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コラム

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自己破産等の申立て直前の財産処分 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、自己破産、個人再生(法人の民事再生)で問題となり得る申立て直前の財産処分についてお話します。

 

破産や個人再生等をする場合には、様々な理由で処分行為を行うことがあります。身辺整理も必要ですからね(特に、法人破産の場合には、いつもどこまで処分をして整理するか悩みます)。
処分行為の中には自己破産等手続の中で問題視されることもあります。今回はそのようなお話です。

 

直前の財産処分が問題となるのは、否認対象行為かどうか(個人再生において否認相当行為として清算価値に処分した財産が計上されるのか)、あるいは個人破産における免責不許可事由に該当するか、という点になります。
不当に廉価な財産処分をして贈与行為、財産逸失行為に該当しないか、費消しやすい財産に形を変えて費消し財産逸失行為をしたのではないか、特定の債権者に対する弁済行為になっていないかなどが問題となります。

 

贈与行為等無償行為、偏波弁済(特定の債権者だけに対する弁済)行為は、基本的に、否認対象行為あるいは免責不許可事由になります。
できるだけ避けなければなりません。

贈与行為でよく問題になるのは交際相手への贈与、偏頗弁済でよく問題になるのが親族への弁済ですね(よくあるので気を付けてください)。

なお、偏波弁済では、給与天引きの弁済も問題となります。弁護士が受任通知を送っても破産開始決定等がないと天引きを止めないケースが結構あります。
本来は否認対象行為になり破産管財人から弁済額の返還請求をされるのですが(実際に破産管財人として請求をしたこともあります)、理屈上は偏波弁済行為に当たり得るのです。

 

勿論、贈与行為でも、扶養義務者の被扶養者に対する扶養義務履行行為とみられる行為は大丈夫です。程度問題です。

 

不動産の処分はよくお手伝いします。

自己破産申立費用を捻出するための売却、抵当権者に促されて行う任意売却のケースが多いでしょうか。

中には、なんとか不動産を残したいということで、親族間で売買をすることもあります。

積極的に問題がない行為ですとは申し上げられない行為ですが、処分行為があったこと自体で、即、管財事件になったり、あるいは免責不許可事由、否認対象行為となったりするわけではありません。

妥当な内容の売買で、かつ金銭の管理・費消も妥当であると認められれば問題はありません。裁判所に必ず妥当性を確認されますので、できれば弁護士が関与した方がいいです。

適正な売買価格かどうか、

売買代金を破産者が受け取る場合にはどの金銭をどのように管理するか(弁護士が管理した方がベターです)、

何に費消していくら残っているのか、

などをきちんと説明できなければいけません。

なお、換価した結果の金銭の費消は、弁護士費用、申立て費用、必要最小限度の生活費などに対するものが許されます。自由に使っていいわけではありません。

 

車の処分もありますね。

駐車場や税金の問題で維持できないケースが典型でしょうか。
こちらも適正価格か、売買代金額の管理が肝要です。売却する前に車検証の写しを取っておくこと、走行距離等車の状態を写真に残しておくこと、できれば査定書を取っておくことも大事です。

中には、なんとか車を残したので親族間で売買をするということもあります。

単純な売買や、所有権留保債権者から名義変更を受ける形での売買もあります。

車の処分も裁判所に妥当性を確認されます。説明が必要なので、弁護士に相談しながら進めた方がいいでしょう。

なお、管財事件にならないために車を現金化するという目的(現金化すると同時廃止・管財事件の振り分け基準によると同時廃止の可能性が高まり得る。)もある場合もあるかもしれません。
必ず突っ込まれる行為なので、それで大丈夫とはなかなか申し上げられません。きちんとした理由の説明が必要でしょう。

 

車に限らず、直前の現金化は、管財事件になるかどうかの基準の適用如何は別に措いても、財産の性質をもともとの財産として見て自由財産拡張対象の判断を行われるリスクがあります(そもそも自由財産拡張対象財産して認められない財産を現金化しても現金として見ずにもともとの財産の形で残っていると仮定して自由財産拡張対象から外されるリスク)。ご注意ください。

