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旧コラム 企業法務 4ページ目

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マイカー通勤、自転車通勤のリスク管理 【企業法務】

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

今回の企業法務コラムは、以前にもお話ししましたが、従業員のマイカー通勤・自転車通勤のリスクについてもう一度お話します。

 

従業員の通勤事故において、使用者である会社が使用者責任を問われるケースが増えていることはお話ししました。
会社が責任を負う場合、損害賠償額が自賠責を超える高額なものになる場合も珍しくなく、会社にとって大きなリスクなのです。

中小企業がいきなり1億円なんて賠償責任を負うと経営危機ですよね。

 

企業としては、マイカー通勤を許容するかどうかを明確に定めきちんと管理をしなければいけません。
許容しない場合には、徹底的に禁止をします。

許容するのであれば、任意保険(原則として対人対物無制限)の加入を条件として、従業員の保険加入状況を定期的に確認してください。

規程の整備も必要ですね。

 

保険証券の定期確認の際には、期限や保障内容だけではなく、「使用目的」の確認を忘れずに。

月一定以上の日数(保険会社により15日など基準が定められています)を通勤に使っているにもかかわらず、保険の使用目的が「通勤・通学」ではなく「日常・レジャー」になっている場合、事故時に保険会社が対応しないリスクがあります。

使用目的によって保険料に差があるので、一番安い「日常・レジャー」になっていることが多いです。
本人が意識しないでも代理店がそうしているケースもあるようです。

マイカー通勤を許す場合には、使用目的が「通勤・通学」になっているか確認しないといけませんね。

 

自転車事故による損害賠償高額化の問題もお話ししましたね。

自転車保険は保険料が安いですし、火災保険や自動車保険の特約(個人賠償保険特約)で自転車事故がカバーできる場合もあります。
自転車についてもやはり自動車と同じような管理をするべきだろうと思います。

 

通勤事故の発生頻度は少なくても、一度でも起きると金額が大きい場合があります。
損失額×発生確率で考えると、通勤事故のリスクは相応なものと評価され、きちんとした対処が必要になります。

基本的な管理はそう手間がかかることではありませんので、きちんと管理してください。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

https://www.nakata-law.com/

 

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事業のリスクはすべて法律に通じる [企業法務]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

今回の企業法務コラムは、会社を取り巻くリスクの把握、管理等はすべて法律に通じるというお話です。

企業法務は、企業のリスク管理を担うと考えています。
かつ、企業のリスク管理には、法律家の助けが必須だとも考えています。

 

多くのリスクを作るのは何でしょうか。法律です。


まず、法律で損害賠償義務、契約責任、その他法定責任が決められています。
法律や判例が変わると今まで隠れていたリスクが問題となるケースも珍しくありません。

法律が様々な手続も定めていますね。法定手続の瑕疵、懈怠も大きなリスク原因です。


また、リスクが顕在化する場合には、多くは(金銭的評価のできる損失の多くは)、法律の世界を通して、金銭的な責任が表面化していきます。

上述のように法律の定めやルールに従って、リスクが顕在化します。

顕在化したリスクの解決にも、訴訟等の法的手続あるいは和解等の場でも法的見解に基づいて、最終的な責任が決まっていきますね。

 

リスクの多くが法律に従って発生し、法律を通じて顕在化していくのであれば、リスク管理には法律的な観点が必要ですね。

法務リスクは狭く捉えられるものではないのです。

リスクを排除する、リスクを回避する、リスクを低減するという作業では、法律的観点から責任が発生する事態を排除・回避する仕組みを作るという作業が大きいウェートを占めるはずですね。

 

例えば、経営は契約の積み重ねです。それぞれにリスクがあります。

業界慣行・経験により「これで大丈夫だ」と思ってご商売をされていませんでしょうか、そのようなものは裁判では通用しません。
企業トラブルはほぼ契約内容の解釈により結論が出ますが、それは法的に解釈されるのです。

