そちらを参照してください。

 

◆ 過払金の相続について

以前にもお話しましたが,過払金返還請求権も財産として相続されるのです。

故人に明らかに過払金が発生するような借金がある場合には,他の債務との兼ね合いで相続放棄をしなければならない場合を除いて,相続放棄をせずに過払金を請求すればよいのです。

遺産分割協議が整っていたら相続した人が,整っていなかったら法定相続人がその持分において請求することになります。

 

◆ 以前に和解契約を締結したことがあるんだけど

過払金を無視して債務を減額するなどの和解を以前にした場合も,過払金返還請求をする余地があります。

過払金の存在を知らずに和解をしたので,それは錯誤(重要な事項に関する勘違い)により無効だと主張するのです。

 

◆ 途中から貸主の会社の名前が変わったりしてるけど

合併や債権譲渡によって,貸主の社名あるいは貸主が替わった場合でも,新しい会社(合併の場合には会社は替わっていませんが)に過払金返還債務が承継されると考えられます。
したがって,新しい会社に対して過払金の返還を主張することができます。

 

◆ 最後に
今回は,小ネタで失礼いたしました。


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