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コラム 仲田 誠一 20ページ目

M&Aを検討されている企業の方へ [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

広島でも中小企業のMAが増えてきたように思います。
当職も、規模はいろいろですが、常に案件を抱えている状態です。


地方の中小企業のMAは、大企業やベンチャー企業のそれとは異なり、売り側の動機は、事業をどう継続しようかという、事業承継の問題とパラレルな場合が多いですね。

後継者候補がいるのであれば事業承継対策を、いないのであればMAを行い、事業を守る、従業員を守るということになるのでしょう。

買い手としたら、国内市場の拡大が見込めない中、かつ人材不足の中、簡便に市場と人材を手に入れられるため、積極的に考えられる企業も多いところです。

 

MAは、突き詰めれば(他の制度も組み合わせることもありますが)、事業譲渡株式譲渡、合併の方法をとることになります。

事業譲渡、合併は、譲渡者・譲受者(多くは会社間)の契約です。株式譲渡は新旧株主間(多くは個人間)の契約になり、それぞれメリット・デメリットがあります。

事業譲渡の選択が割合多いと思います。簡便ですし、譲渡先の債務を切り離すことが可能ですから。
株式譲渡や合併は、許認可や取引口座の関係で被買収会社の法人格を活かしたい場合に使われますでしょうか。不動産を多数保有する会社であれば手数料、税金面でもその選択をすることもあると思います。

ただ、中小企業であれば、税制上のメリットが大きい適格合併の場合を除いて、合併を選択するケースは少ないかもしれません。手続が煩瑣ですからね。

 

MAには手続の選択が必要であり、また制度の組み合わせも必要な例があります。ケースバイケースでの選択になります。スキームの設計自体から専門家にご相談されることをお勧めします。
当事者が合併を望んでいたケースでも、当職が間に入ったところ、事業譲渡で済むことが判明し、スムーズかつ簡単に案件が進んだ例もありましたね。

 

MAは、多かれ少なかれリスクがあります。
その観点からも第三者の目を入れた方がいいでしょう。
合併あるいは株式譲渡であれば、相手方会社あるいは買収株式発行会社が保有するリスクを丸々引き継ぐことになります。
事業譲渡であれば、譲渡会社の抱えるリスクはある程度遮断できますが、それらは事業価値自体の評価に関わってきます。
勿論、手続自体のリスクも発生します。

また、それぞれ法定手続が必要ですね。サポートを得た方がいいでしょう。
MA(従業員に引き継いだ例)で、法的にきちんと手続が踏まれていないことから生じたトラブルの解決をお受けしたこともあります。

もちろん、大きな売り物あるいは買い物でもあります。保険の感覚でコストを考えることができるでしょう。

専門家を入れる費用はコストと見て、当事者間だけで進めず、専門家を入れることをお勧めします。


専門家を入れるとして、どの程度依頼するかによってコストも変わります。
取引規模に応じて選択することになるでしょう。
一番簡単なのは、助言、契約書作成、法定手続のサポートでしょうか。基本的に弁護士だけで大丈夫ですね。契約書作成過程で、ある程度のリスクはチェックできるでしょう。
監査(デューデリジェンス)まで入れると費用はより嵩みます。法務監査、会計監査あるいはいずれか一方がメインですね。どちらかだけ行うということもあります。会計監査が必要な場合には弁護士と税理士・会計士が連携しなければなりませんね。
当職が扱う案件も、両方あります。取引の規模、想定されるリスクの大小、かけられるコストに応じて様々です。
勿論、マッチングあるいは早期の交渉段階からお手伝いをするケースもあります。
逆に、当事者双方から話が決まっているので形を整えて欲しいと最終段階からお手伝いすることもあります。

同じ専門家でも得手不得手が出てくる分野です。弁護士を選択する場合には、疑問点や質問等を投げて、本当に任せていいかよく吟味してください。また、コストはどこに頼むかで大きく変わってくる点もご注意ください。

 

当事務所は、MAについても、税理士、銀行等とも連携しながら力を入れて取り組んでいる分野です。ワンストップで対応できるので重宝していただいております。
ぜひご相談ください。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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中小企業のリスク管理とは3 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