リスクが顕在化したら損失は甘んじて受け入れるというのであれば、そのような経営姿勢でいいのかもしれません。
しかし、実際にトラブルが発生した際にもそのように達観できる経営者の方は少ないでしょう。

勿論、損失は経営にも影響を与えます。大きな契約1つにでも紛争が発生したら、コストがかかるだけではなく、資金繰りの悪化に即繋がりますね。
契約の積み重ねの中で最低限の抑えだけでもしておけば、紛争発生は防ぐことができますし、紛争の早期解決にも繋がります。

 
「簡単な〇〇だけでも記録に残しておけば裁判に勝てたのに!」と感じる裁判は珍しくありません。

ノーガードで経営をされている例が驚くほど多いと感じています。

企業は、その活動全般について、リスクを診断し、リスクの回避、トラブル発生予防をしていかないといけません。
その方が最終的なコストは安くなるはずです。


日頃から、法律的な観点で企業防衛を図る意識が必要であると思います。

 

顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

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特別利害関係人と取締役会、株主総会  [企業法務]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

今回の企業法務コラムは、特別利害関係人と取締役会、株主総会の関係のお話です。

企業法務サポートにおいては、取締役会あるいは株主総会の議事録を作成することも多いです。

議事録作成時には、取締役会あるいは株主総会における決議に特別な利害関係がある取締役あるいは株主の扱いが気になりますね。


まずは株主総会です。


株主総会においては、決議内容に特別な利害関係のある株主でも議決権を行使することができます。

株主総会の議長にもなれるとされています(なお、以前は議決権行使が許されませんでした)。

ただし、特別利害関係人の議決権行使の結果として著しく不当な決議がなされた場合には決議の取消事由とされています。

原則は議決権行使が許される、例外として資本多数決の濫用は許さないということです。

 

なお、会社が自己株式取得を承認する一定の決議においては、相手方の株主は議決権を行使できないと特別に定められています。

 
次に、問題が生じる取締役会です。


取締役会設置会社における取締役会では、決議について特別の利害関係を有する取締役が議決に加わることはできません(その場合、定足数算定の基礎の人数にも算入されません)。
株主からの委託を受けている取締役の忠実義務から決議の公正を期す必要があるということでしょう。

違反をすれば原則として決議は無効となります。


勿論、特別利害関係取締役は、議長にもなれません(既に議長である場合には権限を失います)。

特別利害関係取締役には意見陳述権もなく、退席を要求されれば退席する必要があります(出席していること自体では無効とはならないとされているようです)。

 

特別利害関係人の存在は、譲渡制限株式の譲渡承認、競業取引・利益相反取引の承認、会社に対する責任の一部免除、代表取締役の解職決議(争いはありますが判例があります)、等実務上よく目にする場面です。

議事録を作成するときに悩ましいです、決議毎に議長や議決権者を変更する等ややこしいことを考えないといけません。

例えば、譲渡制限株式の譲渡承認ですが、株主総会で承認できる会社であれば、オーナーさんあるいはご夫妻が株主であることが多いので、全員出席株主総会を開いてもらえれば簡単に臨時株主総会を開いて譲渡承認手続ができますね。

しかし、取締役会設置会社では定款で別段の定めをしていないと取締役会で譲渡承認をしなければなりません。

取締役会開催にあたっては、オーナーご夫妻以外の取締役や監査役も絡んでくる。
かつ、特別利害関係取締役の議決権がないということで、手続きが面倒になるケースもなるということです。

 

なお、よく質問を受けることですが、取締役会における代表取締役の選任決議での候補者取締役は特別利害関係取締役に当たりません。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

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自動車保険の使用目的に注意 [交通事故]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

自動車保険のお話です。

 

自動車保険での車両の使用目的は告知事項です。
告知義務の範囲に属し、告知義務違反があれば契約解除、保険金未払いということにも繋がりかねません。

 