 

保険の解約、保険契約者貸付も最近よく見ます。

こちらは少なくとも広島ではある程度許されているようです。管財事件にならないよう保険解約返戻金を減らして、現金を多くするということです。
保険の財産評価は解約返戻金額で行うのですが、契約者貸付を受けているとその額を控除した金額になります。

 

財産処分のお話をしてきましたが、具体的に当該財産の処分をする方がいいのかどうか、する場合の妥当性を保つにはどうしたらいいかの判断は、ケースバイケースで行う必要があります。
一概にこのような行為はよいと判断することができず、処分の必要性と考えられるリスクを考量して判断しなければいけません。

 

お早めに弁護士に相談し、計画的に物事を進めることをお薦めします。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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個人再生のお話 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、個人再生のことを改めてまとめたいと思います。

個人再生は、少し理解がしづらいこともあって、制度自体の質問をよく受けます。

 

【個人再生とは】

簡単に説明しますね。

個人再生とは、裁判所から認可された再生計画に基づいて、原則3年間(最長5年間)で一定の債務を弁済し(計画弁済額)、弁済し終わったところでその余の債務の免責を受けられる手続です。

元金カットが想定できない任意整理と、債務弁済責任を全て免れる自己破産との、中間的な効果のある制度だと思ってください。

 

【支払不能のおそれ】

個人再生は、支払不能のおそれが要件になります。おそれなので、ある程度の債務があればここが問題となることはありません。これに対して破産は支払不能が要件ですね。

支払不能というのは、期限の到来した債務を一般的・継続的に弁済できない状態をいいます。弁護士が受任通知を出せば期限の利益は喪失されそれら債務の弁済期が到来します。債務整理を受任する場合には、支払不能か支払不能のおそれは通常認められるわけです。

 

【どのようなときに個人再生手続を選択するか】

大きなくくりで5つ挙げられます。

 

1 支払不能の要件を満たさない場合

債務の額と収入の兼ね合いによります。自己破産ができないから個人再生を利用するという例です。この観点から個人再生を選択する例はあまりありません。

 

2 住宅ローン付の自宅を維持したい場合

自己破産では住宅ローン付自宅を維持することはできません(残す方策が取れるケースは少ないです)。個人再生では住宅資金特別条項(所謂住宅ローン特則)を利用すれば、住宅ローンの支払いを継続して自宅を維持しながら、他の債務の整理ができます。

個人再生の利用はこのケースが一番多いですかね。

ただし、別のコラムで詳細は説明しましたが、住宅資金特別条項はどんなときでも利用できるわけではなく、条件があります。自宅の登記簿謄本とローンの契約書をお持ちになって弁護士に相談してください。

 

3 免責不許可事由の程度が重い場合

免責不許可事由の程度が重い場合も個人再生を利用する典型的な例です。

自己破産には免責不許可事由があります。ギャンブル、浪費などですね。最近相談が多いのがショッピング枠の現金化でしょうか。

そのような問題行動の程度が重いと思われる場合には管財事件の扱いとなる可能性が高まります。最終的に免責不許可決定が出る例は稀ですが、手続が煩雑となり、申立費用は嵩みます。これに対し、個人再生では、免責不許可事由はありませんし、個人再生委員が選任されて予納金が高額化する可能性も小さいです。

そのため、免責不許可事由の程度が相応に高いと考えられるケースでは、自己破産を選択するか個人再生を選択するか検討をしてもらっています。

 

4 資格制限に該当する場合

自己破産には保険外交員、警備員など、破産手続中に付けない職業が限定して規定されています。資格制限にひっかかってしまうケースでは、そのような資格制限のない個人再生を利用して債務を整理することもありますね。

 

5 個人再生を望まれる場合

このケースも少なくはありません。依頼者さんが可能な限り債権者さんに支払いたいと希望されるケースですね。

 