中小企業がとるべきリスク管理についてお話しし、今回が3回目で最後です。

前回は、リスクを洗い出し、分類し、保険を掛ける、では残ったリスクの対応はどうするのか、というところまでお話しました。

中小企業にはリスクの予防・リスクの排除が必要です。ひとつでも顕在化してしまうと経営継続自体が危険にさらされることが珍しくありません。

保険で対応できずに残るリスクは、弁護士(あるいは税務に関しては税理士)に、リスクを予防する仕組みを考えてもらってください。
中小企業にリスク管理を担う部署、人材を割く余裕はないかもしれませんし、かつそれは必要ありません。
また、リスクは法律を通じて損害賠償その他の責任の形で顕在化します。
法律的な観点からの対処は必須なはずです。

専門家によるリスク診断、その後の対応にはコストはかかります。しかし、多少費用がかかっても、仕組みづくりに一度手を付ければ何年かは通用するでしょう。
万が一リスクが顕在化した時の多大なコストを考えると、保険料と同じ感覚で費用をかけて欲しいと思います。
 
卑近な例で言うと、従業員のマイカー通勤を許している会社で、従業員の自動車保険の管理をしていない会社があります(無制限の自動車保険の加入、使用目的を「通勤・通学」にしているか定期的に確認します)。
通勤事後が起きると、会社も責任追及され大変なことになります。管理をしなければならないのです。その手間はそうかかりません。

この程度の気付きの積み重ねが必要なのです。同じような例は幾例もあります。
 
リスク対応は、中小企業の身の丈に合った、シンプルかつルーティン化できるものでなければなりません。
そこが肝です。
大上段に構えた対策は管理コストを発生させてしまいますし、どうせ定着することはありません。
最低限の分離とチェック、そして記録化ですね。
当たり前にできるような仕組みです。
それには各会社に合ったやり方を検討しないといけません。
当職は、内部監査の知識・経験もあることから、中小企業に適合したリスク対応を研究・実践しているところです。
 
リスクへの対応は、決して後ろ向きの仕事ではありません。
会社の継続、あるいは収益に直結する経営戦略です。

最後に、簡単に申しますと、保険で対応できるものは保険へ、そうでないものは専門家によるオーダーメイドの仕組み作りということで、中小企業のリスク対応は完成します。
中小企業はそれ以上のコストをリスク管理にかけられませんしかけるべきでもありません。
かつ、リスク対応は中小企業にとっても経営戦略として必須事項です。
 
少なくとも10年に1度は、会社のチェック、リスク診断をされることを強くお勧めします。
人間ドックは年に1回行かれるのでしょう。会社も本当は数年に一度は点検した方がいいのでしょうね。
 
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中小企業のリスク管理とは2 [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

中小企業のリスク管理の続きです。
 
中小企業のリスク対応はどうするべきなのでしょうか。

経営者の方にリスクの管理をしてくださいとは非現実的なことであり、当職も言いません。
中小企業経営者としてやるべき仕事が他にいくらでもあります。

それではどうするのでしょうか。
簡単に言えば、保険の本当の活用と専門家の助けを得ることです、言わば人間ドックならず事業ドックにように会社を診断してもらい、リスクの顕在化の回避・予防をすることです。
 
今回は、なぜ、保険の活用なのでしょうかというお話をします。

それは、リスクが顕在化するのは最終的にはお金の形だからです。
保険をかけられるものであれば、保険をかければ十分ですね。保険金で対応できます。

かつ、保険の活用によりリスク管理ができるようになるというメリットもあります。
大企業は、リスク自体を数値化して管理することを管理部門を用意し行っています。
私も銀行員時代に携わったことがあります。

中小企業にはそのようなことはできません。経営資源をそこに投入することはできませんし、リスクを数値化すること自体が困難です(ある程度のロットがなければリスク管理は難しいです)。

それが、保険により対応することにより、保険料という目に見える形でコストを予算化できます。
できなかったはずのリスク管理ができるようになるのです。
保険の管理は必要ですが、それも気の利いた保険代理店に投げればいいのです。
だから保険の活用なのですね。
 
保険の活用には、まず、リスクの洗い出しをします。

御社の商流に沿って、オーダーメイドで確認をしていきます。この点は、必ず弁護士に見てもらってください。なぜなら、リスクは「法律を通して」顕在化するからです。
 
次に、洗い出されたリスクを保険で対応できるものとできないものに区分けします。
事業承継や退職金等のリスクには生命保険、その他は損害保険でしょう。
保険で対応できるものは、予算との兼ね合いに応じ、すべて保険を掛けます。
あとは保険の管理をすればいいだけです。

