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養子縁組の解消の方法   [相続]

相続を踏まえての養子縁組の解消のご相談も珍しくはありません。

実子の配偶者と養子縁組をしたが離婚あるいは別居してしまった、配偶者の連れ子と養子縁組をしたが配偶者と死別して以来交流がまったくない、あるいは実子がいないため親族と養子縁組を行ったが交流がない等の場合に養子縁組の解消をお考えになるようです。

養子縁組の解消についての養子の同意があれば簡単です。届出を出せばいいだけです。
問題は同意を取り付けられない場合ですが、裁判所に話を持っていくしかありません。調停を経て合意ができなければ訴訟を提起するという流れになるでしょう。

交流が途絶えた養子と養親子関係を維持する必要はないと思われるのは当然です。しかし、一方で、養子縁組をして子にしておきながら気が変われば解消できるのでは養子も納得できないことは確かです。

実務では、形骸化している養親子関係は最終的には解消される方向で決着がつくことになりますが(形骸化していない等の特別の事情がある場合には解消自体が認められません)、具体的な事情に応じて、一定の金銭の支払いを要求されることも多いでしょう。言い方は悪いですが、一種の手切れ金と言えるかもしれません。

調停、裁判をしていくと時間がかなりかかってしまいます。裁判が終わらないままに残念ながら亡くなってしまう方もいらっしゃいました。縁組解消をお考えの方はお早めにご相談されることをお勧めします。
 

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広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602


婚姻費用における未成熟子とは   [離婚]

今回は離婚のお話をします。

離婚の際に問題となる婚姻費用とは、「夫婦とその間の未成熟子が通常の婚姻共同生活を営む上で必要な一切の費用」です。 収入が多い方の配偶者は、離婚するまでは配偶者と子供の生活費も一定額負担しないといけません。それが、婚姻費用分担請求で、離婚調停と同時に婚姻費用にかかる調停を申し立てることが多いです。

なお、離婚したら、養育費だけの問題となります。ざっくり表現すると、離婚までは配偶者と子の生活費補填、離婚後は子だけの生活費補填となり、通常は、婚姻費用>養育費となります。
ところで、婚姻費用の分担の対象となる未成熟子とは、「経済的に自ら独立して自己の生活費を獲得すべき時期の前段階にあって未だ社会的に独立人として期待されていない年齢にある子」と表現されるようです。実務上、よく問題となるのが、成年に達した大学生、大学院生、留学生の学費や生活費、仕送り費用をどう負担していくのかという場合です。

具体的には、婚姻費用あるいは養育費の終期、婚姻費用分担あるいは養育費に関する算定表との関係で上乗せがどこまでできるのかといったような問題として争いになります。
どのような場合に成年の子が未成熟子として婚姻費用分担の問題、すなわち離婚の問題として解決されるのでしょうか。
基本的には成人であれば婚姻費用とは関係なくなる(夫婦間の問題ではなく、子と親の扶養義務の話になる)、ただし現在学生であるのであれば未成熟子とみられる可能性が高いと言えましょう。 しかし、明確な年齢基準はなく、また学費等の負担については進学時の事情等も考慮されますので、「この場合はこうです」と簡単に説明できることではありません。
もっとも、離婚調停の中では、合意ができる限りで、事実上金額等に反映されるケースが多いと思います。

離婚、婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料請求等、離婚問題のサポートはなかた法律事務所にご用命を。



広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所 広島市中区上八丁堀5-27-602



婚姻費用分担金額、養育費金額の変更はできるか [離婚]

離婚の話です。
 

離婚係争中(別居中)の婚姻費用金額、別居後の養育費について、一度決めた金額を変更できるのでしょうか。

もちろん、一旦決めた金額を自由に変更することはできません。
 

しかし、婚姻費用や養育費は、それを決めたときに存在した事情、あるいは予測できた事情を基に金額を合意ないし決定されています。

金額を決めた後に決める時には予測できなかった事情が発生すれば、変更を行う必要が出てきます。

事情の変更により従前の約束や調停、審判結果を維持するのが不公平となった場合には、金額を増減することができ、そのための調停、審判手続が用意されています。
 

事情の変更としてよく主張されることは、収入の増減、被扶養者の増加(子の誕生)ですが、限定はされていません。

事情の変更があったら自動的に変更されるわけではないですが、養育費や婚姻費用が多すぎる、少なすぎると感じられたなら、法的にどのように主張を組み立てて増減ができるのかを、専門家とご相談ください。
 