【個人再生の種類】

これを説明すると長くなりますので簡単に。

個人再生には、給与所得者等再生と小規模個人再生の2つがあります。

小規模個人再生を利用することが多いです。なぜなら給与所得者等再生よりも返済額が少なくて済むケースがほとんどだからです。

個人再生は計画弁済額が重要です。いくら弁済してその余を免責してもらうかの話です。

小規模個人再生での最低弁済額のルールは、

1 債務額の5分の1(と100万円の大きい方)

2 清算価値

の大きい方となります。

弁済額は最低100万円ですね。それを原則3年で弁済します。

債務が500万円超ある場合には、最低弁済額は債務額に応じて増えるわけです。

ここで債務とは遅延損害金も含む債務と思ってください、申立てが遅くなると最低弁済額も増えるケースにご注意を。

一方で、財産が100万円あるいは債務の5分の1より多いと評価される場合にはその財産評価額(正確には清算価値)以上の弁済を計画しないといけません(清算価値保障原則)。ただし、自己破産における自由財産拡張対象と認められる財産の額は清算価値から控除できます。清算価値が自由財産拡張対象と認められる金額を削っても150万円の評価額があれば、債務が400万円(この場合は100万円が最低弁済額)であっても100万円ではなく150万円を弁済します。

これに対し、給与所得者等再生は、最低弁済額を算出する計算式が定められています。収入から必要生活費を差し引く計算なのですが、必要生活費は固定的に定められているため、収入が割合あると思ったより最低弁済額が大きくなることが多いです。

 

【個人再生で注意をしておいた方がいいこと】

1 継続収入がないと個人再生は選択できません。

勿論、派遣や定期雇用でも、途切れなく稼働されている場合は使えます。

年金収入でも使えないことはありません。

ただし、給与所得者等再生は安定的な収入をより厳格に吟味されます。

 

2 先ほども述べましたが、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)が使えないケースもあります。その際には、別の方策を弁護士が捻りださないといけません。

 

3 小規模個人再生の場合、債権者の頭数、あるいは債権額の過半数の債権者が反対をすると再生計画が認可されません。債権者が1社のみ、あるいは過半数を占める債権者がいるなどの場合は小規模個人再生の選択に躊躇します。通常は反対されないのですが、最近反対意見を出す債権者が増えてきたような気がします。名前は出しませんがショッピングサイト系とかです。昔は反対されても政府系金融機関ぐらいでしたが。

反対されて再生計画が認可されなかった場合、自己破産か給与所得者等再生を申立てし直します。実際にそのような経験があります。

なお、給与所得者等再生は債権者の意見は関係なく裁判所が認めればいいのですが、上述のように要件効果が厳しいところです。

 

4 破産での否認対象行為(申し立て直前の贈与行為などですね)がある場合には、否認された際に破産管財人が取り戻すべき財産の額を、清算価値に計上することになっております。清算価値が上がると最低弁済額が大きくなりますね。

免責不許可事由の程度が大きいために個人再生を利用するケースでは、否認対象行為にもなるケースがあります。その場合には弁済額がどれくらいになるのかをよく吟味しないといけませんね。

 

【個人再生委員が選任される場合】

自己破産であれば管財事件の可能性がある場合に個人再生を選択する可能性があることも述べました。

ただし、個人再生でも、個人再生委員が選任された場合には、高額の予納金が必要になります。20万円がスタンダードでしょう。

どのような場合に個人再生委員が選任されるかですが、弁護士が代理人についているケースでは、特に財産調査や否認対象行為の判断が必要とされない限り、個人再生委員が選任されることはないでしょう。弁護士が代理人としてきちんと説明するためです。これに対し、個人申立て(司法書士書類作成代理の場合も含め)の場合には。事実上、個人再生委員が選任される可能性が高まる傾向にあります。

 

個人再生の話は尽きませんが、長くなりました。今回はこの程度にさせていただきます。

                   

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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自己破産と相続、離婚 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