保険が掛けられるリスクはすべて保険で対応した方がいいですね。
後は、予算をどれだけかけられるかの経営判断です。
 
勿論、すべてのリスクに保険を掛けられるわけではありません。
では、保険が掛けられないリスクはどう対応すればいいのでしょうか。
 
次回にお話しします。
 
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中小企業のリスク管理とは1 [企業法務]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

当職は、当事務所で、あるいは合同会社RYDEENという士業の集まりに属して、中小企業に特化した法務・リスク管理・M&A事業承継・内部統制等のサービス提供、あるいは経営塾・企業再生・セミナー等を行っています。
銀行等とも連携し、中小企業を元気にしようと頑張っております。
 
巷にある経営指南本やマニュアルあるいはコンサル会社のサービスは、大企業向けのものか、それをもじったものが大半です。

大企業と中小企業は同じ株式会社であったとしても、似て非なるものです。経営戦略が同じではいけません。

そこで、中小企業に特化した専門家によるサポートが必要だということなのです。
 
ところで、中小企業の経営者は、あまりリスク管理にご興味がありません。
「今まで問題がないから」、「あるいは業界の慣行だから」とよく耳にします。

中小企業には管理部門に人を割くことができませんし、リスクを計数的に把握して管理するなんで不可能です。

経営者の仕事は営業・開発等前向きな仕事です。

そういったこともあって、リスクに興味がないのは当然だろうと思います。
 
しかし、興味がないのと放っておいていいのとは別問題です(法的にリスク管理体制の構築が取締役の善管注意義務の中身になっていることは当然です)。
 
中小企業こそリスク管理は必須です。

今回はこのようなお話をしようと思います。

中小企業と大企業の違いの1つに体力があることは異論がないと思います。

大企業は資本が大きく、リスクが顕在化しても、ある程度吸収することができます。
リスクを数値化してどれだけのリスクを負っているかを把握し、それに応じた引き当てをしております。

これに対し、中小企業は、大きな契約1つでも揉めれば、解決するまでに資金繰りに窮し、すぐに経営危機に発展します。

業界の慣行は裁判では通用しませんし、法的な紛争が当たり前の時代です。

当職は何度もそのような場面に出会いました。
少しの工夫でそのようなトラブルはある程度防ぐことができます。
「事前に相談をしてくれれば。」と残念な限りです。

そのようなリスクは取引行為に限って生じることでもありません。
従業員の通勤事故1件でもそれが無保険事故だっただけで、1億を超える損害賠償請求が会社に来て経営危機にもなり得ます。

中小企業こそ、リスクが顕在化したら、即、経営危機に陥る危険があるのです。

大企業よりもむしろ、リスクの顕在化が即経営危機に直結する中小企業こそ、リスクの回避が必須なのです。
 
経営者にとって、儲ける方向の前向きな仕事が一番大事なのは当然です。

しかし、企業防衛戦略、儲けた、儲けるはずのお金を失わないということも経営には大事です。

リスクにどう対応していくかは中小企業経営者にとって必要な経営判断なのです。

しかし、中小企業にはリスク管理などできないと言われるでしょう。

確かに、前述のとおり、ヒト・モノ・カネの経営資源をそこに割くのは難しいですし、リスクを計数化して管理すること自体が非現実的です。

では、中小企業はリスクに対してどのような対応をすればいいのでしょうか。

保険の活用と専門家(弁護士)によるシンプルな仕組みづくりです。
意識的にそれができているかが大事です。

それは次回、次々回にお話しします。
 
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氏の変更のお話 【離婚問題】

広島市の弁護士仲田誠一です。

今回は、あまり弁護士が目にしない離婚の周辺問題のお話を1つ。
 
離婚に際して、氏(苗字)を変更していた配偶者は、婚氏(結婚時の氏)を続称するか婚姻前の氏に復氏するのかを選択できます(期間制限はありますが)。
1度目の離婚ではあまり問題になりませんが、2度目以降の離婚では、やっかいな話が出てくるのです。

