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旧コラム 仲田 誠一: 2018年12月 3ページ目

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自己破産、個人再生での退職金の扱いと必要書類 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、自己破産、個人再生における退職金の扱いをお話しします。


自己破産、個人再生において、退職金は、退職金支給が近いという例外的な場合でない限り、その支給見込み額の8分の1が財産とみなされます。
申立時現在の「自己都合」退職の場合に出る退職金「見込額」の8分の1です。

なお、既に受け取った退職金は現在の形で財産評価をされます。

退職が決まっている等の場合には、差押え禁止財産との関係で、最悪4分の1評価で抑えることもできます。

自己破産の場合には、退職金見込額によってはそれだけで管財事件になることがあります。

広島地方裁判所(本庁)の場合、財産とみなされる額(退職金は見込額の8分の1)が20万円を超えると管財事件となります。

現金化できない財産なのですが、そういう決まりなのです仕方がないですね。
例外も許容するルールにはなっていますが、なかなか認められません。
バーが低いので引っかかる方は多いです。
管財事件になると、予納金が20万円~余分にかかりますね。

一方、個人再生であれば手続はかわりません。
退職金見込額の8分の1の額を清算価値(財産評価額)に計上することになります。
清算価値は、
再生計画における最低弁済額を画する一つの基準です。清算価値保障原則ですね。
他の財産が大きいなどで清算価値が100万円を超える場合には、最低弁済額が大きくなる可能性があります。
ただし、清算価値からは、自己破産における自由財産拡張対象財産を99万円まで控除することが可能です。

 

パート、アルバイト、契約社員あるい勤続5年未満の正社員は、そもそも退職金見込額を報告する必要はありません
退職金はないものとして扱ってくれます。

正社員5年以上であれば、退職金がない場合にはないとわかる資料、退職金がある場合にはその見込額がわかる資料を提出する必要があります。
退職金制度がない場合には、ないことがわかる就業規則等の書類を提出します。
退職金制度があって、退職金見込額証明書の発行を会社に頼めない場合には、退職金規程、辞令等、退職金支給見込額が計算ができるような書類を出すことになります。
ケースバイケースで何を出せば説明ができるか判断します。
ポイント制を導入している会社が多く、しかも累積ポイントが分からない場合などは苦労します。

 

なお、退職金類似の性質であっても、従業員の方の場合の中小企業退職金共済(中退共)や事業主の方の小規模企業共済は、財産とみなされません。
それらは、法律上、差押え禁止財産であり、破産手続では自由財産になるからです。

その場合も、加入の事実、場合によっては現在の積立額を説明する資料の提出が必要です。

 

まだもらっていない退職金が財産として扱われて手続も変わるかもしれないということは盲点かもしれません。
よく弁護士にご相談ください。

 

債務整理(任意整理、個人再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

 

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株式の分散はいいことか 【企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のお話です。

株式会社(特例有限会社も)の所有者は株主です。代表取締役社長ではありません。

上場会社であれば株式が分散している、すなわち株主がたくさんいるのは当然ですね。株式は資金調達手段ですから。
株主が経営することは不可能ですから、経営は専門家たる取締役が行います。

これを所有と経営の分離といい、会社法の想定する典型的な姿です。
株主からリスクを株式に限定された形で広く資金を集め、経営者が運用し、株主に配当する形ですね。
効率的な制度設計とも言えます。

 

同族中小企業で株式の分散をする意味はあるのでしょうか?
意味はないとは言いませんが、弊害の方が大きいと思います。
株式の分散はお勧めしません。

同族中小企業は、大企業の小さい版ではありません。別物です。
会社法が本来想定した株式会社ではありません。

同族中小企業の資金調達は銀行借入です。
経営者が連帯保証により無限に責任を負い経営しております。株式により資金調達をするわけではありません。
責任を負う経営者が、全株式を所有し、機動的にスピード感ある経営を行うことが中小企業の強みです。
会社法もそのような中小企業のために法定手続を簡素化できる制度を用意しています。
事業承継の観点からも株式の分散は問題です。後継者が会社をスムーズに引き継げるように(将来あるかもしれないM&Aのために)株式は集中するべきでしょう。

 

実際に、株式を分散すると面倒なこともあります。
株主は会社の所有者ですから、少数株主であっても株主権というものが認められています。ひとたび揉めると、対応が非常に面倒なのです。
弁護士をしていると実際にそのような揉め事に接することになります。
勿論、それにより経営が立ち行かなくなるということはないでしょうが、いちいち法定の手続をきちんと踏まないといけないコストがあります。

 

一方、株主側から見ると、同族中小企業では、少数株式を保有していてもあまり意味がありません。
市場で売却してお金に変えることもできません。それなのに相続税の課税対象となるだけです。
配当を貰えばまだいいのですが、会社の経営戦略として中小企業が配当をすることは税務上メリットがなく、かえって弊害があると言えます。

 

従業員の士気向上のためなどの従業員持株制度も、上場企業では安定株主の確保というメリットがあるでしょうが、中小企業には関係ありません。
しかも、株式の付与(譲渡)、退職時の株式の買取りの際、額面や低廉な金額で取引をしていることが通常のようです。
それは、税務上のリスクがありますので気をつけてください。
従業員の士気向上は別の方法で行うのがよろしいのではないでしょうか。

 

もし株式が分散している中小企業があれば、早期に株式を集中させることをお薦めします。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。


広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

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離婚と自己破産 【借金問題】

広島市の弁護士仲田誠一です。

債務整理の話、その中で自己破産と離婚との関係です。

自己破産申立てに伴って離婚をされるご夫婦もよくいらっしゃいます。
経済的破綻が離婚の理由になったケースですね。

 