【初めに】                         

債務整理のうち自己破産と相続、離婚との関係です。

前にも説明はさせていただいたことがありますが、最近何件か自己破産と相続、離婚が関係する案件をお手伝いしたので、改めてお話しようと思う次第です。

自己破産のお話をしますが、勿論個人再生もパラレルに考えられます。
否認という問題は直接には出てきませんが、清算価値の関係で個人再生も同じように考えればいいことになります。

 

【自己破産と相続】

自己破産の申立て時には、相続の有無の報告をしないといけません。
広島ではご両親がなくなっている場合には必ず報告を求められています。

 未分割遺産の報告漏れが多かったからです。

未分割遺産については、相続分に応じた持ち分が財産として評価されるのが原則です。
それが不動産であれば、即管財事件になることが基本です。
他の財産である場合には、その評価額次第で管財事件になるかが決まります。

 

未分割遺産がある場合に破産管財人がどうするかというと、基本的には他の共同相続人に持ち分の買い取りをお願いする、あるいは共同で売却・解約し換価することを要請します。
他の共同相続人がそれに応じない場合は困りますね。破産手続が進みません。持ち分のみを市中で売却することは困難です。
また、破産管財人が遺産分割協議をしてその後に共有物分割請求を行えるかどうかは議論があります。そもそも時間もかかります。破産管財人からは他の共同相続人に粘り強く協力要請が来るでしょう。

 

例外もあります。未分割遺産(多く場合は田舎の不動産でしょう)の売却可能性が乏しく財産価値があると評価できないケースです。
そういう場合は、きちんと説明をすれば、管財事件にならず、同時廃止事件として処理してくれる例も何件か経験しています。

 

田舎の不動産で、遺産の分け方は跡取りあるいは母が相続することが決まっていたが、相続登記をするのが面倒かつ費用がかかるということで、相続登記をしていないケースもあり得ます。
対抗要件に登記が必要という点を除けば、理屈上は他の相続人が受け継ぐことに合意した破産者の財産ではないですね。
価値がない、あるいは小さいケースでは、既に遺産分割は終了しており破産者の財産ではないと認めてくれるケースもあります。
ただし、価値が相応にある不動産の場合には裁判所の対応も厳しいでしょう。経験上、未分割遺産があるケースではそもそも価値がない不動産であることがほとんどです。その場合、遺産分割が終了しているという理由で同時廃止になるのではなく、価値がないという理由で同時廃止を認めてくれる傾向があると感じています。価値がある不動産の場合にはハードルが高いかもしれません。

 

いずれにせよ、戸籍、相続関係図、登記、固定資産税評価証明書、写真、査定書(取れないならその事情を説明)、他の相続人の事情説明書などを揃えて申立てをすることになります。

 

経済的危機状態あるいは破産申立て直前の遺産分割あるいは相続放棄ということもあります。最近も何件かお手伝いしました。
経済的危機状態あるいは破産申立て直前の場合は、否認対象行為になるかという問題が出てきます。破産管財人は、一定の要件の下で、支払不能状態等での財産散逸行為、無償行為等の効力を否定し、財産を取り戻すことができるのです。

 

相続放棄は破産直前であっても基本的に大丈夫です。財産処分行為ではなく、身分行為だからという理由です。裁判所に突っ込まれたことはありません。

 

遺産分割は、相当な内容だと大丈夫ですが、不相当な内容であると(正当な理由がなく破産者の取り分を少なくする内容であると)、否認の対象となります。必ず説明を求められるため、合理的な説明を用意しておかなければいけません。

 

【自己破産と離婚】

離婚自体は自己破産申し立ての有無は関係ないです。
離婚を自己破産後まで待つ必要はありません。

 

破産申立て直前の離婚時給付と否認の問題があります。
離婚時給付というと、財産分与慰謝料ですね。養育費はあまり問題視されることはありません。
理屈上は相当の財産分与慰謝料
OKです。不相当な部分は否認の対象となります。
この相当性という説明が問題です。必ず突っ込まれるところなので、説明は慎重に期します。
自己破産をお手伝いするときは、相当性のある財産分与等の組立てをします。慰謝料については原因の証拠も提出することが多いです。

