コラム

個人破産の徹底解説

個人破産の徹底解説
広島市の弁護士の仲田誠一です。今回は、個人(自然人)の破産についての徹底解説です。当事務所では破産や個人再生などの倒産事件を業務の柱の1つとしています。できるだけ実務的な、実際に役に立つ情報を盛り込んだつもりです。ご参考にしてください。なお、会社、法人の破産の解説については別途コラムを用意しておりますので、ぜひご参照ください。

目次

個人の破産とは
破産を選択する基準
同時廃止管財事件
破産しても残る財産
免責
破産における否認
非免責債権
破産準備の注意点
破産に係る費用
弁護士に依頼する意味
まとめ

個人の破産とは

1.個人の自己破産とは

破産手続とは、支払不能状態にあると判断される場合に選択される、資産・負債の清算手続です。換価できる財産を換価して債権者に配当できる場合には配当をします。
個人の破産には債務の支払義務を免れる「免責手続」が用意されています。法人格が消滅する法人と異なり、資産と負債を清算しても債務が残りますから、別途支払義務を免除する免責手続が必要なわけです。
裁判所の用意する破産申立書では免責許可決定申立てもセットで申し立てる形式になっています。
 
自己破産とは、上述の破産手続開始を「自己」が申し立てる場合です。
債権者が申し立てる債権者申立ての破産もあります。

2.個人の自己破産の流れ(申立てまで)

自己破産申立てまでの個人破産のスタンダードな流れは次のとおりです。

①相談
弁護士に相談をする際は、疑問点や要望、気になっていることを全て伝えてください。弁護士と一緒に、最適な債務整理方法を考えます。

②契約・受任通知の発送
弁護士と契約をすると、弁護士から債権者宛に受任通知を出します。これで債権者からの督促等は止まります。事情によっては必要に応じて特定の債権者に対する受任通知の発送を遅らせることもあります。
受任通知の発送により物事が進んでいきます。期限の利益が喪失され、債権者である銀行の口座が凍結され、相殺されます。保証会社がいるケースでは代位弁済がなされ、車などの所有権留保物件の返却要請も来ます。
 
③申立て準備
申立ての準備期間は2か月~3か月です。
その間に、家計収支表の作成などの準備をしていただきます。弁護士の方は、債権者対応、債権調査をすることになります。
 
④申立て
2カ月分の家計収支表の作成が完了し、債権調査も終わった、というタイミングで申し立てます。
申立先は、住所地を管轄する地方裁判所です(住民登録地と居所が違う場合には居所が優先します)。夫婦や連帯保証関係にある一方に管轄が付く裁判所であれば他方も同時に申し立てることができます。
申立て後、1~2週間を目途に、裁判所から補正命令という形で追加書類の提出要請や質問が送られてきます。

◆給与等の差押えを受けているケース◆
受任通知時を出しても差押えの取り下げに応じない債権者が多いです。可能な限り急いで申立てをし、破産手続開始決定を得て、執行裁判所に対して強制執行の中止を申立てます。
強制執行の中止決定をもらっても差押えが取り消されるわけではありませんが、天引き分は勤務先にプールされ債権者には支払われません。免責決定が確定すれば従業員に支払われます。
中止決定が出た段階では、通常の債権者は差押えを取り下げます。
◆訴訟あるいは支払督促がなされているケース◆
訴訟や支払督促まで進んでいると、債権者が勤務先を知っている場合、給与等差押えに備える必要が出てきます。
訴訟の場合には答弁書を提出し、支払督促の場合には異議を出して、事実上の時間稼ぎをせざるを得ません。その間にできるだけ早く破産を申立て、破産手続開始決定へ進めなければいけません。
弁護士が代理した答弁書あるいは異議申し立ての提出があれば、手続を取下げてくる債権者も多いです。

申立て後の流れは、選択される手続きによって変わるので、後述します。

破産を選択する基準

1.自己破産を選択する基準

個人の債務整理の方法には、自己破産のほかにも、任意整理、特定調停、個人再生もあります。どのような基準で自己破産を選ぶのでしょう。

任意整理自己破産個人再生という法的整理手続のどちらがいいのでしょう。

任意整理は、債権者との交渉により通常3年から5年の分割弁済契約を結ぶことです。将来の利息をカットしてくれる債権者がほとんどですが、元金カットは望めません。裁判所の調停手続を利用する場合を特定調停といいます。

自己破産の要件は「支払不能」、個人再生の要件は「支払不能のおそれ」です。それらがないときは、任意整理を選択することになります。理屈はそうですが、よくわかりませんね。
 
当職は、総債務を3年で「確実に」弁済できるかどうかを一つの基準とします。「確実に」というのは、ギリギリではなく余裕をもって返済に回せるお金を考えてもらうという意味です。任意整理の弁済期間も個人再生の計画弁済期間も3年が標準ですから3年を基準にします。支払原資(通常の生活をした際に返済に回せるお金)を考えていただき、元金だけを36回で弁済できないようでしたら自己破産個人再生でいいです。裁判所に問題視されたこともありません。

その他にも考えることがいくつかあります。
・年収に近い消費性ローン(住宅ローン以外)の残高があるケースは、弁済ができないと見て自己破産個人再生でよろしいのでしょう。
・無職、職業が安定されていない方、持病をお持ちで仕事に制約がある方は、基本的に自己破産でよろしいでしょう。債務額が小さくても「支払不能」の説明ができます。
・生活保護を受給されている方は、金額にかかわらず自己破産を選択します。保護費からの弁済はしないように指導がなされます。
任意整理に応じない等強硬な債権者もいます。そのような債権者がいるケースも自己破産を選択した方がよろしいでしょう。
・整理できない債権者がいるときは任意整理を選択します。任意整理できる債権者を選ぶことができることが任意整理の大きなメリットです。

任意整理ではなく法的整理手続を選択するとして、自己破産個人再生のどちらを選べばいいでしょう。
 
個人再生とは、裁判所から認可された再生計画に基づいて、原則3年間(最長5年間)で一定の債務(計画弁済額)を弁済し、弁済し終わるとその余の債務の免責を受けられる手続です。
任意整理自己破産との中間に位置づけられるイメージです。債権者の同意が要らない「給与所得者等再生」と、債権者数・債権額の過半数の消極的同意が必要な「小規模個人再生」の2つがあります。給与所得者等再生は、弁済額が大きくなる可能性が大きいので、小規模個人再生を優先して考えます。
 
破産の要件は「支払不能」、個人再生の要件は「支払不能のおそれ」ですが、相対的な違いであり、どちらでも選択できるケースが多いです。
双方可能であれば、経済的更生の観点からのメリットが大きい自己破産を優先して考えることになるでしょう。自己破産であれば非免責債務を除いたすべての債務の支払義務を免れることができるメリットがあります。
 
他にもいくつか考えることがあります。
・継続・安定した収入がない方は自己破産を選択します。個人再生の要件に当て嵌まりません。
個人再生を選択した場合に予想される計画弁済額を賄えるだけの家計の余裕がない場合も同じです。
・債権者数が少ない、あるいはある債権者が過半数の債権を持っているケースでは小規模個人再生における再生計画案が否決される可能性があり、自己破産の方が無難でしょうか。反対を覚悟して個人再生を選択する戦略をとることもあります。
・住宅ローンを支払いながら自宅不動産を維持したいケースでは個人再生です。個人再生では住宅資金特別条項を用いて住宅を維持できることが大きなメリットです。
・その他残したい財産があるケースは、ケースバイケースでしょう。個人再生でなく自己破産にて特定の財産を残す途も考えられます。
・破産における「資格制限」にかかる職業を継続しなければならないケースでは、資格制限がないというメリットを持つ個人再生を選択します。保険外交員、警備員、証券外務員、宅建主任者等、法律で定まっています。
免責不許可事由の程度が大きい場合には、管財事件になる、あるいは免責不許可になる可能性を考慮します。免責不許可事由のない個人再生を選択する方が無難なケースもあります。
自己破産をいさぎよしとせず、個人再生にて少しでも弁済したいというご希望が強いケースもあります。個人再生により経済的更生が可能だと判断できる限りで尊重すべきでしょう。

2.自己破産選択を悩むケースの具体例

上述の考え方で方針を選ぶとして、なお自己破産を選択してもいいのか悩む例をいくつか挙げます。
 
◆家賃滞納がある◆
債権者はすべて計上するのがルールです。破産自体では自宅賃貸物件からの退去を求められませんが、家賃滞納がある場合には、家主を破産債権者として扱う必要が出てきますので、賃料不払いにより解約される可能性があります。
諦める必要はないでしょう。他の債務の支払をストップする間に家賃滞納の解消する方法もあります。偏頗弁済という免責不許可事由に該当しますが、弁護士が事情を説明して裁量免責をもらいます。
なお、家主に事前に話をしてもらい、破産手続後滞納分を弁済する(これは自由です)ことで合意して申立てたケースもあります。
 
◆勤務先に対する債務がある◆
借入金、立替金、弁償金、負担金等の名目は問わず、勤務先に債務を負っているケースでは、勤務先を破産債権者に計上しなければなりません。事実上無理ですね。
こちらも問題になることを承知で、やむを得ず優先して弁済するほかないケースもあるでしょう。
なお、組合借入、共済借入の場合には、勤務先自体からの借入れではありません。また、多くは保証会社がいるため支障がありません。
 
◆親族からの借入れ◆
親族も債権者として計上し難い場合があります。通帳に振込みあるいは支払の記録があって判明することがあります。弁済を優先するやむを得ない客観的な事情はないでしょう。
ただし、本当に貸借関係なのかを吟味します。定期に弁済をしていないなどの場合には、法的に弁済を求められる借入金ではなく、援助(贈与)だという説明も可能です。その場合には債権者扱いをしません。
 
◆破産が恐い◆
破産は、破産者の経済的更生を図るために設けられた法律上の制度であり、制裁はありません。
破産手続中の「資格制限」があるだすし、一定の財産を残すこともできます。日常生活には支障がありません。
なお、個人信用情報機関に情報(所謂ブラック情報)が載り、破産後5年間あるいは10年間その記録が残りますが期間が長いかどうかの程度問題です。各信用情報機関加盟金融機関以外はアクセスできませんので、不動産賃借の審査などは関係がありません。
 
◆破産は恥ずかしい◆
破産、個人再生は官報公告があります(政府が発行する新聞のようなものに氏名・住所が載ります)。破産者MAPのような問題サイトも出現しては消えております。
しかし、破産は恥ずかしいものではありません。法律が破産者の経済的更生を図るために設けられた制度です。経済的に困窮された方は、法律上認められた制度に則り、早めに経済的更生を図ることの方が大事でしょう。
 
◆家族に知られたくない◆
経済的更生にはご家族に事情を知っていただき協力してもらうことが望ましいです。
それは別にしても、家族であるという理由で連絡が行くことはありません。程度の高い浪費のケースで配偶者と話をしたいと裁判所に言われた経験が1度だけあります。
一方、同居の家族については、収入証明資料(源泉徴収票、給与明細)、家計の主口座(公共料金が落ちている口座)の写しの提出が原則必要です。同居家族については、必要書類が揃う限りで、内緒で自己破産が可能です。
なお、家族が保証人、債権者、あるいは債務者になっている、あなたが家族の保証人であるケースでは、裁判所あるいは債権者から連絡が行きます。
 
◆勤務先に知られたくない◆
債権者ではない職場には連絡がいくことはありません。勿論、官報に氏名と住所が掲載されますが、見たことはありませんね。ほとんどの方は会社に内緒で自己破産をされています。
ただし、給与振込口座が債権者である銀行口座ならば、口座の変更を頼まないといけません。また、勤続5年以上の場合には退職金の説明資料を用意しなければいけません。その限りで勤務先の協力が必要なケースもあります。
 