使用目的は、
業務使用
通勤・通学使用
日常・レジャー使用
に分けられます。


一番保険料が高いのが業務使用、それが安いのが日常・レジャー使用です。
事故を起こす確率が違うということなのでしょう。

 

日常・レジャー目的かそれ以外かの基準は、月〇日以上、通勤・通学あるいは業務に使用するかどうか、の形で保険会社が決めています。

 

保険料が安く済むからといって、虚偽の使用目的(日常・レジャー)を申告して通勤事故を起こすと保険金が支払われない可能性があるのでご注意ください。
事故が起きて任意保険の支払がないということになると非常に困ります。
自賠責は人身だけですし、かつ金額も限られています。

 

なお、日常・レジャー目的の保険契約を締結していて、たまたま通勤に使った際に事故に遭ったらどうなるのでしょうか?

 その場合は大丈夫です。
虚偽の申告をしているわけではありませんから保険会社が対応してくれます。

 

なお、会社が従業員にマイカー通勤を許容している場合、少なくとも任意保険の加入は義務づけて確認をしてください。
会社に使用者責任が及ぶ可能性が高いですから。
その際に、会社は保険の使用目的も確認する必要がありますね。
通期・通学になっていないとおかしいことになりますね。
きとんとしていないと会社に対して思わぬ損害賠償請求が来ることがあります。

 

交通事故のご相談はなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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従業員の債務整理への対応  [企業法務]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

今回の企業法務コラムは、企業のリスク管理の観点からの、従業員の債務整理のお話をします。

自己破産や個人再生を検討されている方は、会社に事情が知れたら困るという方がほとんどです。
勿論、プライベートなことなので言いたくないですよね。

 

今回は、会社としては従業員の自己破産や個人再生にどういう対応をとるべきなのかをお話ししたいと思います。
企業法務、リスク管理にも大事なことです。

 

従業員の自己破産は(個人再生も)、たとえ就業規則に解雇事由であると書いてあったとしても、解雇事由にはならないとお考えください。
従業員の自己破産と会社の業務はは基本的には関係がありませんから、従業員の自己破産、個人再生は解雇の合理的理由に該当しないのが原則です。

 

勿論、自己破産の場合では、警備員や保険外交員など特定の職業や資格が制限されるため(個人再生にはない)、そういった場合は解雇の理由になる可能性がないとは言えません。
ただ、配置転換等の他の処分・方策もあり得るため簡単には認めてくれないでしょう。
会社が従業員へ貸付をしている場合には、会社が損害を被ることになりますので、解雇は別としても、何等かの懲戒処分はできる可能性があります。

 

企業法務、リスク管理の観点からは、会社として、従業員の自己破産、個人再生には寛容に接すべきです。
むしろ、積極的にサポートをしてもいいぐらいだと考えます。

 

まず、仮に債権者から従業員の給与等の差押えがなされると会社としては非常に手間です。
債務整理してもらった方がコストが発生しません。
債権者からの督促電話などが会社に来るもの面倒ですね。

 

また、従業員が自己破産等で経済的更生を図ってもらうことにより、従業員のパフォーマンスが上がってくるでしょう。
多重債務で苦しまれている方は、疲れ切ってしまいます。
どんどん疲弊して会社も辞めてしまう人が珍しくありません。
会社としては早く債務整理をしてフル充電で頑張ってもらいたいですね。

さらに、不祥事防止などのリスク管理の観点から考えても、従業員に自己破産等で経済的に立ち直ってもらう方が得策です。
不祥事の原因は、経営者への恨み、遊興費の捻出など様々ですが、借金苦が原因ということも多いと思います。

 

会社へ妙な電話がかかってくるなど従業員が借金で悩んでいる兆候が見られた場合には、自己破産等の手続を薦める、あるいはサポートをするべきだと考えます。

当職の顧問先企業様からも従業員さんの債務整理を頼まれることがあります。
従業員さんから借金の整理の相談も来るような会社が望ましいかもしれませんね。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