 

離婚時給付を分割でお支払いされているケースもあります。
財産分与の分割払いを見たことがありますが、これは破産債権として免責の対象になってしまいますね。慰謝料は内容によりますが、非免責債権として扱うことも可能です。

 

今回のお話はここまでとなります。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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自己破産に必要な費用 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、自己破産に必要な費用をご説明しようと思います。弁護士費用と裁判所に納める費用ですね。

 

まずは弁護士費用です。

 

弁護士に自己破産申立て代理を委任するならば弁護士費用が必要ですね。

個人申立て(司法書士関与も含めて)もあります。
基本的には弁護士に依頼した方がいいでしょう。それにより後にお話しする管財事件になる可能性が小さくなりますし、破産管財人を経験することにより手続に精通している弁護士に依頼する方がスムーズに事が進みます(破産管財人の経験がないと破産手続に精通はできません)。
勿論、すべての手続に代理人として同席できる弁護士がいた方が気持ち的にも安心でしょう。

 

弁護士費用は弁護士によっても案件によっても異なります。WEBページに事務所の費用目安が記載しています。

当事務所は25万円プラス消費税の金額を掲げています。広島では安い事務所だと言われたことが何度かあります。

勿論、安ければいいというわけではないです。自己破産に関する疑問をすぐに解消してくれ、問題点等を的確に指摘してくれる弁護士に依頼してくださいね。

 

弁護士費用を一度でお支払いできない場合には、通常、分割でお支払いいただく等の便宜を図ってくれます。弁
護士が受任すると債権者に受任通知を出し支払いを停止します、支払停止中に費用を用意していただくわけです。ボーナスで調整するという方も多いです。

勿論、個人事業主で手間がかなりかかる場合や、自由財産拡張対象可能範囲内に財産が収まらない場合には、もう少しいただくこともあります。
管財事件になるからといって自動的に金額を上げることはしていません。

弁護士費用のいただき方は、その方に応じて決めるしかありません。皆さんご事情が異なりますからね。依頼される弁護士とよく話し合ってください(時々、費用が払えないから弁護士に辞任されたと当職に改めて依頼される方もいらっしゃいます。支払可能な約束をしないといけません)。

ちなみに、個人再生も基本的には自己破産と同じ金額にしています。こちらも安いと言われますが・・・

 

法テラスの民事法律扶助制度を利用される方は、そちらで承ります。

法テラスの民事法律扶助とは、一定の資力要件を満たせば、弁護士費用を立て替えてくれ、立替金を5000円からの分割で償還できる制度です。

個人の自己破産の場合には、こちらを使われる方が多いです。費用が安いですから。債権者数によって金額が決まっているのですが、152,600円からです。
夫婦の同時申し立ての場合には夫婦割引もあります(夫婦でなくとも同一世帯である場合には夫婦割引と同じ扱いをする例もあります)。

ただ、弁護士費用を支払ってもらうことによって財産を少なくしておいた方が管財事件にならずトータルの支出が安くなる場合もありますのでご注意を。
また、法テラスを利用する場合には、すぐに弁護士が受任することができません。まずは法テラスへの申請に必要な書類を持って来ていただき、弁護士が申請書を作成して提出し、審査を経てから契約書をもらうため、通常2週間前後は受任が遅れます。早く受任通知を送ってもらって督促を止めたい場合には弁護士に相談しないといけません。

生活保護を受給されている方は、さらに使い勝手がいい制度になっております。
生活保護受給者は、法テラスへの償還が事件終了まで猶予されます。終了時にも生活保護を受給していた場合には償還の免除申請をすれば免除されます。おまけに官報代や管財事件になった場合の予納金まで法テラスの援助を受けることができます。自己破産の費用がほとんどかからないのです。

なお、免除申請には時間がかかります。それまでに生活保護受給者で亡くなった場合には償還をお願いされるケースも耳にしております。

 