◆仕事が続けられないのではないかと不安◆
通常の会社員であれば仕事に破産の影響はありません。
法律で定められている「資格制限」に該当する場合のみ、破産手続中は就けないだけです。実務上見るのは、警備員、保険外交員、証券外務員、宅建主任者でしょうか。破産手続が終われば法律上の制限が消えます。
仮に資格制限により自己破産ができない場合には、資格制限のない個人再生等を選択することになります。
 
◆周りに迷惑がかかるか不安◆
債務は個人単位で負うものです。保証人以外には直接の迷惑がかかりません。
ただし、あなたがどなたかの借入れの保証人になっている場合には、債権者から債務者に対して保証人追加等を要請される等、間接的に影響があります。
また、不動産を共有している場合には、破産管財人があなたの持分を換価しますので、共有者に影響を与えます。
 
◆携帯・スマホが利用し続けられるか◆
携帯電話、スマートフォンでは、本体の購入代金を分割支払していることが多いです。厳密に見れば破産債権でしょう。
しかし、実務上は、通信会社を債権者として扱わないことが原則です(料金滞納があれば別です)。生活必需品ですからね。自己破産をしても利用し続けられるのが原則となります。
注意点があります。
ただし、おさいふケータイなどスマホのクレジット機能の使用は止めていただきます。借金と同様ですので。
また、1台当たり料金が1万前後に抑えていただきたいです。高額な支払いをしている場合には、裁判所から突っ込まれる可能性があります。
なお、通信会社のクレジットカードの利用がある場合など通信会社を債権者として扱うべきケースでも、利用料金のみを支払い続けることにより利用継続できる例が多いです。
 
◆自動車が手放せない◆
ローンのない車であれば、外車や高級車ではない限り、初年度登録から6年以上経ていれば価値がゼロと評価され、手元に残せます。6年未満の場合、自由財産の拡張手続等によって手元に残すことになります。車の価値は査定書かレッドブックの中古車相場で疎明します(レッドブックは当事務所で用意しています)。
ローンがあり、車が所有権留保物件であるケース(クレジット会社のローンの担保になっているケース)では、返却が必要です。稀に価値がないとして放棄されることがあるだけです。ただし、親族などの助けを得て、残債を弁済する、買取りをする等により、車を残す方策もありますので、弁護士と相談してください。銀行のオートローン、マイカーローンのケースでは車が所有権留保物件ではないことが通常です。返還を求められた経験はありません。
相談時や準備の打ち合わせ時には車検証の写しを見せてください。普通自動車の場合は車検証の所有者名義によっては返還してはいけないケースもあり、間違って返却するとそれ自体で管財事件になり得ます。
 
◆2度目の破産◆
2度目の自己破産も、前回の破産免責が確定してから7年を経ていれば可能です。7年以内であると原則不可能と考えてください。免責不許可事由の1つなのですが、容易には裁量免責をもらえません。個人再生を選択すべきことになります(小規模個人再生のみ利用可能です)。
2度目の破産だからといって必ずしも管財事件になるわけではありません。同時廃止になる例も多いです。それなりの準備は必要です。特に前回の破産と今回の破産とでの事情の違いを明確に説明した方がいいでしょう。
なお、2回目の自己破産では、前回の破産開始決定及び免責決定写しの提出が必要です。手元になければ、前回の破産裁判所に謄写申請をします。
 
◆未分割遺産がある◆
未分割遺産の法定相続分は財産です。不動産や一定の遺産があれば管財事件になり、破産管財人が換価に動きます(田舎の換価不能な不動産の相続が未了のケースで同時廃止になったこともあります)。
分割合意はされているが登記がなされていないケースも同様です。
他の相続人が遺産を取得する形の分割手続あるいは登記を急いでやっても問題は解決しません。その行為が否認行為として問題視されます。ケースバイケースの判断でしょうが、価値が相応にある不動産だと裁判所の見方が厳しくなります。取り扱いが非常に難しい問題ですので、弁護士と早めに相談の上、打てる方策があるか検討しましょう。
 
◆個人事業を続けたいというケース◆
自己破産をする以上、個人事業は廃止することが前提です。破産の原因になっていることも多いでしょう。
ただし、専ら特定の先に労務提供をして報酬を得ており実質給与所得者と変わらない事業の場合(いわゆる一人親方)はそもそも事業者として見られません。
また、設備がほとんどなく、売掛金や買掛金もない小規模の事業も、破産手続(資産・負債の清算手続)の影響を受けませんので、理屈上は事業継続も可能です。ただし、事業が借金の原因になっていない、今後もならないことを説明する必要があります。かつ、事業用資産(在庫、設備等)は自由財産拡張手続により残すことは難しいです。

同時廃止事件と管財事件

1.同時廃止事件

同時廃止とは、破産手続開始決定と破産手続廃止決定が同時になされる手続です。破産費用を支弁する財産がないという理由になります。
破産法上は管財事件が原則となっていますが、運用上は、同時廃止事件が多いです(広島本庁では70パーセント前後でしょうか)。
 
自己破産同時廃止)の申立て後の流れ◆
弁護士受任から6~7カ月で免責決定まで進むのが同時廃止事件のスタンダードなスケジュールでしょうか。
同時廃止事件の申立て後の流れは次のようになります。
①補正連絡
申立て後、1~2週間後に、裁判所から追加資料の提出や事情の報告等を求められます(補正連絡)。
同時廃止決定
裁判所からの補正連絡に対応したタイミングで、3か月前後先の免責審尋期日の調整がなされ、同時廃止決定が出ます。
問題事案ではその前に債務者審尋が開かれます。
同時廃止決定が出ると、破産手続自体は終わりです。免責審尋期日を待つのみです。問題事案などでは、家計収支表の提出など宿題ができることもあります。
③免責決定
免責審尋期日に出席すれば通常その日に免責決定が出ます(出席を要しない裁判所もあります)。弁護士も同席します。
原則として集団免責の形で行われます。広い部屋に破産者が集められ裁判所からの話を聞く手続です。仮に裁判所に債権者が来たときは、個別審尋に切り替わります。
二度目の破産や免責不許可事由の程度が大きい等のケースでは小さい部屋で裁判官から質問などもされる個別免責手続が指定されることがあります。
  
同時廃止管財事件か◆
裁判所が同時廃止管財事件とを振り分ける基準を用意しています。
広島本庁では原則的に次のようなものが管財事件となり、それ以外は同時廃止です。
・現金・預貯金が50万円を超える場合
・個々の財産項目のいずれかが各20万円を超える場合
・オーバーローンではない不動産がある場合
上述のような財産がない場合であっても、
・過去5年以内に、会社代表者(それに準じる経営者)や個人事業主であった場合
免責不許可事由の程度が大きい場合(このケースを免責調査型管財と呼びます)
・看過できない否認対象行為がある場合
 
◆個人事業者◆
確定申告をしているから必ず個人事業主と扱われるわけではありません。
例えば、設備や仕入れを伴わずに決まった取引先から労務提供に対する対価を得ている場合(所謂、一人親方等)、実質的に給与所得者と異なることがないとして管財事件になりません。
 
◆保険の評価◆
解約返戻金額が評価額となります。契約者貸付を受けている場合には同貸付金を控除した金額になります。解約をしたら現金預金での評価です。
保険を解約しあるいは契約者貸付を受けて、破産費用、必要な生活費等に充てるのはある程度許容されます。そのままだと管財事件になるべきケースが、解約するないし契約者貸付を受けると同時廃止の処理になるケースもあります。
確定拠出年金は本来的自由財産でありカウントされませんが、年金保険は評価の対象です。
 
◆退職金の評価◆
退職が差し迫っている例外的なケースを除き、自己都合退職した場合の支給見込額の8分の1が財産額として評価されます。仮に退職が決まっているが受取前という段階まででしたら、差押え財産との関係で4分の1の評価まで抑えることができます。
これに対し、中小企業退職金共済(中退共)、小規模企業共済は、退職金類似のものですが、法律上差押え禁止財産ですので財産とはみなされません。
 
◆交通事故の被害者◆
財産的損害に基づく損害賠償請求権は、財産として評価されます。休業補償、逸失利益、介護費用、入院雑費は自由財産拡張の対象ですが、物損部分は難しいです。
精神的損害に基づく慰謝料請求権は、慰謝料金額が確定するまでは、行使上の一身専属権として財産とみなされません。金額が確定した場合には、財団に属するとされています。
破産手続開始決定時に損害賠償金が入金されていれば、現金あるいは預貯金として財産評価されます。
自己破産申立てと示談のタイミングも図る必要があります。弁護士とよく相談して段取りすることが必要です。

2.管財事件

管財事件とは、裁判所が破産管財人を選任し、破産管財人が財産調査、換価・配当などを行う手続です。個人破産の場合には、免責調査、免責意見の提出も破産管財人の仕事です。
破産管財人には弁護士が選任されます(予納金が高額になります)。
手続中は、郵便局を通じた郵送物は破産管財人に転送され開封されますますので気を付けてください。
 
◆破産申立て後の流れ(管財事件)◆
①補正連絡・予納金納付
補正連絡に対応しつつ、裁判所から指示された予納金を納めます。
②破産手続開始決定
債務者審尋の日か(破産管財人候補も出席して顔合わせ等をする期日)、同審尋が開かれないケースでは予納金納付日に近い時点で、破産手続開始決定が出ます。
郵送物が破産管財人に転送されるようになります。
自由財産拡張手続
開始決定後1か月以内を目処に自由財産拡張手続がなされます。破産開始決定日が財産の基準日になりますので、通帳を記帳して弁護士に持っていきます。
④第1回債権者集会
第1回債権者集会は、開始決定日の2~3か月後程度に指定されます。個人破産のケースでは金融機関や業者が債権者集会に出席することはほぼありません。
開始決定後第1回債権者集会までの間は、管財人事務所に赴いての打合せが必要になります。
単純な免責調査型の管財事件であれば、第1回債権者集会の日に破産手続、免責手続が終了することが多いです。
⑤第2回債権者集会~
管財人による資産の処分に時間がかかる、配当がある等の場合には、1年あるいはそれ以上かかることがあります。
ただ、多くの場合は、第1回債権者集会の後は、2~3か月に1回の期日に出席すればいいだけです。弁護士も同席します。
 
なお、法人破産を同時に申し立てた場合には、法人破産のスケジュールに合わせて進んでいきます。
 
◆会社の同時申立てが必要か◆
会社の経営者が、法人破産の費用を捻出できない、あるいは帳簿類が散逸しているなどの理由で、個人の破産だけを申し立てるケースがあります。
会社が休眠状態になってから相応の年数を経ているケース以外では、法人の申立てを裁判所から勧奨されます。
強制力はないのでしょうが、強く求められることも珍しくありません。法人の予納金を形だけでいいから納める、申立書も簡単な物でいいと説得され、やむなく法人の申立てに応じたケースもあります。

破産しても残る財産

1.破産しても残る財産

同時廃止の場合、保有している財産は全て残ります。破産管財人による財産の換価処分は行われません。
 
管財事件の場合でも、自然人の破産ではすべての財産が換価処分されるわけではありません。経済的更生を図る制度であるため、全体で99万円までの財産が手元に残ると思ってください。
現金以外の本来的自由財産と、99万円までの自由財産拡張が認められた現金その他財産が残ります。
 
◆自由財産◆
破産財団に組み入れられることなく破産者が自由に管理処分できる財産を自由財産といいます。自由財産ではなく財団に組み入れられる財産を破産管財人が換価処分します。
自由財産には、本来的自由財産と拡張手続を経たそれ以外の自由財産があります。
 
◆本来的自由財産◆
本来的自由財産は、破産法で定められた自由財産です。
99万円以下の現金及び差押え禁止財産が本来的自由財産だと考えてください。
差押え禁止財産は、民事執行法その他法律にて差押禁止財産だと定められているものです。主なものは次のとおりです。
・生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品等(通常の家財一式)
・退職金の4分の3(もっとも実際に退職間近でないかぎり支給見込額の8分の1の評価です)
・小規模企業共済
・中小企業退職金共済、建設業退職金共済
・確定拠出年金
 