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広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
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顧問弁護士のご活用をされてみませんか  [企業法務]

顧問契約を弁護士とされている中小企業は少ないかもしれません。
 
「法的なトラブル・問題が生じたら個別に弁護士に相談すればいい」と考えられる企業さんもあるでしょう。また、「うちには法律問題が頻繁に生じるわけではないから必要ない」という企業さんも多いでしょう。
 
確かに、個別の法律問題に相談、対処してもらうだけの弁護士ならわざわざ顧問契約を締結する必要はないかもしれません。
 
もっとも、その場合でも、顧問弁護士がいると、すぐに相談できる、すぐに対処してもらえる、安く対処してもらえるというメリットは当然あります。
 
しかし、顧問弁護士は個別の法律問題を処理するだけが仕事ではありません。
 
リスクは顕在化してから対処するのでは不十分であり予めリスクの発生を防ぐ必要があります。顧問弁護士は、企業に寄り添って、法的なリスクを予防的に下げることが大事な仕事なのです。
 
社長様が気づかない潜在的な問題点は多々存在します、しかも中には企業の存立に影響を及ぼしかねないリスクもあります。「これまで何もなかった」ではなく、日々顧問弁護士に相談等をすることで「これからも何もないよう」にする必要があります。企業には法的な問題点が、社長様が考えられるより多く存在します。個々の問題に対処するだけではなく、定款、就業規則、賃金体系、契約関係等々の見直しから行うべきです。
 
また、企業には必ずイノベーションが必要です。企業自体に寿命があるのはご存知でしょう。寿命に至らずとも、組織の硬直化、営業の硬直化により、外部環境への対応が遅れる、内部環境が悪化するということは特別なことではありません。再生企業に陥るケースはほとんどイノベーションに後れた企業です。
 
社長様は、お立場上、周りにイノベーションを提案するブレーンを作ることは難しいものです。意識せずともイノベーションが遅れてしまいがちです。組織、体制、労務管理等々のイノベーションについても、法律の仕組みを活用しなければいけない場面が多いです。そのため、社長様には、是非、顧問弁護士等の専門家のブレーンを用意し、それを活用しながら本業に邁進していただきたいと思います。もちろん、アドバイスが必要なのは純法律的な問題だけではありません。
 
さらに、顧問契約のコストはお考えになるよりも低廉なケースが多いです。予想される事務量等にもよりますが、月3万円からぐらいが相場でしょうか。定額のコストを支払って本業に邁進していく、決して無駄なコストではないと思います。
 
ただし、顧問弁護士には、企業のことがわかる、金融のことがわかる、数字がわかる等、典型的な従前の弁護士と異なった資質が要求されるでしょう。
 
当職も、銀行勤務経験、内部統制の資格等の企業法務、金融知識、会計知識のストックとは別に、様々な企業さんとの勉強会、研究会、セミナー等を担当しあるいはそれらに参加することにより企業のことをよりよく知り、法科大学院にて税法の講師を担当して税務知識も蓄え、あるいは他士業との連携を深めてワンストップサービスの提供に努めるなどし、企業の皆様の多様なニーズに対応できるよう準備をしております。
 
なお、蛇足ですが、顧問弁護士は、企業の方から積極的に活用してください。弁護士が能動的に日々のモニタリングを行うことはなかなか困難です。企業が能動的に何事でも相談する、その中で弁護士に考えてもらうという風にしないと、名ばかりの顧問弁護士になってしまいがちです。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
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生前の財産管理   [相続]

人が亡くなった際には、その財産は遺産として管理することになりますが、生前はどうでしょうか?
 
生前は自分が財産管理すればいいじゃないかと言われそうですが、実は相談を受けることが多い問題です。
 
もちろん、ご本人が元気なうちはもちろんご自身が管理すればいい話なのです。ご相談を受けるのは、自分あるいは家族が「今は元気なんだけど、将来はどうしたらいいか不安だ」、あるいは「財産を狙っている親族がいて弱ったときにどうなるか不安だ」、というケースが多いです。もう「高齢で、詐欺等も恐いから、管理をしてほしい」というケースもあります。
 