次は裁判所の費用ですね。

自己破産には、同時廃止事件と管財事件があります。

破産法上は、管財事件が原則ですが、個人破産の場合には、割合的には同時廃止事件の方が多いです。
広島本庁では同時廃止が6割強から7割弱でしょうか。

 

同時廃止事件は、管財人が選任されない破産手続です。
その場合の費用は、官報掲載のための予納金と、債権者の数に応じた郵券(切手代)になります。

通常は15000円あれば足りるでしょう。

なお、個人再生の場合は30000円を用意してもらっています。

 

管財事件は多額の予納金が必要です。
なぜ多額の予納金が必要かというと、裁判所から選任される破産管財人に対する報酬を裁判所が支払わないといけないためです。

広島では、20万円(免責不許可事由が重大な場合の免責調査型管財事件や退職金の評価などが単純に基準を超えている場合)から30万円(不動産がある場合)がスタンダードです。

予納金は、申立時に用意しておくのが原則です。そのため、予納金の用意のために申立てが遅くなる例もあります。事実上数か月は待ってくれる場合もありますが、その間は破産開始決定が出されずに中途半端な状態が続きます。売却・解約できる資産を売却・解約して費用を捻出してもらうこともあります。

なお、個人再生において個人再生委員が選任される場合(こちらも弁護士が選任されます)の予納金は20万円がスタンダードかなと思います。

 

財事件になるケースが増えてきたように思います。
広島本庁では、現預金は50万円、その他各財産項目の評価額が20万円という基準があり(なお、価値が明らかに乏しい不動産以外の不動産がある場合には無条件に管財事件です)、退職金(現在自己都合退職をした場合の退職金支給見込額の原則8分の1が財産として評価されます。)や保険解約返戻金でひっかかるケースがあります。
5年以内に会社経営あるいは個人事業をしている方も管財事件になります。

申立時には、管財事件の扱いを受けないような方策を許される限りで工夫しているところです。

自己破産の費用面で心配をなされている方は、費用も含めて弁護士によくご相談くださいね。

 

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家計収支表の作り方など [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、自己破産、個人再生では、家計収支表の裁判所への提出が必要です。
広島では、自己破産では申立て直近2か月分、個人再生では直近3カ月分です(個人再生の場合には通常申立後も再生計画提出まで作成して提出します)。

家計収支表は、家計簿を月単位でまとめたものです。

 

家計収支表はなんのために提出するのか?

自己破産、個人再生の目的は、経済的更生です。経済的に立ち直るための制度です。そのために債権者の財産権を奪う制度が正当化されるのです。
そのため、家計収支表を経済的更生が図られるのかという観点で見られます。単月収支が赤字の場合には、自己破産、免責決定によって本当に経済的更生が図られるのかが吟味されます。

また、免責不許可事由(浪費等)のチェックにも利用されます。支出金額が大きい項目については内訳等を聞かれることがあります。個人再生の場合は弁済計画の履行可能性を見られることになります。
さらに、財産に報告漏れがないか、債務の計上漏れがないかのチェックにも利用されます。
加えて、破産の要件である支払不能状態、個人再生の要件の支払不能状態への危険の確認にも使われます。

 

なお、家計収支表は、家計を見つめなおしていただくツールとしての機能もあるでしょう。自己破産や個人再生に至る方の中には、家計管理が杜撰であった点が否めない方もいらっしゃいます。家計収支表を作成すると、自分が何にいくら使っており、毎月これだけの支出があるということに気付きます(依頼者の方にも毎月こんなにお金がかかっているんだと反省される方が多いです)。家計収支表を見ながら、さらに、この点は使い過ぎだ、ここを改善しようと考えることができますね。
このように、自己破産、免責決定後あるいは個人再生計画認可後の経済的更生のために家計管理を見つめなおしていただく意味も大きいです。免責あるいは個人再生計画認可を得られたら5年あるいは10年金融機関の審査が通りません。収入の範囲内で堅実に生活していただかなければなりません。

 

家計収支表には家族の誰まで入れるのか?