自由財産拡張手続◆ 
自由財産拡張は、自由財産の範囲を本来的自由財産以外の財産まで拡げる手続です。一定の財産(自由財産)を手元に残すための許可を得る手続ですね。
自由財産の拡張は、破産管財人の意見を聴いて、裁判所により決定されます。破産者側の申立ては必ずしも必要ではありませんが、申立人の意向を反映させるために当職は申し立てています。
金額にして99万円の範囲内で行われます。本来的自由財産のうちの現金を含めての99万円の範囲であることにご注意ください。
無条件で99万円まで残せるわけではありません。経済的更生に必要かつ相当と見られる範囲です。現金以外の本来的自由財産の金額の多寡も影響します。
なお、制度上は不可欠と考えられる場合に99万円を超える拡張もあり得るのですが、運用上あまり見かけません。

2.自由財産拡張にあたっての注意点

財産の中には、自由財産拡張の対象にならない財産があります。

経済的更生に必要・相当ではない財産は自由財産拡張の対象となりません。財団に属し換価処分されます。
不動産、株式、債権、投資信託などが典型です。

車については、実用車は対象ですが、趣味のための車は対象外です。
保険は、投資性の強い商品を除き、基本的に認めてくれます。
報告が漏れており破産管財人の調査で見つかった財産は対象とならない傾向です。
 
なお、自由財産拡張範囲を超える財産は必ず換価されるわけではありません。
自由財産拡張対象外の財産は、財団に組み入れられ、破産管財人により換価処分されます。しかし、99万円の価値分を財団に組み入れるのであれば、個々の財産自体は解約、処分しないで済むケースがあります。
例えば、保険をどうしても残したいが財産が99万円を超える場合、手元に残るべき現金から99万円を超える金額を財団に組み入れる形で、保険契約自体は残すことができます。

免責

1.免責と免責不許可事由

債務の支払義務を免れることを免責といいます。個人の破産では、免責許可決定を得ないと意味がありませんね。
破産法では、このような行為があった場合には原則として免責を許可してはいけないという免責不許可事由が定められています。

免責不許可事由がない場合、権利として免責許可を得ることができます(権利免責)。
免責不許可事由があったとしても、裁判所が事情を斟酌した上で裁量により免責許可を与えることができることになっています(裁量免責)。
運用上は、原則と例外が逆転し、仮に免責不許可事由があったとしても、結果的にはほぼ免責決定を得ることができています。
 
ただし、免責不許可事由が悪質・重大な場合には、それだけで管財事件(免責調査型)になる可能性がありますし、中には免責を受けられないケースもあります(裁判所から取下げ勧奨を受けることもあります)。
免責を得られるか不安なケースでは個人再生を選択することもあります(なお、個人再生のケースでも、免責不許可事由否認対象行為に該当するケースでは清算価値への計上という形で影響します)。

2.免責不許可事由の種類

破産法に定められている免責不許可事由の主なものは次のとおりです。
・不当な財産価値減少行為(財産の隠匿・損壊・廉価売買・無償行為など)
・不当な債務負担行為(高利の借金や換金行為など)
・不当な偏頗行為(不公平な弁済・担保供与など)
・浪費または賭博その他の射幸行為
・詐術による信用取引(財産や収入に関し嘘をついて借り入れるなど)
・裁判所への虚偽説明や管財人への協力義務懈怠
 
免責不許可事由に該当するかの判断は解釈を要する事柄であり、程度問題もあります。弁護士に判断してもらうほかありません(弁護士からも確認します)。
ここでは、何点かコメントするにとどめます。
 
◆浪費、ギャンブル、投資◆
多かれ少なかれ浪費、ギャンブルが借金の原因になっていることは多いです。程度問題です、要は借金の原因になっているかが肝でしょう。破産の原因、借金の原因について、他の理由で説明できるか検討し、説明できなければそれらが主な原因になります。管財事件になるケースもありますが、説明、反省を尽くせば同時廃止で処理してくれ、仮に管財事件となってもほぼ免責を得られます。
FXや仮想通貨等投資損害も浪費、ギャンブルと同じように扱われます。この場合は取引履歴等の資料の提出もいたします。
 
◆ショッピング枠の現金化◆
借金の返済に追い込まれてショッピング枠の現金化に手を出すケースが割と多いですね。ネットで価値のない物を高額のクレジットを利用して買う形式が典型ですが、金券等をクレジットで購入してすぐに換金するケースもその一種です。そのような行為の有無、内容は破産申立書の報告事項であり、かる免責不許可事由として扱われています(犯罪行為にも該当し得ます)。
頻度や金額によって管財事件にはなり得ますが、免責不許可になる例は稀でしょう。反省文の提出により同時廃止で終わるケースも多いです。頻度や金額の程度が重いケースでは、無難に個人再生を選択することもあります。
 
◆スマホ、タブレットの不正購入◆
最近は、悪質金融業者に唆されて、スマホやタブレットをクレジットで購入し、物は業者あるいは債権者に売却するという事例もよく見ます。転売目的、譲渡目的でそれらを購入することは許されていません。
違法であること、免責不許可事由として扱われることは、ショッピング枠の現金化と同じであり、裁判所へ丁寧な説明が必要です。無難に個人再生を選択することもあります。

破産における否認

1.否認権とは

破産管財人には、破産者が行った否認対象行為を否認し(法的効果を覆すこと)、散逸した財産を財団に取り戻す否認権があります。
否認対象行為には、詐害行為(廉価売買など)、過大代物弁済、無償行為(贈与など)、財産散逸行為、偏頗行為(不公平な債務の弁済等)、権利変動の対抗要件具備(登記行為等)ですが、それぞれ破産法に対象となる要件が定められており、解釈上の例外もあります。弁護士でないと具体的な判断が難しいです。経済的危機状態で財産状況を悪化させる行為が該当するとイメージしていただき、ひっかかる行為があれば弁護士に伝えてください。
 
裁判所からは、破産直前の弁済、財産処分、相続、離婚などの行為は必ずチェックされます。否認対象行為があり、その程度が重いケースは管財事件になります。
 
破産管財人は、否認対象行為がある場合、まずは交渉での和解的解決を図るでしょう。交渉で解決できないケースでは、破産裁判所への否認請求あるいは通常裁判所への否認の訴えを提起する流れになります。

2.否認に関する注意点

弁護士には、少なくとも2年程度遡って、大きな財産の売却、贈与、解約あるいは名義変更の事実がないか報告してください。
それらは申立時の報告事項ですし、事前に対処を考える必要があります。
なお、準備の中で否認対象となり得る行為をせざるを得ないケースもあります。必ず弁護士の関与の下で進め、否認リスクを減らしてください。
 
◆直前の財産処分の注意点◆
処分代金や解約金を、有用の資(破産費用、相当な生活費、医療費、転居費用、学費、公租公課)に費消することは許容されています。
場合によっては不動産や車などどうしても生活に必要な物を親族等が買い取って残すこともあります。
弁護士が関与しない直前の処分は極力避けてください。リスクが高いですし、説明が不十分であるとそれだけで管財事件になります。
弁護士が、処分代金あるいは解約金等を管理した上で、取引の妥当性や使途の妥当性を裁判所に説明する必要があるでしょう。
 
◆相続と自己破産
相続放棄否認の対象ではありません。身分行為で財産行為ではないからです。
これに対し、経済的危機状態でなされた不相当な遺産分割は否認の対象となります。財産処分の一種と見られるからです。否認リスクがあるので、法律的に合理的な説明を用意しておかなければいけません。
場合によっては、破産直前に遺産分割手続をせざるを得ないケースもあります。リスクが高いので、弁護士と相談の上で進めてください。
 
離婚自己破産
経済的破綻を原因として離婚することは珍しくありませんが、経済的危機状態での財産分与慰謝料の支払いは慎重にしなければいけません。
財産分与は、相当な内容であれば否認されることはない傾向ですが、相当性を法律的に説明しなければなりません。
慰謝料も相当額なら問題ないとも思われますが、偏頗弁済として問題視されることもあります。そのため慰謝料財産分与の形をとる方法も考えられますね。
自己破産を予定される場合には、離婚協議も弁護士と相談の上で進めた方がよろしいでしょう。

非免責債権

1.非免責債権とは

非免責債権は、免責許可決定によっても免責されることのない債権です。
非免責債権の種類の中には、非免責債権に該当するか悩むケースもあります。
非免責債権に該当するかどうかは破産手続では判断されず、別途訴訟が提起されればその中で判断されることになります。

2.非免責債権の種類

次のようなものが非免責債権となります。
◆国税徴収法または国税徴収法の例により徴収することができる債権◆
国税、地方税、国民健康保険、国民年金料などですね。そのため、破産者には、減免申請を役所にしてもらうようにしています。
なお、生活保護法63条に基づく保護費の返還請求権、同法78条の徴収金も、非免責債権になります。

◆悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権◆
故意ではなく積極的な「害意」が必要とされます。詐欺の被害者からの損害賠償請求権などです。不貞行為の慰謝料は通常のケースでは該当しない傾向にあると思われます。

◆故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権◆
悪質な交通違反による交通事故の人身傷害に関する損害賠償義務などです。

婚姻費用養育費
滞納している分ですね。

◆雇用契約に基づく給与や預り金返還請求権◆
個人事業主に対する労働債権ですね。

◆債権者一覧表に記載しなかった債権者の債権◆
過失で漏れていても該当します。債権者の漏れに注意してください。

◆罰金など◆
罰金、科料、過料、追徴金等です。

破産準備の注意点

1.必要書類の注意点

自己破産申立ての必要書類は多岐にわたり、かつケースにより種類や濃淡も異なります。弁護士と事前に十分に協議の上で段取りを組んでください。
必要書類について、いくつか注意点を挙げておきます。
 
◆給与明細◆
直近2カ月分の給与明細が必要書類になりますが、遅くとも準備の打ち合わせ時に弁護士に見てもらうべきでしょう。
控除欄から、勤務先からの借入金や労働組合・共済組合からの借入金が判明することがあります。弁償金、返納金等の名目で勤務先から債務を負っているケースもあります。
また、保険料や会費・積立が天引きされている場合は、保険・共済契約の内容や解約返戻金額の有無・金額が分かる資料が必要となりますし、会費や積立は資産性の有無、あるものについては残高の説明をしないといけません。
 
◆ネット専用口座◆
直近1年間の通帳の写しが提出書類になっております。ネット専用口座も1年間の取引明細と当該預金口座以外の口座がないことがわかる画面を紙ベースで提出します。
受任通知後、ネットバンキングが閉じられて、取引明細書が取れないケースも多いです。受任通知までに予め取引明細をとっておくことをお願いしております。
申立日までの取引明細の提出を裁判所に要求されることもあり、そうなると郵送で銀行に取引明細発行を依頼する、あるいは一時的にアカウントを開放してもらう必要が出てきます。
 
◆退職金◆
勤続5年以上(正社員)の場合には、退職金に関する資料が必要です。
原則は勤務先の退職金見込額証明書あるいは退職金がないことの証明書ですが、なかなか取得が難しいですね。
退職金制度がある場合には、退職金規程、辞令等、退職金見込額が正確に計算できるだけの資料の提出で証明書に代えることができます。ポイント制を採用している会社は説明に苦労することがあります。
退職金制度がない場合には、退職金制度がないことがわかる就業規則を提出すれば事足ります。
なお、中小企業退職金共済、小規模企業共済は、財産として見られないものの、加入状況がかわかる資料は求められます。
 