ところが、自己破産申立て直前の離婚で、かつ財産分与や慰謝料の支払いを伴う場合、破産手続において問題視されます。
財産隠し、破産財団からの財産の散逸を疑われるのです。場合によっては偽造離婚も疑われます。

 

経済的破綻が離婚の引き金になった場合、どうしても離婚が自己破産申立て準備(受任通知による支払停止や経済的危機状態)に近接して行われますね。
タイミングが悪くても仕方がないではないか(不自然ではない)と思うのですが、破産法の理屈上は仕方がないです。

 

財産分与・慰謝料等の離婚時給付は、贈与等無償行為とは扱いが異なります。
贈与等無償行為は時期にも依りますが、簡単に否認されてしまいます。
否認されると、破産管財人から返還を求められます。
これに対し、財産分与は夫婦共有財産の持ち分が顕在化した結果の清算です。
また、慰謝料発生原因が存在するのであれば慰謝料支払債務も発生します。
これらは、直ちに否認されるわけではありません。

 

基本は、不相当な(正当な理由がない、あるいは過大な)財産分与や慰謝料が否認される(受領者が返還を求められる)と考えていいのでしょう。

もっとも、慰謝料支払債務については、相当な原因があり相当な金額であっても、元配偶者に対してだけ債務を支払ったとして、別途偏頗弁済が問題となり得ます。
ここまで言われるときついのですが。

自己破産直前の離婚は、そこら辺を調査するために管財事件になることが比較的多いかもしれません。
申立時にどれだけきちんと説明できるかにもよります。

自己破産申立の直前の離婚でも、財産分与や慰謝料支払いがなく養育費支払いのみという場合は、基本的に同時廃止で終わっています。

 

管財事件になると、破産管財人による調査がなされます。
別れた配偶者等に事情を聞かれることもあります。

申立代理人として、あるいは破産管財人として、離婚と自己破産の問題を数多く扱ってきましたが、必ず突っ込まれることです。
離婚の仕方、財産分与の仕方、慰謝料の支払方法によっても、説明が異なってきます。
判断も変わってきます。

後々問題にならないよう、あるいは問題になっても傷口が浅くなるように、お早めに弁護士に相談された方がいいです。

 

このように、離婚が絡む自己破産はかなり神経を使うことになります。

 

なお財産分与が管財人に否認されなくとも、財産分与の結果として共有になった不動産がある場合には、破産管財人から一緒に売却する、あるいは持分の買取り等を要求されます。
その限りで他方配偶者も自己破産手続に関わってくることにご注意を。

また、養育費は非免責債権であり通常はそのまま支払われますが、財産分与、慰謝料を分割払いにしている場合には破産債権となり免責対象となることもご留意ください。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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遺留分と相続税 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

相続のお話をします。

 

遺留分減殺請求をご存じでしょうか。
法は相続人に一定割合を最低限度の取得分(遺留分)として取得する権利を定めています。その権利を行使することを遺留分減殺請求といいます。


コラム投稿後に民法改正がありました。
改正により遺留分減殺請求はなくなり、遺留分侵害の金銭請求に代わります。
金銭解決で統一されました。
遺留分と税金に関する本コラムの内容には影響がありません。

 

遺留分減殺請求をしても、合意による引渡しか訴訟による判決を取得しないと解決できません。
そうこうしているうちに、相続税の申告期限が来るために相続税申告・納付後に解決することが多いです。

 

いったん納めた相続税はどうなるのでしょうか?

税金のことなので、細かくいればきりがないのですが、ざっくりお話しすると次のような扱いになります。

 

遺言・遺贈にて相続税を支払った方は、遺留分減殺請求が認められて取り分が減った場合、相続税を納めすぎていたことになりますね。

 

判決等一定の事由があれば、更正をして納めた相続税が還付される手続が定められています。

ただ、遺留分減殺請求と税金の関係は気付かなければ見過ごされる問題ですね。

 

更正をして相続税の還付を受けたらどうなるのでしょうか。
当然、遺留分取得者がその分納税すべきことになります。
税務署から納税通知等が来るでしょう。

遺留分の話し合い、訴訟あるいは調停では税金のことも忘れてはいけませんね。

 

遺言、相続、遺留分、相続放棄等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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婚姻費用、養育費の対象となる子は未成年者? [離婚問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

離婚のお話です。

 

未成年者が婚姻費用、養育費の対象となるというイメージを持たれているかもしれません。

以前にも書かせていただきましたが、よく聞かれるため簡単にお話しします。

 

正確には、婚姻費用、養育費の対象となるのは未成熟子です。

未成熟子とは、身体的、精神的、経済的に成熟化の過程にあるため就労ができず第三者による扶養を受ける必要がある子とされています。

 

未成年者であっても、独立して経済的に自立している場合には未成熟子ではありません。

成年者でも大学卒業までの扶養義務が認められることがあります。
既に大学に進学している場合には比較的問題なく認められるでしょう。
お子さんが小さい場合には、家族の学歴や教育方針等諸般の事情を考慮して判断されます。

最近は、離婚をお手伝いするケースの中で、なぜかお子さんが大学生という案件が多いです。
お子さんが大学生であると、婚姻費用・養育費が簡単ではありません。
学費もありますから、算定表が役に立たないですね。
また、下宿をしている場合もありますし。
その場合には婚姻費用・養育費の決め方も独特なものがありますし、明確な見通しが立たないですね。
一番の争点は今後の学費の支払になることが多いです。
その反面、大きいお子さんだと、面接交渉については争いが生じないことが多いですね。

 

離婚、婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料請求等、離婚問題のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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