海外では生前に資産を専門家が管理するというのも珍しくはないようですが、日本ではあまり聞かないですね。
 
ご本人の判断能力が法的に弱っていると評価されるレベルであれば、成年後見人、保佐人、補助人の話になりますので、単純な話です。
 
そうではない場合に、他人に財産管理を任せるためには財産管理契約を結ぶことになります。契約に基づき大きな財産(預金あるいは現金がほとんどでしょう)を弁護士等に管理してもらい、一定額を常に普通預金に入れてもらう、あるいは都度必要なお金を出してもらう等の方法で、財産が無駄になくならないようにしてもらうのです。生前のお金の管理が明確になるため、相続争いを防ぐことにもなります。
 
ただし、後にご本人の判断能力がなくなった場合に財産管理契約の効力が続くかは一つ問題なります。もちろん後見人が就任すれば契約は解消されるのだろうと思います。
 
そのために、任意後見契約という契約を合わせて弁護士等と締結しておくことが望まれます。ご本人の判断能力が亡くなった場合に指定された人が後見人になるという契約です。財産管理契約を結び、ご本人の判断能力がなくなった際には、そのまま後見人として財産を管理してもらう、という形をとっていれば、財産管理に支障を来たすことがなくなるでしょう。副産物として、財産管理をしてもらう過程で、様々な相談をして助言もしてもらえることにもなるでしょう。
 
ご本人あるいはご親族の財産管理に不安を持たれている場合には、専門家に相談してみてはどうでしょうか(もちろんご本人の意向は無視できませんので、ご本人も一緒にお話を聞かれた方が良いとは思います)。
 
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広島の弁護士 仲田 誠一
 
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個人の所得税と法人の法人税の違い    [企業法務]


個人と法人とは税金の仕組みが全く違います。会社経営をされている方の節税もそこら辺にヒントがあることが多いです。
 
当職は昨年度から広島大学大学院法務研究科(いわゆるロースクール)にて税法の講義を担当したのですが、学生に対する講義もそのような話からスタートしました。
 
税法はかなり細かいので、不正確になることを承知で、ざっくりとしたお話をしましょう。
 
個人の所得税と法人税の大きな違いは2点です。
 
まず、個人では所得が10種類に分けられて課税の仕方が各異なるのに対して、法人税は一律です。そのため、所得税には税金が安い所得の種類があります。法人から個人への財産移転を考える際にはその点を考える必要があります。その代表例は、退職所得、一時所得です。
 
次に、所得税は超過累進課税で、法人は税率一律です。そのため、個人の所得は、所得を分散するだけで1人あたりの所得が減るため税率が下がり、節税になります。
 
これらの点を一番考えないといけないのが事業承継の場面です。
 
事業承継をするには株式承継、遺留分対策、相続税準備のために後継者の資産育成が必要でしょう。先代の遺産の維持・形成との兼ね合いも問題となります。どうしても、会社から個人(先代あるいは後継者)への所得移転の場面が出てくるのです。
 
その際は、安い所得分類になるよう、所得を分散するよう、中長期計画を立てて、適切なタックスプランニングを行うことが得策です。
 
もちろん、具体的にどのような対策を行うかは会社や個人の状況によって異なります。
 
なお、事業承継は、税金のことだけを考えてはいけません。タイミング、緊急性等を加味して税金がかかっても行うべき手段は行うという心構えが必要です。税金対策に終始するのではなく、適切なプランニングが大事ということです。
 
ちなみに、税法にはちゃんと否認規定が用意されています。後に否認されるような節税対策を行うことはコストを逆に上げることになりますのでご注意ください。
 
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広島の弁護士 仲田 誠一
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生活保護受給者の自己破産 [借金]

久しぶりのコラム更新となりました。
今回は借金の話です。
 
生活保護を受けていらっしゃる方の債務整理の相談もよく受けます。
 
ところで、生活保護費から借金は返してはいけない建前となっております。最低限度の生活保障という生活保護の趣旨に反するからでしょう。
 
そのため、生活保護受給者が借金を抱えていることが分かった場合、ほぼ例外なく生活保護の担当課から借金の整理を指導されます。
 
ご相談を受けた場合には、ご本人がどうしても任意整理をしたいとおっしゃらない限り、あるいは借金の金額がおよそ自己破産をすることが考えられない数万円ほどの金額ではない限り、自己破産を申し立てる方向で助言をいたします。生活保護費から借金の返済をしてはいけない建前だからです。
 
そして、生活保護受給者は、実質的に費用をかけずに弁護士に依頼して自己破産を申し立てることができます。その場合、法テラスの民事法律扶助という制度を利用します。もちろん当事務所でその手続は行います。
 