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株式会社の歴史など [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のお話です。
 

 

株式会社って誰のものでしょうか?
答えは簡単です。株主のものです。

 
日本的な感覚では、従業員も会社の一員のようなイメージですね。
現在の株式会社制度は輸入物なのです。そのため、江戸時代までの日本的な感覚とは違うのですね。
あくまでも制度の問題ですが。

株式会社制度の原型は、大航海時代まで遡ります。

アジアとの交易は非常に儲かるが、航海の沈没や海賊などに襲われる危険も非常に高かった。無事に帰港できるかどうかギャンブルですね。

 

単独で出資して船を出すのは危険です。そのため、教会や貴族が出資し合い(株主)、船長を選んで(取締役)、奴隷を使って(従業員)、交易し、沈没等したら教会・貴族が諦める(株主有限責任)、帰還できれば利益を教会・貴族に分配する(配当、残余財産の分配)という仕組みができたのですね。
同時に出資者への会計報告のために複式簿記が開発されました。

 

そのためなのでしょうか、法律上、株式会社は株主のもので、従業員は法律上の構成員ですらありません。
合同会社など会社法でも「社員」は存在しますが、それは出資者を指します。

 

従業員は、労働者保護法制による修正により大航海時代の奴隷的立場ではなくなりましたが、法的には構成員ではないのです。

 

従業員は、特に中小企業にとって生命線と言っていいほど大切なのは事実です。
日本の社会通念でしょう。
経営者の中には、社会のため、従業員のためにと、経営をされている方も多くいらっしゃいます。
法律は西洋から来たため日本人の意識とはギャップがありますね。

 

なお、従業員に自社株を持たせると従業員の会社の構成員になりますが、経営戦略上、あるいは事業承継上、お薦めできません。
従業員の士気向上は他の人事施策に任せましょう。

 

顧問弁護士、企業法務はなかた法律事務所にご相談を。

 

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株式の分散はいいことか 【企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のお話です。

株式会社(特例有限会社も)の所有者は株主です。代表取締役社長ではありません。

上場会社であれば株式が分散している、すなわち株主がたくさんいるのは当然ですね。株式は資金調達手段ですから。
株主が経営することは不可能ですから、経営は専門家たる取締役が行います。

これを所有と経営の分離といい、会社法の想定する典型的な姿です。
株主からリスクを株式に限定された形で広く資金を集め、経営者が運用し、株主に配当する形ですね。
効率的な制度設計とも言えます。

 

同族中小企業で株式の分散をする意味はあるのでしょうか?
意味はないとは言いませんが、弊害の方が大きいと思います。
株式の分散はお勧めしません。

同族中小企業は、大企業の小さい版ではありません。別物です。
会社法が本来想定した株式会社ではありません。

同族中小企業の資金調達は銀行借入です。
経営者が連帯保証により無限に責任を負い経営しております。株式により資金調達をするわけではありません。
責任を負う経営者が、全株式を所有し、機動的にスピード感ある経営を行うことが中小企業の強みです。
会社法もそのような中小企業のために法定手続を簡素化できる制度を用意しています。
事業承継の観点からも株式の分散は問題です。後継者が会社をスムーズに引き継げるように(将来あるかもしれないM&Aのために)株式は集中するべきでしょう。

 

実際に、株式を分散すると面倒なこともあります。
株主は会社の所有者ですから、少数株主であっても株主権というものが認められています。ひとたび揉めると、対応が非常に面倒なのです。
弁護士をしていると実際にそのような揉め事に接することになります。
勿論、それにより経営が立ち行かなくなるということはないでしょうが、いちいち法定の手続をきちんと踏まないといけないコストがあります。

 