◆居住証明書◆
自己破産の申立てには、居住証明に関する資料(賃貸借契約書か不動産登記簿謄本)を提出しますが、第三者が賃借している物件あるいは所有している物件にお住いの場合には、当該第三者から居住証明書の取得も必要です。
勿論、同一世帯の親族名義の場合には、居住証明書を要求されません。
社宅の場合は、賃貸借契約書の写しを取れない場合もありますし、会社に居住証明書をもらうのも酷な場合があります。その場合は、社宅利用許可証や給与明細上の天引き社宅料等、社宅に居住していることがわかる資料で説明を尽くせば大丈夫です。
 
◆家計収支表◆
家計収支表は家計簿を月単位でまとめたもので、広島地裁本庁では2か月分の会計収支表の提出が必要です。準備にあたっては、家計収支表の書き方も弁護士と協議してください。
同居の親族全ての収入と支出を合わせて記載することが原則なのですが(原則として家計を一とするとみられるため)、なかなか難しい場合もあります。
破産者とその他親族を分離して親族間のお金のやりとりを明記することでの説明も許容され得ます。当職は、破産者の生活状況、お金の費消状況を的確に説明できる形になるようケースバイケースで書き方を相談して決めています。

◆相続◆
自己破産の申立て時には実方の親が亡くなっている場合には必ず相続の有無を報告します。未分割遺産の報告漏れが多数あったためです。
経済的危機状態での相続、時期の近い相続がある場合には、戸籍、相続関係図、登記簿、固定資産評価証明書、写真、査定書などの提出をしないといけません。どこまで必要かはケースにより異なります。早めに協議をしておかないといけません。

2.その他の注意点

その他の準備に関する注意点をいくつかコメントいたします。
 
◆言い難いことこそ相談を◆
あなたが弁護士に対して言いづらいことにこそ、免責不許可や否認など破産手続上の問題点が隠れていることが多いです。
言い難いことこそ早めに弁護士に伝えて、方針を見極め、善後策を図らなければなりません。
 
◆口座凍結・相殺◆
受任通知の発送により、借入先の銀行口座が凍結され、残高が残っていれば相殺されます。受任通知が銀行に届く前にお金は引き出さないといけません。
また、保証人がいる場合、保証人の当該銀行の口座も凍結され相殺されることにご注意を。
 
◆給与口座・年金受取口座◆
給与口座、年金受取口座、生活保護受給口座のある銀行が債権者であるときは、受任通知を出す前に借入れのない銀行口座に変更してもらいます。銀行に受任通知を送ると預金口座は凍結されるからです。
変更に時間がかかる場合、確認できるまで当該銀行に受任通知を発送するのを待つこともします。
勤務先の方針で給与口座の変更ができないケースもあります。
受任通知後の給与・年金の入金の引き出しは銀行も応じてくれるのが通常ですが(私の経験上は断られたことはありません)、その都度銀行窓口に行かなければならない等の手間がかかります。
 
◆債権者の漏れがないように◆
破産手続中でしたら、漏れがあっても債権者を追加すれば大丈夫です。
手続終了後に判明すると、債権者一覧表の記載を漏らした債権者の債権は非免責債権になります。故意でなくとも過失があったらダメで、やむを得ないケースだったと裁判所で認められるのは簡単ではないです。
ただし、債権者が金融機関であるケースでは、判明した時点で破産開始決定通知及び免責決定通知を送ると免責処理をしてくれるケースも多いでしょう。
 
◆スケジュールを守る◆
弁護士から示されたスケジュールを守ってください。
金融機関は受任通知後少なくとも半年ぐらいは訴訟を提起せずに待ってくれますが(一部の債権者はすぐに訴訟をしてきますが)、徒に申立てが遅くなると訴訟等のアクションを起こす債権者が出てきます。
弁護士も、長期間放置をすると弁護士会の懲戒を受けかねませんので、一定期間経ても準備が進まないケースでは辞任をせざるを得ません。弁護士に辞任されると百害あって一利なしです。

破産にかかる費用

1.破産にかかる費用

自己破産の申立て代理業務を弁護士に依頼する場合の費用には、裁判所にかかる費用、弁護士費用、実費(弁護士費用込みのケースも多いです)があります。
なお、当事務所は債務整理に関する初回相談料(30分程度)は無料です。
また、法テラスの民事法律扶助制度もございます。
 
◆裁判所にかかる費用◆
同時廃止事件では、裁判所に納める予納金と予納郵券を合わせても15,000円あれば賄えます。申立ての際に預かります。
管財事件では、裁判所から具体的に納付金額の指示があります。23万円から33万円を用意してもらっています。
予納金は、原則即時支払う必要があります。分割支払いができませんが、事実上数か月待ってもらえることがあります(期限を区切って予納命令が出されます)。
管財事件の可能性が高いケースでは、申立てのタイミングを含めて予納金の用意について協議をしておいてください。
 
◆弁護士費用◆
弁護士費用は、依頼される弁護士によっても、案件の性質によっても異なります。広島では33万円(消費税込み)前後が多いでしょうか。弁護士費用、その支払方法も弁護士と相談することの大事な1つです。
当事務所では27万5000円(消費税込み)です。勿論、ケースによって、減額することもありますし、相応の規模の個人事業主や財産が多い場合には増額することもあります。比較的安い方だとは思いますが、費用の金額で弁護士を選んでは駄目です。
  
◆法テラスの民事法律扶助制度
法テラスの民事法律扶助制度は、一定の資力要件(平均手取り月収額と財産額)の下、弁護士費用を立て替えてもらい、立替金を月5000円からの分割で償還する制度です。
債権者数により異なりますが、自己破産155,000円からと安価な設定になっております。こちらを利用される方も多いです。
同制度を利用する流れは、
①弁護士に相談(無料法律相談も3回まで可能)
②申請書類を、弁護士を通じて法テラスに提出
③承認後に弁護士事務所で契約
というものになります。申請から契約まで10日前後かかるでしょうか。
なお、ケースによっては、法テラスを利用しない方が後の破産手続との関係でトータルの支出が押さえられるケースもあり得ますので、よくご相談ください。
 
◆生活保護を受給されている方◆
生活保護を受給されている方、受給予定の方は、上記民事法律扶助制度を利用します(当事務所にて手続を行います)。
法テラスが予納金まで立て替えてくれます。かつ、立替金償還は猶予され、破産手続終了時にも生活保護を受給されていれば償還免除申請を行って免除されます。
結果、費用負担がない形で自己破産をすることができるのです。

2.費用の準備

費用を一度にご準備いただけないケースでは、弁護士が受任通知を送付して支払いをストップしている間に分割でご準備いただくケースが多いです。
原則として、弁護士費用の支払いが終了した後に破産申立てをします。そのため、分割期間は4から5カ月までにしていただいております。ボーナスで調整される方もいらっしゃいます。

また、財産の処分代金から、あるいは保険等の解約金から、費用をご用意いただくこともあります。財産を換価した現金を破産費用に充てることは許されております。
過払金の回収により費用が捻出できたケースもあります。
 
費用の捻出方法はスケジュールも絡みケースバイケースで考えるべきことです。
弁護士とよくご相談ください。

弁護士に依頼する意味

1.弁護士に依頼する意味

自己破産の申立代理業務を弁護士に依頼する主な意味は、次のとおりでしょうか。
 
◆債権者対応◆
弁護士が受任通知を出して債権者対応をしてもらえるのは大きなメリットです。早めにご相談、ご依頼されて、精神的に疲弊をすることを避けてください。
 
◆効率的な準備◆
自己破産の準備といっても、初めての方はわからないでしょう。かつ、機械的に書類を集めればいいわけでもありません。専門家のサポートを受けて効率よくご準備ください。
 
◆破産は専門的なサポートが必要な手続◆
自己破産も法的手続きです。準備の仕方あるいは申立て方によって、法的に選択される手続や法的に問題視されるかどうかが変わることもあります。法的な見地から準備、申立てを組立ていかなければなりません。
やはり、弁護士に関与してもらう方がよろしいでしょう。弁護士であれば、裁判所での各手続等にも代理人として同席できます。
なお、本人申立ての場合には管財事件になりやすい傾向にありますね。

2.破産弁護士による専門的なサポート

申立代理人弁護士の腕が、ご苦労の程度や手続のスムーズな進行度合いに直結します。準備に不備があると苦労を強いられかねませんし、破産法上問題となる行為が問題視されるリスクも高まります。
破産管財人に就任した案件でも「準備をもう少しきちんとしていただければ苦労されなかったのに。」と感じることがあります。
 
破産には独特のルールや考え方があり、弁護士も職人的な能力が必要とされます。裁判所の傾向・考え方も事件処理の方向に影響しますので、キャッチアップしなければなりません。破産申立てを裏から見る破産管財人の経験も必須です。
かつ自己破産は借金の支払義務を免れるためだけが目的の制度ではありません、経済的更生を図るための制度であり、様々なケースの経験が必要でしょう。
 
様々なケースにおいて、諸々の問題を紐解いてシンプルに整理し、申立てのスキーム、段取りを調整できる専門的な弁護士のサポートを得るべきです。
倒産法制に精通し、申立代理人経験も破産管財人等の経験も豊富で、破産等倒産事件を業務の柱の1つにしている弁護士を、「破産弁護士」「倒産弁護士」と呼んだりします。
 
弁護士に相談される際、いろいろな疑問点や不安な点をぶつけてみてください。破産事件に精通する弁護士であれば、具体的なアドバイスをしてくれます。
疑問を解消してくれ、また問題点を的確に指摘してくれる弁護士を探してください。
 
なお、当事務所は、自己破産個人再生の申立件数が相対的に最も多い部類に属します。かつ、当職は、破産管財人個人再生委員の経験も豊富です。裁判所との倒産関係に関する協議会のメンバーにも属しています。
ぜひ、相談してみてください。

まとめ

1.個人の自己破産についての徹底解説

個人自己破産の徹底解説と銘打って、個人破産の概要を説明させていただきました。細かい点まで立ち入ることができなかった問題もございます。他のコラムも参照していただければ幸いです。
個人破産とは免責を得ることを目的とした法的清算手続でした。経済的更生を図ることを目的としています。
自己破産の選択基準、同時廃止管財事件の別、破産しても残る財産、免責手続、否認権、非免責債権、準備の注意点など、多岐にわたり説明させていただきましたが、細かくて難しいかもしれません。
ケースバイケースで様々なことを考えて、見通しを立て準備をしないといけないことがご理解いただければ十分です。
様々なケースにおいて、諸々の問題を紐解いてシンプルに整理し、申立てのスキーム、段取りを調整できる専門的な弁護士のサポートを得てください。
当事務所にご相談くだされば幸いです。解決策を一緒に考えましょう。

2.破産は経済的更生の手段

借金が嵩むとお金のやりくりばかり考えるようになり、追い詰められ、借金のために生きているかのような感覚に陥るようです。ご依頼者の方からは大変な苦労をお聞きしております。
破産手続などが終わった時には、本当に肩の荷が下りた気持ちになるようです。皆さんの表情からも変わります。
多くの方は、「もっと早く先生にお願いすればよかった。」とおっしゃいます。個人の破産は、経済的更生を図る目的の制度であることを強調させていただきます。
早めに弁護士に相談、依頼され、諸々の課題を紐解きながら最終的にシンプルな形で整理してもらってください。それが早期の経済的更生に繋がります。
できるだけ早いご相談を。

この記事を書いた人

firsttime_lawyer.jpg弁護士仲田誠一(広島弁護士会所属)
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27
アーバンビュー上八丁堀602
TEL:082-223-2900
https://www.nakata-law.com/
https://www.nakata-law.com/smart/
◆経歴
1996年4月~
あさひ銀行 融資、融資管理、企業再生、法人営業等
2002年5月~
東京スター銀行 経営管理、内部監査、法人営業等
2004年4月~
広島大学大学院法務研究科
2008年12月
弁護士登録
2017年~各前期
広島大学大学院客員准教授(税法担当)
◆資格等
弁護士
公認内部監査人試験合格、経営革新等支援機関