仮に、前婚で婚資氏続称を選択していた場合、再婚後離婚した際に、選択できるのは2回目の結婚時の婚資を続称するか、離婚の前の氏(前婚の配偶者の氏)に戻るかなのです。
届け出だけで生来の氏(生まれながらの氏)に戻ることはできないという問題が生じます。
 
それではどうしたらいいのでしょうか。
氏を変更するには、家庭裁判所に氏の変更許可の申立てをし、許可審判を得る必要があります。
変更を求める氏の通称としての使用実績や変更の必要性がきちんと吟味され、簡単には認められません。
戸籍上の氏を変更するのは大変です。
そのため、誰かが氏を変更したと言っても、戸籍はそのままで通称を変えているだけの方も多いです。
 
でも、上述のケースでは、たまたま前婚離婚時に婚氏続称を選んだために生来の氏に手続上戻れないだけですね。生来の氏に戻ることを許しても何も問題がなさそうです。

そこで、そのような場合には、簡単にできる婚姻前の氏への変更に準じて、通常の氏の変更よりも許可が得られやすい傾向となっています。
変更許可申立てが権利濫用にあたる、あるいは変更により社会的な支障が生じる等の事情がない限り、生来の氏への変更を許可すべきとする裁判例があるのです。
 
ところが、先日、上述の例で氏の変更が許可されなかった事案の即時抗告を経験しました。
家庭裁判所では、氏の変更の必要性を通常の氏の変更許可申立てと同様に厳しく吟味され、氏を変更する止むを得ない事情がないと許可されなかった事例でした。
上述の裁判例等とは思考方法が逆ですね。原則ダメで例外的にやむを得ない事情があるか判断するという考えです。
家庭裁判所が上述の裁判例を知らないわけではなかったのでしょうが、家庭裁判所の判断は納得ができないものでした。
勿論、本人が代理人をつけずに手続をしていたので、上手く裁判所を納得させられなかったのかもしれません。
 
そのため、即時抗告から代理人としてかかわりました。
抗告審たる高等裁判所には上述の裁判例の存在等を説明して、無事に原審判を取り消してもらい、氏の変更の許可を出してもらいました。
抗告審で原審判の結論が覆るのはなかなかないのですが、今回はきちんとこちらの主張を理解していただき一安心しました。
 
離婚財産分与慰謝料、氏の変更のご相談はなかた法律事務所へ。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
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相続預金の取り扱い3 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

本年もよろしくお願いします。

遺産たる預貯金(法的には預貯金債権になります)の遺産分割における取り扱いに大きな変更がありました。
遺産分割の対象となるかならないかの大きな話です。最高裁の判例変更です。
 
従前は、預貯金債権は一部の例外を除いて、可分債権(数量的に分けられる債権)として、相続発生と同時に各相続人に各相続分に応じて帰属するという理屈で、遺産分割の対象となっていませんでした。

そのため、以前のコラムにて、
遺産分割調停において相続人の誰かが預貯金を遺産分割の対象に含めないと主張した場合、当該預金が遺産分割の対象とならないこと(郵便局の定額貯金だけは別扱いとの判例がありました)、
そしてそれは不公平であること(特に特別受益があるかつ遺産のうち預貯金がほとんどの場合)
を投稿させていただきました。
例えば息子が生前贈与をたくさんもらって遺産はわずかな預貯金のみという場合、預金は遺産分割の対象から外れるので、特別受益たる生前贈与を遺産分割に反映できなかったのです。
 
最高裁判所もその不公平な点を無視できなかったのでしょう、頑張った方あるいは弁護士がいたからこそですが。
大法廷で従前の扱いを覆す判断が出ました。

預貯金債権は相続によって共同相続に間で当然に分割はされず、遺産分割の対象となることになりました。
なかなかコラムを書く時間がなくて判例紹介が遅くなりましたが、紹介させていただきます(本年は反省して書いていこうと思っております)。
 
これで遺産分割が公平になったのだろうと思います(実際の案件でも困ったことがありました)。

実務上、影響が大きい判例変更です。

一方で問題もあります。
これまで金融機関は遺産分割前でも相続分に応じた払い戻し請求に応じてきました。
金融機関が仮に応じなくとも、訴訟をすれば請求が認められてきました。
しかし、預貯金が遺産分割の対象となるのであれば、金融機関も相続分が決まらない遺産分割未了の段階での払い戻しには応じなくなりますね。
その点での不便さは出てくることになろうかと思います。 
※ 後に、民法改正により一部払い戻し制度が創設されました。