一方、株主側から見ると、同族中小企業では、少数株式を保有していてもあまり意味がありません。
市場で売却してお金に変えることもできません。それなのに相続税の課税対象となるだけです。
配当を貰えばまだいいのですが、会社の経営戦略として中小企業が配当をすることは税務上メリットがなく、かえって弊害があると言えます。

 

従業員の士気向上のためなどの従業員持株制度も、上場企業では安定株主の確保というメリットがあるでしょうが、中小企業には関係ありません。
しかも、株式の付与(譲渡)、退職時の株式の買取りの際、額面や低廉な金額で取引をしていることが通常のようです。
それは、税務上のリスクがありますので気をつけてください。
従業員の士気向上は別の方法で行うのがよろしいのではないでしょうか。

 

もし株式が分散している中小企業があれば、早期に株式を集中させることをお薦めします。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。


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会社経営者、個人事業者の自己破産 [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のお話です。

会社経営者、個人事業主が自己破産をする場合の裁判所手続のことをお話します。

広島地方裁判所(少なくとも本庁、支部もほぼ同様)では、
5年以内に会社経営者であった方、
あるいは5年以内に個人事業主であった方は、
それだけで破産管財事件になる扱いです。

そのため、申立てにあたっては、予納金(20万円~)の準備も考えないといけませんね。

 

会社経営者というのは、基本的には会社代表者の場合です。
連帯保証をしているのが通常ですので、法人と同時に自己破産の申立てをすることが多いでしょう。

その場合には同じ破産管財人が付き、手続も並行して行われます。

なお、経営にタッチしていない単なる取締役の場合はそれだけでは破産管財事件にはならないです。

代表者の個人破産のケースでは、法人破産の申立ても事実上勧奨されます。

理屈上は法人破産を申し立てる必要はないのだろうと思います。
しかし、裁判所は個人と法人の財産の混同をチェックするためでしょうか(個人の破産管財人は法人の財産について調査権がないです)、場合によってはかなり強く求められます。

法人破産を申し立てない理由は、法人破産の予納金を納めるお金がない、あるいは、帳簿類が散逸しており整理できない、というものが多いのではないでしょうか。

私の経験では、予納金は形だけでいいから、あるいは簡単な申立書だけでいいから、と言われて、やむなく法人の申立てもしたことがあります。

 

一方、確定申告をしている個人事業主であっても、破産管財事件としての扱いにならないケースもあります。

例えば、仕入債務も売掛債権もなく設備もないといったように仕事が事業規模とは言えない場合や、所謂「一人親方」的な労務の提供を特定の取引先に提供し請負報酬を貰う形で稼働しており実質給与所得者と変わらない場合などです。


管財事件となる事業主かどうかの判断は、ケースバイケースの問題です。
裁判所に対する適切な説明ができれば同時廃止事件で終わることも可能です。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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中小企業経営者にとっての専門家の位置づけ2 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

前回は中小企業経営者にとっての顧問弁護士などの位置づけをお話ししました。
今回はその続きをお話しします。

 

中小企業経営者の経営上の悩みや疑問は尽きません。

でも、個々の問題をどの専門家に相談したらいいのかよくわからないことは多々あるはずです。
かつ、1つの問題でも、弁護士、税理士、社会保険労務士、司法書士等々、様々な専門的観点からの検討をしなければベストな選択肢が出て来ない例も多いです。
特に法律と税務は切れない関係にありますね。

 

そのため、中小企業経営者のブレーンとしての専門家には、専門性を持ちながらも広い守備範囲が必要なのだろうと思います。
経営者の方がなんでも相談でき、自分の専門ではない場合でも情報提供や紹介などができる専門家でなければならないですね。
ワンストップサービスなどと言われることがありますね。

勿論、そもそも弁護士が、事業のこと、会社のことを、十分に理解できないとそのような存在になれません。
企業や会社の話がストレスなく弁護士に通じることが大事です。

 