続き

個人破産の徹底解説
広島市の弁護士の仲田誠一です。今回は、個人(自然人)の破産についての徹底解説です。当事務所では破産や個人再生などの倒産事件を業務の柱の1つとしています。できるだけ実務的な、実際に役に立つ情報を盛り込んだつもりです。ご参考にしてください。なお、会社、法人の破産の解説については別途コラムを用意しておりますので、ぜひご参照ください。

目次

個人の破産とは
破産を選択する基準
同時廃止管財事件
破産しても残る財産
免責
破産における否認
非免責債権
破産準備の注意点
破産に係る費用
弁護士に依頼する意味
まとめ

個人の破産とは

1.個人の自己破産とは

破産手続とは、支払不能状態にあると判断される場合に選択される、資産・負債の清算手続です。換価できる財産を換価して債権者に配当できる場合には配当をします。
個人の破産には債務の支払義務を免れる「免責手続」が用意されています。法人格が消滅する法人と異なり、資産と負債を清算しても債務が残りますから、別途支払義務を免除する免責手続が必要なわけです。
裁判所の用意する破産申立書では免責許可決定申立てもセットで申し立てる形式になっています。
 
自己破産とは、上述の破産手続開始を「自己」が申し立てる場合です。
債権者が申し立てる債権者申立ての破産もあります。

2.個人の自己破産の流れ(申立てまで)

自己破産申立てまでの個人破産のスタンダードな流れは次のとおりです。

①相談
弁護士に相談をする際は、疑問点や要望、気になっていることを全て伝えてください。弁護士と一緒に、最適な債務整理方法を考えます。

②契約・受任通知の発送
弁護士と契約をすると、弁護士から債権者宛に受任通知を出します。これで債権者からの督促等は止まります。事情によっては必要に応じて特定の債権者に対する受任通知の発送を遅らせることもあります。
受任通知の発送により物事が進んでいきます。期限の利益が喪失され、債権者である銀行の口座が凍結され、相殺されます。保証会社がいるケースでは代位弁済がなされ、車などの所有権留保物件の返却要請も来ます。
 
③申立て準備
申立ての準備期間は2か月~3か月です。
その間に、家計収支表の作成などの準備をしていただきます。弁護士の方は、債権者対応、債権調査をすることになります。
 
④申立て
2カ月分の家計収支表の作成が完了し、債権調査も終わった、というタイミングで申し立てます。
申立先は、住所地を管轄する地方裁判所です(住民登録地と居所が違う場合には居所が優先します)。夫婦や連帯保証関係にある一方に管轄が付く裁判所であれば他方も同時に申し立てることができます。
申立て後、1~2週間を目途に、裁判所から補正命令という形で追加書類の提出要請や質問が送られてきます。

◆給与等の差押えを受けているケース◆
受任通知時を出しても差押えの取り下げに応じない債権者が多いです。可能な限り急いで申立てをし、破産手続開始決定を得て、執行裁判所に対して強制執行の中止を申立てます。
強制執行の中止決定をもらっても差押えが取り消されるわけではありませんが、天引き分は勤務先にプールされ債権者には支払われません。免責決定が確定すれば従業員に支払われます。
中止決定が出た段階では、通常の債権者は差押えを取り下げます。
◆訴訟あるいは支払督促がなされているケース◆
訴訟や支払督促まで進んでいると、債権者が勤務先を知っている場合、給与等差押えに備える必要が出てきます。
訴訟の場合には答弁書を提出し、支払督促の場合には異議を出して、事実上の時間稼ぎをせざるを得ません。その間にできるだけ早く破産を申立て、破産手続開始決定へ進めなければいけません。
弁護士が代理した答弁書あるいは異議申し立ての提出があれば、手続を取下げてくる債権者も多いです。

申立て後の流れは、選択される手続きによって変わるので、後述します。

破産を選択する基準

1.自己破産を選択する基準

個人の債務整理の方法には、自己破産のほかにも、任意整理、特定調停、個人再生もあります。どのような基準で自己破産を選ぶのでしょう。

任意整理自己破産個人再生という法的整理手続のどちらがいいのでしょう。

任意整理は、債権者との交渉により通常3年から5年の分割弁済契約を結ぶことです。将来の利息をカットしてくれる債権者がほとんどですが、元金カットは望めません。裁判所の調停手続を利用する場合を特定調停といいます。

自己破産の要件は「支払不能」、個人再生の要件は「支払不能のおそれ」です。それらがないときは、任意整理を選択することになります。理屈はそうですが、よくわかりませんね。
 
当職は、総債務を3年で「確実に」弁済できるかどうかを一つの基準とします。「確実に」というのは、ギリギリではなく余裕をもって返済に回せるお金を考えてもらうという意味です。任意整理の弁済期間も個人再生の計画弁済期間も3年が標準ですから3年を基準にします。支払原資(通常の生活をした際に返済に回せるお金)を考えていただき、元金だけを36回で弁済できないようでしたら自己破産個人再生でいいです。裁判所に問題視されたこともありません。

その他にも考えることがいくつかあります。
・年収に近い消費性ローン(住宅ローン以外)の残高があるケースは、弁済ができないと見て自己破産個人再生でよろしいのでしょう。
・無職、職業が安定されていない方、持病をお持ちで仕事に制約がある方は、基本的に自己破産でよろしいでしょう。債務額が小さくても「支払不能」の説明ができます。
・生活保護を受給されている方は、金額にかかわらず自己破産を選択します。保護費からの弁済はしないように指導がなされます。
任意整理に応じない等強硬な債権者もいます。そのような債権者がいるケースも自己破産を選択した方がよろしいでしょう。
・整理できない債権者がいるときは任意整理を選択します。任意整理できる債権者を選ぶことができることが任意整理の大きなメリットです。

任意整理ではなく法的整理手続を選択するとして、自己破産個人再生のどちらを選べばいいでしょう。
 
個人再生とは、裁判所から認可された再生計画に基づいて、原則3年間(最長5年間)で一定の債務(計画弁済額)を弁済し、弁済し終わるとその余の債務の免責を受けられる手続です。
任意整理自己破産との中間に位置づけられるイメージです。債権者の同意が要らない「給与所得者等再生」と、債権者数・債権額の過半数の消極的同意が必要な「小規模個人再生」の2つがあります。給与所得者等再生は、弁済額が大きくなる可能性が大きいので、小規模個人再生を優先して考えます。
 
破産の要件は「支払不能」、個人再生の要件は「支払不能のおそれ」ですが、相対的な違いであり、どちらでも選択できるケースが多いです。
双方可能であれば、経済的更生の観点からのメリットが大きい自己破産を優先して考えることになるでしょう。自己破産であれば非免責債務を除いたすべての債務の支払義務を免れることができるメリットがあります。
 
他にもいくつか考えることがあります。
・継続・安定した収入がない方は自己破産を選択します。個人再生の要件に当て嵌まりません。
個人再生を選択した場合に予想される計画弁済額を賄えるだけの家計の余裕がない場合も同じです。
・債権者数が少ない、あるいはある債権者が過半数の債権を持っているケースでは小規模個人再生における再生計画案が否決される可能性があり、自己破産の方が無難でしょうか。反対を覚悟して個人再生を選択する戦略をとることもあります。
・住宅ローンを支払いながら自宅不動産を維持したいケースでは個人再生です。個人再生では住宅資金特別条項を用いて住宅を維持できることが大きなメリットです。
・その他残したい財産があるケースは、ケースバイケースでしょう。個人再生でなく自己破産にて特定の財産を残す途も考えられます。
・破産における「資格制限」にかかる職業を継続しなければならないケースでは、資格制限がないというメリットを持つ個人再生を選択します。保険外交員、警備員、証券外務員、宅建主任者等、法律で定まっています。
免責不許可事由の程度が大きい場合には、管財事件になる、あるいは免責不許可になる可能性を考慮します。免責不許可事由のない個人再生を選択する方が無難なケースもあります。
自己破産をいさぎよしとせず、個人再生にて少しでも弁済したいというご希望が強いケースもあります。個人再生により経済的更生が可能だと判断できる限りで尊重すべきでしょう。

2.自己破産選択を悩むケースの具体例

上述の考え方で方針を選ぶとして、なお自己破産を選択してもいいのか悩む例をいくつか挙げます。
 
◆家賃滞納がある◆
債権者はすべて計上するのがルールです。破産自体では自宅賃貸物件からの退去を求められませんが、家賃滞納がある場合には、家主を破産債権者として扱う必要が出てきますので、賃料不払いにより解約される可能性があります。
諦める必要はないでしょう。他の債務の支払をストップする間に家賃滞納の解消する方法もあります。偏頗弁済という免責不許可事由に該当しますが、弁護士が事情を説明して裁量免責をもらいます。
なお、家主に事前に話をしてもらい、破産手続後滞納分を弁済する(これは自由です)ことで合意して申立てたケースもあります。
 
◆勤務先に対する債務がある◆
借入金、立替金、弁償金、負担金等の名目は問わず、勤務先に債務を負っているケースでは、勤務先を破産債権者に計上しなければなりません。事実上無理ですね。
こちらも問題になることを承知で、やむを得ず優先して弁済するほかないケースもあるでしょう。
なお、組合借入、共済借入の場合には、勤務先自体からの借入れではありません。また、多くは保証会社がいるため支障がありません。
 
◆親族からの借入れ◆
親族も債権者として計上し難い場合があります。通帳に振込みあるいは支払の記録があって判明することがあります。弁済を優先するやむを得ない客観的な事情はないでしょう。
ただし、本当に貸借関係なのかを吟味します。定期に弁済をしていないなどの場合には、法的に弁済を求められる借入金ではなく、援助(贈与)だという説明も可能です。その場合には債権者扱いをしません。
 
◆破産が恐い◆
破産は、破産者の経済的更生を図るために設けられた法律上の制度であり、制裁はありません。
破産手続中の「資格制限」があるだすし、一定の財産を残すこともできます。日常生活には支障がありません。
なお、個人信用情報機関に情報(所謂ブラック情報)が載り、破産後5年間あるいは10年間その記録が残りますが期間が長いかどうかの程度問題です。各信用情報機関加盟金融機関以外はアクセスできませんので、不動産賃借の審査などは関係がありません。
 
◆破産は恥ずかしい◆
破産、個人再生は官報公告があります(政府が発行する新聞のようなものに氏名・住所が載ります)。破産者MAPのような問題サイトも出現しては消えております。
しかし、破産は恥ずかしいものではありません。法律が破産者の経済的更生を図るために設けられた制度です。経済的に困窮された方は、法律上認められた制度に則り、早めに経済的更生を図ることの方が大事でしょう。
 
◆家族に知られたくない◆
経済的更生にはご家族に事情を知っていただき協力してもらうことが望ましいです。
それは別にしても、家族であるという理由で連絡が行くことはありません。程度の高い浪費のケースで配偶者と話をしたいと裁判所に言われた経験が1度だけあります。
一方、同居の家族については、収入証明資料(源泉徴収票、給与明細)、家計の主口座(公共料金が落ちている口座)の写しの提出が原則必要です。同居家族については、必要書類が揃う限りで、内緒で自己破産が可能です。
なお、家族が保証人、債権者、あるいは債務者になっている、あなたが家族の保証人であるケースでは、裁判所あるいは債権者から連絡が行きます。
 
◆勤務先に知られたくない◆
債権者ではない職場には連絡がいくことはありません。勿論、官報に氏名と住所が掲載されますが、見たことはありませんね。ほとんどの方は会社に内緒で自己破産をされています。
ただし、給与振込口座が債権者である銀行口座ならば、口座の変更を頼まないといけません。また、勤続5年以上の場合には退職金の説明資料を用意しなければいけません。その限りで勤務先の協力が必要なケースもあります。
 