ただ、早期に遺産分割をしないと預貯金も下ろせないので、相続問題を早期に片付ける契機になる点は間違いないと思います。

なお、判例変更は、預貯金債権のみについてです。
他の可分債権(例えば貸付金など)は、これまでどおり遺産分割の対象外とされるのでしょう。
 
たびたびお話しておりますが、家事事件と言われる相続・離婚は本やインターネットを見て簡単に結論を出すことはできない論点が意外に多い分野です。
弁護士とよくご相談されて進めてください。
 
遺言、相続、遺留分減殺等相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。
 
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養子縁組の解消の方法 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

養子縁組の解消のお話をします。

相続対策に絡んだ養子縁組の解消のご相談も珍しくはありません。
養子に遺産が渡る、あるいは遺留分の権利が残ることを避けたい場合ですね。
 

実子の配偶者と養子縁組をしたが実子と配偶者が離婚あるいは離婚前提の別居してしまった、
配偶者の連れ子と養子縁組をしたが配偶者と死別して以来交流がまったくない、
実子がいないため親族と養子縁組を行ったが交流がない
等の場合に養子縁組の解消をお考えになるようです。


養子縁組の解消についての養子の同意があれば簡単です。
届出を出せばいいだけですね。

問題は同意を取り付けられない場合です。
これは裁判所に話を持っていくしかありません。
調停を経て合意ができなければ訴訟を提起するという流れになります。
 

交流が途絶えた養子と養親子関係を維持する必要はないと思われるのは当然です。
しかし、一方で、養子縁組をして子にしておきながら気が変われば解消できるのでは養子も納得できないことになります。
 

実務では、形骸化している養親子関係は最終的には解消される方向で決着がつきます。
勿論、形骸化していない等の特別の事情がある場合には解消自体が認められません。

具体的な事情に応じて、養子から一定の金銭の支払いを求められ、それを支払うことで縁組解消が認められるケースも珍しくはありません。言い方は悪いですが、一種の手切れ金が必要と言えるかもしれません。


養子縁組解消のために調停、裁判をしていくと時間がかなりかかってしまいます。
養子縁組の解消を求めながら、裁判が終わらないうちに残念ながら亡くなってしまった方もいらっしゃいました。そうすると養子は相続人のままです。遺言を書いても、遺留分の権利はあります。
縁組解消をお考えの方はお早めにご相談されることをお勧めします。
早期解決のために一定の解決金を払うということも考えられる方策ですね。

なお、相続が発生した場合の養子縁組の効力を争うのは大変です。
養子縁組無効確認訴訟を提起することになるでしょう。
遺産分割調停の前提問題として争われることがあります。
無効とされるのは縁組意思がなかったと認められるレアケースに限られます。
 

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婚姻費用における未成熟子とは [離婚問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

婚姻費用における未成熟子のお話です。


離婚の際に問題となる婚姻費用とは、「夫婦とその間の未成熟子が通常の婚姻共同生活を営む上で必要な一切の費用」です。
収入が多い方の配偶者は、離婚するまでは配偶者と子供の生活費も一定額負担しないといけません。
婚姻費用分担請求は、離婚調停と同時に婚姻費用にかかる調停を申し立てることが多いです。


なお、離婚したら、養育費だけの問題となります。

婚までは配偶者と子の生活費補填、離婚後は子だけの生活費補填となり、通常は、
婚姻費用養育費
となります。

ところで、婚姻費用の分担の対象となる未成熟子とは、「経済的に自ら独立して自己の生活費を獲得すべき時期の前段階にあって未だ社会的に独立人として期待されていない年齢にある子」と表現されるようです。

未成年ではないのです。未成熟子であることにご注意ください。

どのような場合に成年の子が未成熟子として婚姻費用分担の問題、すなわち離婚の問題として解決されるのでしょうか。よく問題となるのが、成年に達した大学生、大学院生、留学生の学費や生活費、仕送り費用をどう負担していくのかという場合です。