顧問弁護士であれば法律しか語らないというのではいけません。
顧問弁護士も、法律的な見解を述べるだけだと楽なのですが、それでは問題の解決や解決策の提案には不十分です。
他の分野も考慮に入れた処理やアドバイスをしなければなりませんし、相談事を受け止めて適切な専門家に橋渡しができないといけません。
とりあえず弁護士に相談すればなんとかなるという存在でなければいけませんね。

 

勿論、言うは易し、行うは難しです。
当職も、たまたま銀行員経験により幅広い事業・会社のことは理解できますし、税務はロースクールの客員准教授として研鑽をし、銀行との連携も大切にしながら中小企業の経営サポート活動を通じて、経営全般のお手伝いができるよう努力しています。
また、どんな相談を受けても対応できるよう、他の専門家にすぐに相談をして情報提供できる体制、一緒に案件に取り組む専門家を用意できる体制を用意しております。

ご注意していただかないといけないことがあります。
顧問弁護士が主体的に顧問先様から情報収集をして様々なコンサルティングをしていくことは物理的に難しいことです。
自身の反省は勿論ありますが、弁護士は目配りが不十分です。
顧問弁護士は企業様が積極的に話しをして考えてもらうようにした方がより役立つことでしょう。
話をあまりしないと、結果的には用心棒的な弁護士になってしまいます。
弁護士も、企業様から相談やお話をしていただくことは、非常にありがたいことです。厭う弁護士はいないでしょう。
顧問弁護士がいらっしゃる企業様は、どんどん弁護士に相談を持ち掛けてみてください。
 

 

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中小企業経営者にとっての専門家の位置づけ1 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業経営者の方が顧問弁護士、顧問税理士等の専門家と顧問契約をする意味は何でしょう。

 

例えば弁護士であれば、仮に事件が起きたら動いてくれる用心棒的な弁護士を希望する限りでは、必ずしも顧問契約を結ぶ必要はないかもしれません。
顧問契約のメリットは、顧問弁護士がすぐに動いてくれる、必ず動いてくれるという意味しかないのでしょう(勿論それもメリットには違いありませんが)。

 

専門家は、孤独な立場の、かつ忙しい経営者のブレーンとして位置づけ、日ごろから様々なことを相談するべきでしょう。

 

経営者は、営業活動ばかりしていていいわけではありません。
企業活動には多大な、多様なリスクを伴います。管理業務も大事なのですね。
中小企業ではリスクが顕在すると経営自体の継続に支障を来す例も珍しくはなく管理業務は無視できません。
一方で、中小企業経営者が管理業務に邁進したり、専門の従業員を据えたりすることも、事実上できません。
中小企業経営者は、管理業務はできるだけ専門家にアウトソーシングして、前向きな営業活動、商品開発、研究開発等に注力すべきです。

 

顧問弁護士には、機会ある毎に相談し、アイデアをもらい、紛争を未然に防止する、あるいは防止する仕組みをどんどん整備していくことが必要です。
管理のことはブレーンとしての専門家に考えてもらう(もちろん実行するのは経営者ですが)、これが中小企業経営者にとっての顧問弁護士の位置づけではないでしょうか。
勿論、法律的なことだけではなく、経営のことその他諸々を相談するべきです。
どこにリスクが隠れているか、どこに経営のヒントがあるかわかりませんから。
問題が生じてから相談するのではなく、問題が起きないように相談をするべきですね。

顧問弁護士は経営者に対して厳しい意見具申をしてくれる立場であることも(勿論必要があるときですが)重要な点です。
経営者にはなかなかそういう意見を得る機会がありません。
顧問弁護士も顧問先であるからこそ、耳障りな意見でも率直に言ってくれると思います。
耳障りのいい話ばかりする弁護士は必要ありません(中には気を悪くされてしまう経営者さんもいらっしゃって残念なのですが)。

顧問税理士さんも同じですよね。数字を作って申告をするだけであればあまり必要ありません。
経営のアドバイスがあって初めて付加価値が付くのではないでしょうか。

 

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