◆仕事が続けられないのではないかと不安◆
通常の会社員であれば仕事に破産の影響はありません。
法律で定められている「資格制限」に該当する場合のみ、破産手続中は就けないだけです。実務上見るのは、警備員、保険外交員、証券外務員、宅建主任者でしょうか。破産手続が終われば法律上の制限が消えます。
仮に資格制限により自己破産ができない場合には、資格制限のない個人再生等を選択することになります。
 
◆周りに迷惑がかかるか不安◆
債務は個人単位で負うものです。保証人以外には直接の迷惑がかかりません。
ただし、あなたがどなたかの借入れの保証人になっている場合には、債権者から債務者に対して保証人追加等を要請される等、間接的に影響があります。
また、不動産を共有している場合には、破産管財人があなたの持分を換価しますので、共有者に影響を与えます。
 
◆携帯・スマホが利用し続けられるか◆
携帯電話、スマートフォンでは、本体の購入代金を分割支払していることが多いです。厳密に見れば破産債権でしょう。
しかし、実務上は、通信会社を債権者として扱わないことが原則です(料金滞納があれば別です)。生活必需品ですからね。自己破産をしても利用し続けられるのが原則となります。
注意点があります。
ただし、おさいふケータイなどスマホのクレジット機能の使用は止めていただきます。借金と同様ですので。
また、1台当たり料金が1万前後に抑えていただきたいです。高額な支払いをしている場合には、裁判所から突っ込まれる可能性があります。
なお、通信会社のクレジットカードの利用がある場合など通信会社を債権者として扱うべきケースでも、利用料金のみを支払い続けることにより利用継続できる例が多いです。
 
◆自動車が手放せない◆
ローンのない車であれば、外車や高級車ではない限り、初年度登録から6年以上経ていれば価値がゼロと評価され、手元に残せます。6年未満の場合、自由財産の拡張手続等によって手元に残すことになります。車の価値は査定書かレッドブックの中古車相場で疎明します(レッドブックは当事務所で用意しています)。
ローンがあり、車が所有権留保物件であるケース(クレジット会社のローンの担保になっているケース)では、返却が必要です。稀に価値がないとして放棄されることがあるだけです。ただし、親族などの助けを得て、残債を弁済する、買取りをする等により、車を残す方策もありますので、弁護士と相談してください。銀行のオートローン、マイカーローンのケースでは車が所有権留保物件ではないことが通常です。返還を求められた経験はありません。
相談時や準備の打ち合わせ時には車検証の写しを見せてください。普通自動車の場合は車検証の所有者名義によっては返還してはいけないケースもあり、間違って返却するとそれ自体で管財事件になり得ます。
 
◆2度目の破産◆
2度目の自己破産も、前回の破産免責が確定してから7年を経ていれば可能です。7年以内であると原則不可能と考えてください。免責不許可事由の1つなのですが、容易には裁量免責をもらえません。個人再生を選択すべきことになります(小規模個人再生のみ利用可能です)。
2度目の破産だからといって必ずしも管財事件になるわけではありません。同時廃止になる例も多いです。それなりの準備は必要です。特に前回の破産と今回の破産とでの事情の違いを明確に説明した方がいいでしょう。
なお、2回目の自己破産では、前回の破産開始決定及び免責決定写しの提出が必要です。手元になければ、前回の破産裁判所に謄写申請をします。
 
◆未分割遺産がある◆
未分割遺産の法定相続分は財産です。不動産や一定の遺産があれば管財事件になり、破産管財人が換価に動きます(田舎の換価不能な不動産の相続が未了のケースで同時廃止になったこともあります)。
分割合意はされているが登記がなされていないケースも同様です。
他の相続人が遺産を取得する形の分割手続あるいは登記を急いでやっても問題は解決しません。その行為が否認行為として問題視されます。ケースバイケースの判断でしょうが、価値が相応にある不動産だと裁判所の見方が厳しくなります。取り扱いが非常に難しい問題ですので、弁護士と早めに相談の上、打てる方策があるか検討しましょう。
 
◆個人事業を続けたいというケース◆
自己破産をする以上、個人事業は廃止することが前提です。破産の原因になっていることも多いでしょう。
ただし、専ら特定の先に労務提供をして報酬を得ており実質給与所得者と変わらない事業の場合(いわゆる一人親方)はそもそも事業者として見られません。
また、設備がほとんどなく、売掛金や買掛金もない小規模の事業も、破産手続(資産・負債の清算手続)の影響を受けませんので、理屈上は事業継続も可能です。ただし、事業が借金の原因になっていない、今後もならないことを説明する必要があります。かつ、事業用資産(在庫、設備等)は自由財産拡張手続により残すことは難しいです。

同時廃止事件と管財事件

1.同時廃止事件

同時廃止とは、破産手続開始決定と破産手続廃止決定が同時になされる手続です。破産費用を支弁する財産がないという理由になります。
破産法上は管財事件が原則となっていますが、運用上は、同時廃止事件が多いです(広島本庁では70パーセント前後でしょうか)。
 
自己破産同時廃止)の申立て後の流れ◆
弁護士受任から6~7カ月で免責決定まで進むのが同時廃止事件のスタンダードなスケジュールでしょうか。
同時廃止事件の申立て後の流れは次のようになります。
①補正連絡
申立て後、1~2週間後に、裁判所から追加資料の提出や事情の報告等を求められます(補正連絡)。
同時廃止決定
裁判所からの補正連絡に対応したタイミングで、3か月前後先の免責審尋期日の調整がなされ、同時廃止決定が出ます。
問題事案ではその前に債務者審尋が開かれます。
同時廃止決定が出ると、破産手続自体は終わりです。免責審尋期日を待つのみです。問題事案などでは、家計収支表の提出など宿題ができることもあります。
③免責決定
免責審尋期日に出席すれば通常その日に免責決定が出ます(出席を要しない裁判所もあります)。弁護士も同席します。
原則として集団免責の形で行われます。広い部屋に破産者が集められ裁判所からの話を聞く手続です。仮に裁判所に債権者が来たときは、個別審尋に切り替わります。
二度目の破産や免責不許可事由の程度が大きい等のケースでは小さい部屋で裁判官から質問などもされる個別免責手続が指定されることがあります。
  
同時廃止管財事件か◆
裁判所が同時廃止管財事件とを振り分ける基準を用意しています。
広島本庁では原則的に次のようなものが管財事件となり、それ以外は同時廃止です。
・現金・預貯金が50万円を超える場合
・個々の財産項目のいずれかが各20万円を超える場合
・オーバーローンではない不動産がある場合
上述のような財産がない場合であっても、
・過去5年以内に、会社代表者(それに準じる経営者)や個人事業主であった場合
免責不許可事由の程度が大きい場合(このケースを免責調査型管財と呼びます)
・看過できない否認対象行為がある場合
 
◆個人事業者◆
確定申告をしているから必ず個人事業主と扱われるわけではありません。
例えば、設備や仕入れを伴わずに決まった取引先から労務提供に対する対価を得ている場合(所謂、一人親方等)、実質的に給与所得者と異なることがないとして管財事件になりません。
 
◆保険の評価◆
解約返戻金額が評価額となります。契約者貸付を受けている場合には同貸付金を控除した金額になります。解約をしたら現金預金での評価です。
保険を解約しあるいは契約者貸付を受けて、破産費用、必要な生活費等に充てるのはある程度許容されます。そのままだと管財事件になるべきケースが、解約するないし契約者貸付を受けると同時廃止の処理になるケースもあります。
確定拠出年金は本来的自由財産でありカウントされませんが、年金保険は評価の対象です。
 
◆退職金の評価◆
退職が差し迫っている例外的なケースを除き、自己都合退職した場合の支給見込額の8分の1が財産額として評価されます。仮に退職が決まっているが受取前という段階まででしたら、差押え財産との関係で4分の1の評価まで抑えることができます。
これに対し、中小企業退職金共済(中退共)、小規模企業共済は、退職金類似のものですが、法律上差押え禁止財産ですので財産とはみなされません。
 
◆交通事故の被害者◆
財産的損害に基づく損害賠償請求権は、財産として評価されます。休業補償、逸失利益、介護費用、入院雑費は自由財産拡張の対象ですが、物損部分は難しいです。
精神的損害に基づく慰謝料請求権は、慰謝料金額が確定するまでは、行使上の一身専属権として財産とみなされません。金額が確定した場合には、財団に属するとされています。
破産手続開始決定時に損害賠償金が入金されていれば、現金あるいは預貯金として財産評価されます。
自己破産申立てと示談のタイミングも図る必要があります。弁護士とよく相談して段取りすることが必要です。

2.管財事件

管財事件とは、裁判所が破産管財人を選任し、破産管財人が財産調査、換価・配当などを行う手続です。個人破産の場合には、免責調査、免責意見の提出も破産管財人の仕事です。
破産管財人には弁護士が選任されます(予納金が高額になります)。
手続中は、郵便局を通じた郵送物は破産管財人に転送され開封されますますので気を付けてください。
 
◆破産申立て後の流れ(管財事件)◆
①補正連絡・予納金納付
補正連絡に対応しつつ、裁判所から指示された予納金を納めます。
②破産手続開始決定
債務者審尋の日か(破産管財人候補も出席して顔合わせ等をする期日)、同審尋が開かれないケースでは予納金納付日に近い時点で、破産手続開始決定が出ます。
郵送物が破産管財人に転送されるようになります。
自由財産拡張手続
開始決定後1か月以内を目処に自由財産拡張手続がなされます。破産開始決定日が財産の基準日になりますので、通帳を記帳して弁護士に持っていきます。
④第1回債権者集会
第1回債権者集会は、開始決定日の2~3か月後程度に指定されます。個人破産のケースでは金融機関や業者が債権者集会に出席することはほぼありません。
開始決定後第1回債権者集会までの間は、管財人事務所に赴いての打合せが必要になります。
単純な免責調査型の管財事件であれば、第1回債権者集会の日に破産手続、免責手続が終了することが多いです。
⑤第2回債権者集会~
管財人による資産の処分に時間がかかる、配当がある等の場合には、1年あるいはそれ以上かかることがあります。
ただ、多くの場合は、第1回債権者集会の後は、2~3か月に1回の期日に出席すればいいだけです。弁護士も同席します。
 
なお、法人破産を同時に申し立てた場合には、法人破産のスケジュールに合わせて進んでいきます。
 
◆会社の同時申立てが必要か◆
会社の経営者が、法人破産の費用を捻出できない、あるいは帳簿類が散逸しているなどの理由で、個人の破産だけを申し立てるケースがあります。
会社が休眠状態になってから相応の年数を経ているケース以外では、法人の申立てを裁判所から勧奨されます。
強制力はないのでしょうが、強く求められることも珍しくありません。法人の予納金を形だけでいいから納める、申立書も簡単な物でいいと説得され、やむなく法人の申立てに応じたケースもあります。

破産しても残る財産

1.破産しても残る財産

同時廃止の場合、保有している財産は全て残ります。破産管財人による財産の換価処分は行われません。
 
管財事件の場合でも、自然人の破産ではすべての財産が換価処分されるわけではありません。経済的更生を図る制度であるため、全体で99万円までの財産が手元に残ると思ってください。
 
◆自由財産◆
破産財団に組み入れられることなく破産者が自由に管理処分できる財産を自由財産といいます。自由財産ではなく財団に組み入れられる財産を破産管財人が換価処分します。
自由財産には、本来的自由財産と拡張手続を経たそれ以外の自由財産があります。
 
◆本来的自由財産◆
本来的自由財産は、破産法で定められた自由財産です。
99万円以下の現金及び差押え禁止財産が本来的自由財産だと考えてください。
差押え禁止財産は、民事執行法その他法律にて差押禁止財産だと定められているものです。主なものは次のとおりです。
・生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品等(通常の家財一式)
・退職金の4分の3(もっとも実際に退職間近でないかぎり支給見込額の8分の1の評価です)
・小規模企業共済
・中小企業退職金共済、建設業退職金共済
・確定拠出年金
 