同居の親族の収入と支出をどこまで入れるかの問題です。同居の親族の収入証明資料は必要書類に入っていますが、支出を把握することが難しい場合もありますね。

同居の親族分の収支は、基本的に記載することになります。同居をしていたら通常は家計が一緒ですからね。家計が一緒とは財布が一緒といってもいいです。

ただ、いざ作成しようと思うと悩みます。

ケースバイケースの判断になるのですが、説明ができるように記載するということになります。説明がきちんとつけばどのように記載しても書き直せとは言われません。

財布が完全に別の場合には、単独の家計収支表を作成することもあります。

家計は別であるが、お金の授受(家賃代わりの〇万円など、援助など)がある場合には、それだけ家計収支表に組み入れて作成するということもあります。

どういう風に作成するのかは、自己破産申立て準備の前に弁護士と相談しておいた方がいいですね。

 

金額をどこまで正確に書くのか?

食費などいちいち記録することが難しいものは60,000円等丸まった数字(ラウンドナンバー)で記載しても問題ありません。

これに対し、公共料金など通帳あるいは領収書を保管していれば正確な金額が記入できるものは正確に記入してもらいます。通帳や公共料金の領収書は提出書類にもなります。

なお、あくまでもお金(通帳も含めて)の動きの報告です。水道料金、年金、児童手当など〇カ月に1回支出あるいは収入があるものは、該当月に支出額あるいは収入額(入金額)をそのまま書きます。月平均で書くわけではありません。給料は手取り額(入金額)を記載します。

後から作成するのは面倒くさいですので、少なくとも準備期間中は家計簿を作成することをお勧めしております。

 

その他注意点は?

電話代は抑えるようにお願いしております。金額が高いと、利用明細などの提出を要求され支払の内訳を確認される可能性があります。1台当たり1万円をちょっと出るくらいなら何も言われませんが、3万円とかであると裁判所から補正連絡が来ます。その際に端末料金の割賦払いが入っていると、それは債務なのではないのかと突っ込まれ、破産債権者として扱えと言われたら困ります。

 

保険料は契約者名義を記載することになっております。同居の親族契約の保険料が載っていると(あれば載せないといけないのですが)、保険証券を確認したいから提出しろと言われることがあります。ガソリン代も同様ですね。車両名義を記載することになっております。こちらは親族所有車両かどうか確認するために、ほぼ確実に車検証の提出を求められるので、最初から出すようにしています。

 

駐車場代を記載する場合、駐車場を借りているのであれば、賃貸借契約書が提出書類になります。お気を付けください。

 

交際費、娯楽費については、その内容を弁護士に説明できるようにしておいてください。内容の記載あるいは説明が求められます。

 

返済欄については、受任通知後にご自身の債務の返済があったらおかしいことになります。必ず突っ込まれると思ってください。同居人の返済の記載がある場合も、同居人の債務額を聞かれることが多いです。

 

なお、家計収支表の各項目の名称は変えてもかまいません。きちんと説明ができればいいわけですから。

今回は、自己破産、個人再生で提出しなければならない家計収支表のことについてお話ししました。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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債権者一覧表に漏れがあった場合 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

自己破産、個人再生の際の債権者一覧表に一部債権者の漏れがあった場合についてお話しします。

 

あってはならないことですが、稀に起きることがあります。

債権者数が多い場合、しばらく支払えていない場合、保証債務や個人間の債務など請求がまだ来ていない債務がある場合、代位弁済・債権譲渡が続き債権者を把握できていない場合などが考えられます。

 

債権者の督促状が来ていない、しばらく口座引き落としもない、という場合には、依頼者が弁護士に伝えない限り、弁護士が把握できないですね。

勿論、弁護士事務所等の単純なミスで債権者一覧表にある債権者が漏れる可能性もあります(あってはいけないことですが)。

 
自己破産、個人再生手続の途中で債権者の漏れが判明した場合はどうするのでしょうか。

 