婚姻費用あるいは養育費の終期、婚姻費用分担あるいは養育費に関する算定表との関係で上乗せがどこまでできるのかといったような問題として争いになります。

基本的には成人であれば婚姻費用とは関係なくなります(夫婦間の問題ではなく、子と親の扶養義務の話になります)。

現在学生である子は成年していても未成熟子とみられる可能性が高いと言えましょう。
しかし、明確な年齢基準はなく、また学費等の負担については進学時の事情等も考慮されます。
「この場合はこうです」と簡単に説明できることではありません。ケースバイケースの判断になってしまいます。

なお、子がまだ小さい場合の婚姻費用あるいは養育費の終期という点では、審判では基本的には20歳までです。大学進学が予定されていると明らかな場合等には例外的に22歳ということもありますが、あくまでも例外だと思ってください。
大学進学費用等は、特別の費用として将来また決着をつけないといけない話になるでしょう。
勿論、合意であればどのようにでも決められます。

例えば、子2人で一人が成年の大学生である場合は婚姻費用をどう決めるのでしょうか。

権利者である配偶者と未成年の子、成人の未成熟子(大学生等)、義務者である配偶者の3グループに分けて、基礎収入、生活指数等を計算して、あるべき婚姻費用を考えることが経験上多いです。
権利者である配偶者、未成年の子、成年の未成熟子3人と義務者である配偶者の2グループには分けて考えない傾向ですね。
成年の未成熟子については、必要生活等を計算し、実際の学費の負担状況を見ながら、婚姻費用金額に反映させる(あるいはそれ以上学費を負担しているから婚姻費用には反映しない)とするケースが多いと思います。


算定表を見れば済む典型例なら別ですが、そうではない婚姻費用養育費を計算するのはけっこう難しいことです。


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婚姻費用分担金額、養育費金額の変更はできるか [離婚問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

離婚の話です。
 

離婚係争中(別居中)の婚姻費用金額、離婚後の養育費について、一度決めた金額を変更できるのでしょうか。

もちろん、一旦決めた金額を一方が自由に変更することはできません。
 

婚姻費用養育費は、それを決めたときに存在した事情、あるいは予測できた事情を基に金額を合意(協議離婚あるいは離婚調停・婚姻費用分担調停で決まったとき)ないし決定(婚姻費用分担の審判、離婚訴訟で決まったとき)されています。
 

金額を決めた後に決める時には予測できなかった事情が発生すれば、当然として変更を行う必要が出てきますね。
元配偶者双方とも収入が増減することはよくありますし、被扶養者や扶養者が増えるときもあります。
様々な基礎事情が変更することは珍しくはありません。
 

事情の変更により従前の約束や調停、審判結果を維持するのが不公平となった場合には、金額を増減することができ、そのための調停、審判手続が用意されています。婚姻費用の増額・減額、養育費の増額・減額の調停・審判ですね。
 

事情の変更としてよく主張されることは、収入の増減、被扶養者の増加(子の誕生)ですが、限定はされていません。

勿論、事情の変更があったら自動的に変更されるわけではないです。

事情の変更があったことは前提として、現在の婚姻費用養育費を維持することが当事者の公平を害することが必要です。
単純に双方の収入状況が変わったから変更してくれるわけではないのです。
減額調停あるいは増額調停時の状況により改めて相当な養育費婚姻費用を算定するというイメージではありません。いったん決めた金額を維持するのが公平を害するかどうかの判断がなされます。
増減金額も具体的な状況によります。その時点での算定表所定の金額になるというわけでもありません。

再婚等により被扶養者の数が増えた、あるいは扶養者が増えた場合を除いて、簡単には変更してくれるわけではありませんが、具体的な経済状況等も説明して変更してもらった例も勿論あります。

なお、事実上の話ですが、合意や調停で決めた婚姻費用養育費は、審判・訴訟で決めたそれらよりも変更し難いと言われています。同意により決めたのであれば、同意に至る様々な事情が考慮されてしまうからです。
一概にそうと言い切れる話ではないですが。

養育費婚姻費用が多すぎる、あるいは少なすぎると感じられたなら、何か前提とされた事情が変更しているはずです。
法的にどのように主張を組み立てて増減ができるのかを、専門家とご相談ください。

 

離婚婚姻費用養育費財産分与慰謝料請求等、離婚問題のサポートはなかた法律事務所にご用命を。
 

広島の弁護士 仲田 誠一
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顧問弁護士のご活用をされてみませんか [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