自由財産拡張手続◆ 
自由財産拡張は、自由財産の範囲を本来的自由財産以外の財産まで拡げる手続です。一定の財産(自由財産)を手元に残すための許可を得る手続ですね。
自由財産の拡張は、破産管財人の意見を聴いて、裁判所により決定されます。
破産者側の申立ては必ずしも必要ではありませんが、申立人の意向を反映させるために当職は申し立てています。
金額にして99万円の範囲内で行われます。
本来的自由財産のうちの現金を含めての99万円の範囲であることをご注意ください。制度上は不可欠と考えられる場合に99万円を超える拡張もあり得るのですが、運用上あまり見かけません。
勿論、無条件で99万円まで残せるわけではありません。経済的更生に必要かつ相当と見られる範囲です。一般的には99万円までみとめられる傾向にありますが、現金以外の本来的自由財産の金額の多寡も影響します。

2.自由財産拡張にあたっての注意点

財産の中には、自由財産拡張の対象にならない財産があります。

経済的更生に必要・相当と認めてくれない財産は自由財産拡張の対象となりません。管財事件では財団に属し換価処分される財産です。
不動産、株式、債権、投資信託などが典型です。

車については、実用車は対象ですが、趣味のための車は対象外です。

保険は、投資性の強い商品を除き、基本的に認めてくれます。

報告が漏れており破産管財人の調査で見つかった財産は対象とならない傾向です。
 
なお、自由財産拡張範囲を超える財産は必ず換価されるわけではありません。
自由財産拡張対象外の財産は、財団に組み入れられ、破産管財人により換価処分されます。しかし、99万円の価値分を財団に組み入れるのであれば、個々の財産自体は解約、処分しなくてもいいケースがあります。
例えば、保険をどうしても残したいが財産が99万円を超える場合、手元に残るべき現金を財団に組み入れる形で、保険契約自体は残すことができます。

免責

1.免責とは

債務の支払義務を免れることを免責といいます。個人の破産では、免責許可決定を得ないと意味がありませんね。
破産法では、このような行為があった場合には原則として免責を許可してはいけないという免責不許可事由が定められています。
ただし、免責不許可事由があったとしてもほぼ免責決定を得ることができています。

免責不許可事由と免責との関係◆
免責不許可事由がない場合、権利として免責許可を得ることができます(権利免責)。
免責不許可事由があったとしても、裁判所が事情を斟酌した上で裁量により免責許可を与えることができることになっています(裁量免責)。
運用上は、原則と例外が逆転し、免責不許可事由があってもほぼ裁量免責を得ることができます。
 
ただし、免責不許可事由が悪質・重大な場合には、それだけで管財事件(免責調査型)になる可能性がありますし、中には免責を受けられないケースもあります(数は少ないですが裁判所から取下げ勧奨を受けることもあります)。
免責を得られるか不安なケースでは、個人再生を選択することもあります(なお、個人再生のケースでも、免責不許可事由否認対象行為に該当するケースでは清算価値への計上という形で影響します)。

2.免責不許可事由の種類

破産法に定められている免責不許可事由の主なものは次のとおりです。
・不当な財産価値減少行為(財産の隠匿・損壊・廉価売買・無償行為など)
・不当な債務負担行為(高利の借金や換金行為など)
・不当な偏頗行為(不公平な弁済・担保供与など)
・浪費または賭博その他の射幸行為
・詐術による信用取引(財産や収入に関し嘘をついて借り入れるなど)
・裁判所への虚偽説明や管財人への協力義務懈怠
 
免責不許可事由に該当するかの判断は解釈を要する事柄であり、程度問題もあります。弁護士に判断してもらうほかありません(弁護士からも確認します)。
ここでは、何点かコメントするにとどめます。
 
◆浪費、ギャンブル◆
多かれ少なかれ浪費、ギャンブルが借金の原因になっていることは多いです。程度問題です、要は借金の原因になっているかが重要となるでしょう。破産の原因、借金の原因について、他の理由で説明できるか検討し、説明できなければそれらが主な原因になるのでしょう。管財事件になるケースもありますが、説明、反省を尽くせば同時廃止で処理してくれ、仮に管財事件となってもほぼ免責を得られます。
FXや仮想通貨等投資損害も浪費、ギャンブルと同じように扱われます。この場合は取引履歴等の資料の提出もいたします。
 
◆ショッピング枠の現金化◆
借金の返済に追い込まれて手を出すケースが割と多い空クレジットのケースが典型です。ネットで価値のない物を高額のクレジットを利用して買う形式ですね。
金券等をクレジットで購入してすぐに売却換金するケースもショッピング枠の現金化の一種と捉えていいでしょう。そのような行為の有無、内容は破産申立書の報告事項です。
これらの行為は免責不許可事由として扱われています(犯罪行為にも該当し得ます)。頻度や金額によって管財事件にはなり得ますが、免責不許可になる例は稀でしょう。同時廃止で終わるケースも多いです。
頻度や金額の程度が重いケースでは、無難に個人再生を選択することもあります。
 
◆スマホ、タブレットの不正購入◆
最近は、悪質金融業者に唆されて、スマホやタブレットをクレジットで購入し、物は業者あるいは債権者に売却するという事例もよく見ます。転売目的、譲渡目的でそれらを購入することは許されていません。
違法であること、免責不許可事由として扱われることは、ショッピング枠の現金化と同じであり、裁判所へ丁寧な説明が必要です。無難に個人再生を選択することもあります。

破産における否認

1.否認権とは

破産管財人には、破産者が行った否認対象行為を否認し(法的効果を覆すこと)、散逸した財産を財団に取り戻す否認権があります。
否認対象行為には、詐害行為(廉価売買など)、過大代物弁済、無償行為(贈与など)、財産散逸行為、偏頗行為(不公平な債務の弁済等)、権利変動の対抗要件具備(登記行為等)ですが、それぞれ破産法に対象となる要件が定められており、解釈上の例外もあります。弁護士でないと具体的な判断が難しいです。
経済的危機状態で財産状況を悪化させる行為が該当するとイメージしていただき、ひっかかる行為があれば弁護士に伝えてください。
 
裁判所からは、破産直前の弁済、財産処分、相続、離婚などの行為は必ずチェックされます。否認対象行為があり、その程度が重いケースは管財事件になります。
 
破産管財人は、否認対象行為がある場合、まずは交渉での和解的解決を図るでしょう。
交渉で解決できないケースでは、破産裁判所への否認請求あるいは通常裁判所への否認の訴えを提起する流れになります。

2.否認に関する注意点

弁護士との相談時や準備の打ち合わせ時には、少なくとも2年程度遡って、大きな財産を売却したり、贈与したり、解約したり、名義を変えていないか報告してください。
それらは申立時の報告事項ですし、事前に対処する必要があります。
なお、準備の中で否認対象となり得る行為をせざるを得ないケースもあります。必ず弁護士の関与の下で進め、否認リスクを減らしてください。
 
◆直前の財産処分の注意点◆
処分代金や解約金を、有用の資(破産費用、相当な生活費、医療費、転居費用、学費、公租公課)に費消することは許容されています。
場合によっては不動産や車などどうしても生活に必要な物を親族等が買い取って残すこともあります。
弁護士が関与しない直前の処分は極力避けてください。リスクが高いですし、説明が不十分であるとそれだけで管財事件になります。
弁護士が、処分代金あるいは解約金等を管理した上で、取引の妥当性や使途の妥当性を裁判所に説明する必要があるでしょう。
 
◆相続と自己破産
相続放棄否認の対象ではありません。身分行為で財産行為ではないからです。
これに対し、経済的危機状態でなされた不相当な遺産分割は否認の対象となります。財産処分の一種と見られるからです。
否認リスクがあるので、法律的に合理的な説明を用意しておかなければいけません。
場合によっては、破産直前に遺産分割手続をせざるを得ないケースもあります。リスクが高いので、弁護士と相談の上で進めてください。
 
離婚自己破産
経済的破綻を原因として離婚することは珍しくありませんが、経済的危機状態での財産分与慰謝料の支払いは慎重にしなければいけません。
財産分与は、相当な内容であれば否認されることはない傾向ですが、相当性を法律的に説明しなければなりません。
慰謝料も相当額なら問題ないとも思われますが、偏頗弁済として問題視されることもあります。そのため慰謝料財産分与の形をとる方法も考えられますね。
自己破産を予定される場合には、離婚協議も弁護士と相談の上で進めた方がよろしいでしょう。

非免責債権

1.非免責債権とは

非免責債権は、免責許可決定によっても免責されることのない債権です。支払義務が残るのですね。
非免責債権の種類の中には、非免責債権に該当するか悩むケースもあります。
非免責債権に該当するかどうかは破産手続では判断されず、別途訴訟が提起されればその中で判断されることになります。

2.非免責債権の種類

次のようなものが非免責債権となります。
◆国税徴収法または国税徴収法の例により徴収することができる債権◆
国税、地方税、国民健康保険、国民年金料などですね。そのため、破産者には、減免申請を役所にしてもらうようにしています。
なお、生活保護法63条に基づく保護費の返還請求権、同法78条の徴収金も、非免責債権になります。

◆悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権◆
故意ではなく積極的な「害意」が必要とされます。詐欺の被害者からの損害賠償請求権などです。不貞行為の慰謝料は通常のケースでは該当しない傾向にあると思われます。

◆故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権◆
悪質な交通違反による交通事故の人身傷害に関する損害賠償義務などです。

婚姻費用養育費
滞納している分ですね。

◆雇用契約に基づく給与や預り金返還請求権◆
個人事業主に対する労働債権ですね。

◆債権者一覧表に記載しなかった債権者の債権◆
過失で漏れていても該当します。債権者の漏れに注意してください。

◆罰金など◆
罰金、科料、過料、追徴金等です。

破産準備の注意点

1.必要書類の注意点

自己破産申立ての必要書類は多岐にわたり、かつケースにより種類や濃淡も異なります。弁護士と事前に十分に協議の上で段取りを組んでください。
必要書類について、いくつか注意点を挙げておきます。
 
◆給与明細◆
直近2カ月分の給与明細が必要書類になりますが、遅くとも準備の打ち合わせ時に弁護士に見てもらうべきでしょう。
控除欄から、勤務先からの借入金や労働組合・共済組合からの借入金が判明することがあります。弁償金、返納金等の名目で勤務先から債務を負っているケースもあります。
また、保険料や会費・積立が天引きされている場合は、保険・共済契約の内容や解約返戻金額の有無・金額が分かる資料が必要となりますし、会費や積立は資産性の有無、あるものについては残高の説明をしないといけません。
 
◆ネット専用口座◆
直近1年間の通帳の写しが提出書類になっております。ネット専用口座も1年間の取引明細と当該預金口座以外の口座がないことがわかる画面を紙ベースで提出します。
受任通知後、ネットバンキングが閉じられて、取引明細書が取れないケースも多いです。受任通知までに予め取引明細をとっておくことをお願いしております。
申立日までの取引明細の提出を裁判所に要求されることもあり、そうなると郵送で銀行に取引明細発行を依頼する、あるいは一時的にアカウントを開放してもらう必要が出てきます。
 
◆退職金◆
勤続5年以上(正社員)の場合には、退職金に関する資料が必要です。
原則は勤務先の退職金見込額証明書あるいは退職金がないことの証明書ですが、なかなか取得が難しいですね。
退職金制度がある場合には、退職金規程、辞令等、退職金見込額が正確に計算できるだけの資料の提出で証明書に代えることができます。ポイント制を採用している会社は説明に苦労することがあります。
退職金制度がない場合には、退職金制度がないことがわかる就業規則を提出すれば事足ります。
なお、中小企業退職金共済、小規模企業共済は、財産として見られないものの、加入状況がかわかる資料は求められます。
 