その場合には、債権者一覧表を補正して債権者を追加すればいいです。

なお、手続の途中で督促状等債権者からの連絡が来た場合は、債権者一覧表にその債権者が記載されていない可能性が高いので、弁護士に確認をしてください。

 

債権者一覧表に記載漏れがあったまま自己破産、個人再生手続が終わった場合はどうなるのでしょうか。

 

自己破産の場合、非免責債権を定める破産法253条1項6号に、

「破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)」

と定められています。

 

非免責債権とは、破産免責の効果が及ばず破産者がその弁済責任を免れない債権です(ということは債権者が法的に請求を継続することができます)。

「債権者名簿」とは、債権者一覧表を指すと思ってください。債権者一覧表に知りながら債権者を記載しなかった場合には非免責債権として免責対象外になってしまうのです。

 

裁判所は債権者一覧表の記載に基づき債権者に通知を行います。記載漏れがあると、当該債権者は免責についての意見申述をする機会を奪われるなどの不利益を被ることから、非免責債権として債権者を保護する趣旨と説明されます。そのため、債権者が破産開始決定のあった事実を知っている場合には債権者を保護する必要がないので非免責債権になりません。

 

「知りながら」とありますが、記載漏れ自体が破産者の過失による場合であっても非免責債権になるとされています。怖いですね。
破産者が無過失で記載を漏らした場合にはその債権者に免責の効果が及ぶということになります。

 

確たる判例がありませんが、当たった下級審裁判例でも、

「債権者名簿に記載されなかったことが破産者の責めに帰することのできない事由による場合にまで非免責債権とすることも相当ではない。そうすると、債権者名簿に記載されなかった債権について、債権の成立については了知していた破産者が、債権者名簿作成時に債権の存在を認識しながらこれに記載しなかった場合には免責されないことは当然であるが、債権者名簿作成時には債権の存在を失念したことにより記載しなかった場合、それについて過失の認められるときには免責されない一方、それについて過失の認められないときには免責されると解するのが相当である」

「破産者が、債権の存在を知って債権者名簿に記載しなかった場合のみならず、記載しなかったことが過失に基づく場合にも免責されないと解すべきである。」

などとされています。

 

過失がない場合というのは、長年請求も来ておらず破産者が債権者であるとの認識がなかったなど、破産者がその債権者を記載をしなかったとしてもやむを得ないケースに限られるでしょう。

制度趣旨からは、免責の及ぶ場合を拡げる方向で解釈してもいいように思います(債権者が手続関与をしても免責結果は変わらないと思われる場合など)。

 

しかし、裁判例を見ると免責の効果が及ぶのは例外的な取り扱いのようです。記載漏れがあると基本的には免責の効果が及ばないと覚悟をした方がいいですね。

 

記載漏れがあった債権者から請求があった場合には、とりあえず破産免責決定書の写しなどで破産免責を受けたことを説明することになります。

それに対する対応は債権者が考えることになります。非免責債権かどうかというのは債権者が主張すべきことですからね。

 

債権者が金融機関の場合は、破産開始決定通知、免責決定通知を送って破産免責を得たことを説明すると、免責処理をしてくれる、すなわち請求をしないケースが多いと言われます。実際、当職もOKを貰ったことがあります。ただ、ケースバイケースの判断なのでしょう。

 

自己破産の場合は、債権者の記載漏れがないかよくよく確認しないといけないですね。

 

なお、破産者が主債務者である場合の保証人、あるいは保証債務者である他の保証人の求償権については、債権者一覧表に記載がない場合にも免責の効果が及ぶのか議論があるようです。広島では保証人や他の保証人を債権者一覧表への記載を指導されております。

 

続いて、個人再生の場合に認可決定後に債権者漏れが発覚したときはどうでしょうか。

こちらは割合傷が浅いです。認可された再生計画の再生債権の弁済率に応じて漏れていた債務を弁済するということになります。
ただし計画に基づくと期限が来ている弁済分は一括弁済となります。

こちらもやはり債権者漏れは怖いですね。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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