今回は、顧問弁護士の活用のお話をさせていただきます。

顧問契約を弁護士とされている中小企業は少ないかもしれません。
 
「法的なトラブル・問題が生じたら個別に弁護士に相談すればいい」と考えられる企業さんもあるでしょう。
また、「うちには法律問題が頻繁に生じるわけではないから必要ない」という企業さんも多いでしょう。
 
確かに、個別の法律問題に相談、対処してもらうだけの弁護士ならわざわざ顧問契約を締結する必要はないかもしれません。
 
もっとも、その場合でも、顧問弁護士がいると、すぐに相談できる、すぐに対処してもらえる、安く対処してもらえるというメリットは当然あります。
 
しかし、顧問弁護士は個別の法律問題を処理するだけが仕事ではありません。

中小企業は一つでもリスクが顕在化すると経営継続に危険をもたらします。
大きな契約1つでもトラブルが発生すると、資金繰りが破綻してしまいます。

リスクは顕在化してから対処するのでは不十分であり、予めリスクの発生を防ぐ必要があります。

中小企業にとってリスクの回避、排除は必須です。
顧問弁護士は、企業に寄り添って、法的なリスクを予防的に下げることが大事な仕事なのです。
 
社長様が気づかない潜在的な問題点は多々存在します、しかも中には企業の存立に影響を及ぼしかねないリスクもあります。「これまで何もなかったからいい。」ではなく、日々顧問弁護士に相談等をすることで「これからも何もないようにする。」ことが必要があります。

企業には法的な問題点が、社長様が考えられるより多く存在します。
リスクは法律を通じて顕在化します。法律的な観点からのチェックが必須です。
できれば、個々の問題に対処するだけではなく、定款、就業規則、賃金体系、契約関係等々の見直しから行うべきです。
また、日頃からいろいろな相談をする中で、一つ一つリスクを潰していくことが大事でしょう。
 
また、企業には必ずイノベーションが必要です。企業自体に寿命があるのはご存知でしょう。
寿命に至らずとも、組織の硬直化、営業の硬直化により、外部環境への対応が遅れる、内部環境が悪化するということは特別なことではありません。
再生企業に陥るケースはほとんどイノベーションに後れた企業です。
 社長様は、お立場上、周りにイノベーションを提案するブレーンを作ることは難しいものです。
意識せずともイノベーションが遅れてしまいがちです。
組織、体制、労務管理等々のイノベーションについても、法律の仕組みを活用しなければいけない場面が多いです。
そのため、社長様には、是非、顧問弁護士等の専門家のブレーンを用意し、それを活用しながら本業に邁進していただきたいと思います。
やはり日頃から様々な相談をするのがいいのではないでしょうか。
もちろん、アドバイスが必要なのは純法律的な問題だけではありません。
 
さらに、顧問契約のコストはお考えになるよりも低廉なケースが多いです。
予想される事務量等にもよりますが、月3万円から、ぐらいが相場でしょうか。
定額のコストを支払って本業に邁進していく、決して無駄なコストではないと思います。
 
ただし、顧問弁護士には、企業のことがわかる、金融のことがわかる、数字がわかる等、典型的な従前の弁護士と異なった資質が要求されるでしょう。
法律だけしか知らないという弁護士であれば対応できませんね。用心棒的な顧問弁護士しかできません。
 
当職も、銀行勤務経験、内部統制の資格等の企業法務、金融知識、会計知識のストックとは別に、様々な企業さんとの勉強会、研究会、セミナー等を担当しあるいはそれらに参加することにより企業のことをよりよく知り、法科大学院にて税法の講師を担当して税務知識も蓄え、あるいは他士業との連携を深めてワンストップサービスの提供に努めるなどし、企業の皆様の多様なニーズに対応できるよう準備をしております。
 
なお、蛇足ですが、顧問弁護士は、企業様の方から積極的に活用してください。
案件を多く抱える弁護士が能動的に日々のモニタリングを行うことはなかなか困難です。
声をかけていただければ、勿論最優先で検討するでしょう。
企業が能動的に何事でも相談する、その中で弁護士に考えてもらう。という風にしないと、名ばかりの顧問弁護士になってしまいがちですので、ご注意ください。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602

 

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