◆居住証明書◆
自己破産の申立てには、居住証明に関する資料(賃貸借契約書か不動産登記簿謄本)を提出しますが、第三者が賃借している物件あるいは所有している物件にお住いの場合には、当該第三者から居住証明書の取得も必要です。
勿論、同一世帯の親族名義の場合には、居住証明書を要求されません。
社宅の場合は、賃貸借契約書の写しを取れない場合もありますし、会社に居住証明書をもらうのも酷な場合があります。
社宅利用許可証や給与明細上の天引き社宅料等、社宅に居住していることがわかる資料で説明を尽くせば大丈夫です。
 
◆家計収支表◆
家計収支表は家計簿を月単位でまとめたもので、広島地裁本庁では2か月分の会計収支表の提出が必要です。準備にあたっては、家計収支表の書き方も弁護士と協議してください。
同居の親族全ての収入と支出を合わせて記載することが原則なのですが(原則として家計を一とするとみられるため)、なかなか難しい場合もあります。
破産者とその他親族を分離して親族間のお金のやりとりを明記することでの説明も許容され得ます。
破産者の生活状況、お金の費消状況を的確に説明できる形になるようケースバイケースで書き方を相談して決めています。

◆相続◆
自己破産の申立て時には実方の親が亡くなっている場合には必ず相続の有無を報告します。未分割遺産の報告漏れが多数あったためです。
経済的危機状態での相続、時期の近い相続がある場合には、戸籍、相続関係図、登記簿、固定資産評価証明書、写真、査定書などの提出をしないといけません。
どこまで必要かはケースにより異なります。早めに協議をしておかないといけません。

2.その他の注意点

その他の準備に関する注意点をいくつかコメントいたします。
 
◆言い難いことこそ相談を◆
あなたが弁護士に対して言いづらいことにこそ、免責不許可や否認など破産手続上の問題点が隠れていることが多いです。
言い難いことこそ早めに弁護士に伝えて、方針を見極め、善後策を図らなければなりません。
 
◆口座凍結・相殺◆
受任通知の発送により、借入先の銀行口座が凍結され、残高が残っていれば相殺されます。受任通知が銀行に届く前にお金は引き出さないといけません。
また、保証人がいる場合、保証人の当該銀行の口座も凍結され相殺されることにご注意を。
 
◆給与口座・年金受取口座◆
給与口座、年金受取口座、生活保護受給口座のある銀行が債権者であるときは、受任通知を出す前に借入れのない銀行口座に変更してもらいます。銀行に受任通知を送ると預金口座は凍結されるからです。
変更に時間がかかる場合、確認できるまで当該銀行に受任通知を発送するのを待つこともします。
勤務先の方針で給与口座の変更ができないケースもあります。
受任通知後の給与・年金の入金の引き出しは銀行も応じてくれるのが通常ですが(私の経験上は断られたことはありません)、その都度銀行窓口に行かなければならない等の手間がかかります。
 
◆債権者の漏れがないように◆
破産手続中でしたら、漏れがあっても債権者を追加すれば大丈夫です。
手続終了後に判明すると、債権者一覧表の記載を漏らした債権者の債権は非免責債権になります。故意でなくとも過失があったらダメで、やむを得ないケースだったと裁判所で認められるのは簡単ではないです。
ただし、債権者が金融機関であるケースでは、判明した時点で破産開始決定通知及び免責決定通知を送ると免責処理をしてくれるケースも多いでしょう。
 
◆スケジュールを守る◆
弁護士から示されたスケジュールを守ってください。
金融機関は受任通知後少なくとも半年ぐらいは訴訟を提起せずに待ってくれますが(一部の債権者はすぐに訴訟をしてきますが)、徒に申立てが遅くなると訴訟等のアクションを起こす債権者が出てきます。
弁護士も、長期間放置をすると弁護士会の懲戒を受けかねませんので、一定期間経ても準備が進まないケースでは辞任をせざるを得ません。弁護士に辞任されると百害あって一利なしです。

破産にかかる費用

1.破産にかかる費用

自己破産の申立て代理業務を弁護士に依頼する場合の費用には、裁判所にかかる費用、弁護士費用、実費(弁護士費用込みのケースも多いです)があります。
なお、当事務所は債務整理に関する初回相談料(30分程度)は無料です。
また、弁護士費用は法テラスの民事法律扶助制度もございます。
 
◆裁判所にかかる費用◆
同時廃止事件では、裁判所に納める予納金と予納郵券を合わせても15,000円あれば賄えます。申立ての際に預かります。
管財事件では、裁判所から具体的に納付金額の指示があります。23万円から33万円を用意してもらっています。
 
予納金は、原則即時支払う必要があります。分割支払いができませんが、事実上数か月待ってもらえることがあります(期限を区切って予納命令が出されます)。
管財事件の可能性が高いケースでは、申立てのタイミングを含めて予納金の用意について協議をしておいてください。
 
◆弁護士費用◆
弁護士費用は、依頼される弁護士によっても、案件の性質によっても異なります。広島では33万円(消費税込み)前後が多いでしょうか。
弁護士費用、その支払方法も弁護士と相談することの大事な1つです。
 
当事務所では27万5000円(消費税込み)です。勿論、ケースによって、減額することもありますし、相応の規模の個人事業主や財産が多い場合には増額することもあります。
比較的安い方だとは思いますが、費用の金額で弁護士を選んでは駄目です。
  
◆法テラスの民事法律扶助制度
法テラスの民事法律扶助制度は、一定の資力要件(平均手取り月収額と財産額)の下、弁護士費用を立て替えてもらい、立替金を月5000円からの分割で償還する制度です。
債権者数により異なりますが、自己破産155,000円からと安価な設定になっております。こちらを利用される方も多いです。
同制度を利用する流れは、
①弁護士に相談(無料法律相談も3回まで可能)
②申請書類を、弁護士を通じて法テラスに提出
③承認後に弁護士事務所で契約
というものになります。申請から契約まで10日前後かかるでしょうか。
なお、ケースによっては、法テラスを利用しない方が後の破産手続との関係でトータルの支出が押さえられるケースもあり得ますので、よくご相談ください。
 
◆生活保護を受給されている方◆
生活保護を受給されている方、受給予定の方は、上記民事法律扶助制度を利用します(当事務所にて手続を行います)。
法テラスが予納金まで立て替えてくれます。かつ、立替金償還は猶予され、破産手続終了時にも生活保護を受給されていれば償還免除申請を行って免除されます。
結果、費用負担がない形で自己破産をすることができるのです。

2.費用の準備

費用を一度にご準備いただけないケースでは、弁護士が受任通知を送付して支払いをストップしている間に分割でご準備いただくケースが多いです。
原則として、弁護士費用の支払いが終了した後に破産申立てをします。そのため、分割期間は4から5カ月までにしていただいております。ボーナスで調整される方もいらっしゃいます。

また、財産の処分代金から、あるいは保険等の解約金から、費用をご用意いただくこともあります。
財産を換価した現金を破産費用に充てることは許されております。

過払金の回収により費用が捻出できたケースもあります。
 
費用の捻出方法はスケジュールも絡みケースバイケースで考えるべきことです。
弁護士とよくご相談ください。

弁護士に依頼する意味

1.弁護士に依頼する意味

自己破産の申立代理業務を弁護士に依頼する主な意味は、次のとおりでしょうか。
 
◆債権者対応◆
弁護士が受任通知を出して債権者対応をしてもらえるのは大きなメリットです。早めにご相談、ご依頼されて、精神的に疲弊をすることを避けてください。
 
◆効率的な準備◆
自己破産の準備といっても、初めての方はわからないでしょう。かつ、機械的に書類を集めればいいわけでもありません。
専門家のサポートを受けて効率よくご準備ください。
 
◆破産は専門的なサポートが必要な手続◆
自己破産も法的手続きです。準備の仕方あるいは申立て方によって、法的に選択される手続や法的に問題視されるかどうかが変わることもあります。
法的な見地から準備、申立てを組立ていかなければなりません。
やはり、弁護士に関与してもらう方がよろしいでしょう。弁護士であれば、裁判所での各手続等にも代理人として同席できます。
なお、本人申立ての場合には管財事件になりやすい傾向にありますね。

2.破産弁護士による専門的なサポート

申立代理人弁護士の腕が、ご苦労の程度や手続のスムーズな進行度合いに直結します。準備に不備があると苦労を強いられかねませんし、破産法上問題となる行為が問題視されるリスクも高まります。
破産管財人に就任した案件でも「準備をもう少しきちんとしていただければ苦労されなかったのに。」と感じることがあります。
 
破産には独特のルールや考え方があり、弁護士も職人的な能力が必要とされます。裁判所の傾向・考え方も事件処理の方向に影響しますので、キャッチアップしなければなりません。破産申立てを裏から見る破産管財人の経験も必須です。
かつ自己破産は借金の支払義務を免れるためだけが目的の制度ではありません、経済的更生を図るための制度であり、様々なケースの経験が必要でしょう。
 
様々なケースにおいて、諸々の問題を紐解いてシンプルに整理し、申立てのスキーム、段取りを調整できる専門的な弁護士のサポートを得るべきです。
倒産法制に精通し、申立代理人経験も破産管財人等の経験も豊富で、破産等倒産事件を業務の柱の1つにしている弁護士を、「破産弁護士」「倒産弁護士」と呼んだりします。
 
弁護士に相談される際、いろいろな疑問点や不安な点をぶつけてみてください。破産事件に精通する弁護士であれば、具体的なアドバイスをしてくれます。
疑問を解消してくれ、また問題点を的確に指摘してくれる弁護士を探してください。
 
なお、当事務所は、自己破産個人再生の申立件数が相対的に最も多い部類に属します。かつ、当職は、破産管財人個人再生委員の経験も豊富です。裁判所との倒産関係に関する協議会のメンバーにも属しています。
ぜひ、相談してみてください。

まとめ

1.個人の自己破産についての徹底解説

個人自己破産の徹底解説と銘打って、個人破産の概要を説明させていただきました。細かい点まで立ち入ることができなかった問題もございます。他のコラムも参照していただければ幸いです。
個人破産とは免責を得ることを目的とした法的清算手続でした。経済的更生を図ることを目的としています。
自己破産の選択基準、同時廃止管財事件の別、破産しても残る財産、免責手続、否認権、非免責債権、準備の注意点など、多岐にわたり説明させていただきましたが、細かくて難しいかもしれません。
ケースバイケースで様々なことを考えて、見通しを立て準備をしないといけないことがご理解いただければ十分です。
様々なケースにおいて、諸々の問題を紐解いてシンプルに整理し、申立てのスキーム、段取りを調整できる専門的な弁護士のサポートを得てください。
当事務所にご相談くだされば幸いです。解決策を一緒に考えましょう。

2.破産は経済的更生の手段

借金が嵩むとお金のやりくりばかり考えるようになり、追い詰められ、借金のために生きているかのような感覚に陥るようです。ご依頼者の方からは大変な苦労をお聞きしております。
破産手続などが終わった時には、本当に肩の荷が下りた気持ちになるようです。皆さんの表情からも変わります。
多くの方は、「もっと早く先生にお願いすればよかった。」とおっしゃいます。個人の破産は、経済的更生を図る目的の制度であることを強調させていただきます。
早めに弁護士に相談、依頼され、諸々の課題を紐解きながら最終的にシンプルな形で整理してもらってください。
それが早期の経済的更生に繋がります。
できるだけ早くご相談を。

この記事を書いた人

firsttime_lawyer.jpg弁護士仲田誠一(広島弁護士会所属)
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27
アーバンビュー上八丁堀602
TEL:082-223-2900
https://www.nakata-law.com/
https://www.nakata-law.com/smart/
◆経歴
1996年4月~
あさひ銀行 融資、融資管理、企業再生、法人営業等
2002年5月~
東京スター銀行 経営管理、内部監査、法人営業等
2004年4月~
広島大学大学院法務研究科
2008年12月
弁護士登録
2017年~各前期
広島大学大学院客員准教授(税法担当)
◆資格
弁護士
公認内部監査人試験合格

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