そうすれば、弁護士費用、予納金は法テラスが立て替えてくれ、しかも、生活保護を受けている限り、立替金の猶予、免除を受けることができるのが通常です。その意味で実質的に費用負担はありません。
 
生活保護を受給している場合で借金を抱えている方は、このような支援制度がありますので、費用のご心配をなさらずに、ぜひご相談ください。
 
借金整理、民事再生、自己破産のサポートはなかた法律事務所にご用命を。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
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自己破産、民事再生における自動車の取り扱い   [借金問題]

自己破産、民事再生をお考えになる方の中で、住んでいる所や仕事の関係で、どうしても車がないと困る方がいらっしゃると思います。今回は、自己破産、民事再生における自動車の取り扱いについてお話します。
 
まず、車が所有権留保物件なのかどうかが問題となります。
車が所有権留保物件(車のローンの担保)になっていれば、支払いをストップする以上、返還しないといけないでしょう。残債額で親族等に買い取ってもらう例もあります。
 
ただし、車の返却には注意が必要です。
 
登録が対抗要件(担保として誰にでも主張できる要件)となっている普通自動車は簡単に返してはいけません。車検証上、クレジット会社が所有者として記載されているのならばいいのですが、販売会社等が記載されている場合は、対抗要件がない担保になります。そのまま返してしまうと後の法的手続で問題が生じることとなります。民事再生上も類似の問題が生じます。
なお、軽自動車は引き渡しが対抗要件ですので、あまり神経質に考える必要はありません。
 
次に、あなたが車の完全な所有権を持っている場合、車を処分する必要があるのでしょうか。
 
処分しないといけないかどうかは、状況によって異なります。
 
自己破産ではどうでしょうか。
 
自己破産においては、広島本庁では、初年度登録後6年以上経っているのであれば、価値はないと評価してくれるのが原則です。その場合、原則として処分は必要ありません。
ただし、外車や高級車等古くても価値が出そうな車の場合には話が別です。
また、車が借金の原因になっているような場合は処分を勧奨されます。
 
そこまで古くない車の場合にはどうでしょう。
管財事件の場合には処分の方向に進みます(代わりに現金を入れる方法もあります、なお事情があれば自由財産の拡張も可能かもしれません)。
同時廃止事件では処分しなくても大丈夫です。ただ、車の価値が財産額に加算されるため管財事件(広島本庁では財産60万円以上が一応の目安)になりやすいことは確かです。
 
民事再生ではどうでしょうか。
 
民事再生においては、車の価値が清算価値にのってくるので(民事再生の返済額は、債権額の5分の1、清算価値、最低100万円のうち一番大きい金額といった基準で決まります)、場合によっては返済額が増えてしまうということがありえます。ただ、処分をする必要はありません。
 
なお、先ほどの所有権留保物件で登録がクレジット会社とずれて対抗要件がない普通自動車についても、その価値が清算価値に加算されます(その場合、車を返す必要があるのかは解決されていない問題ですが、返還をしないという理屈が十分成り立ちます)。
 
以上、自己破産、民事再生における車の取り扱いについて簡単にお話しました。結局はケースバイケースでよく考えないといけない問題ですので、お早目に専門家にご相談ください。
 
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弁護士 仲田 誠一

新株発行価額  [企業法務]

前回、事業承継対策等の戦略的経営のための種類株式や属人株式の活用をお勧めしました。
 
それに絡む新株発行の価額について若干の補足をします。
 
新しく株を発行する場合、その発行価額に悩むと思います。
 
新株発行において、それを面白くないと思う株主がいる場合、「特に有利な金額」で発行したと判断されると手続要件が加算されるため、株主総会決議を取り消されるなどして効力を覆されるリスクがあります。
 
特に有利な金額で発行した(有利発行といいます)とされるのは、「公正な価額」を下回る価額設定をしたときです。
 
この点、旧商法下の事件ですが、近時判例が出ました。
 
非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し、客観的資料に基づく一応合理的な算出方法によって発行価額が決定されたといえる場合には、その発行価額は、特別の事情のない限り、有利発行には当たらない。
 
とするものです。
 
相場が出ている上場会社の株式と違って、非上場株式の株式は、時価の評価方法自体が、純資産方式、類似会社比準方式、配当還元方式、収益還元方式、DCF方式等、と多岐に別れています。「これが正しい」という明確な基準はありません。
そのため、何が公正な価額=時価に近い価額であったかを、事後的に、評価方法のどれかによって検証されてしまうと、新株を発行する側は恐いですね。新株を発行する時点で、将来どのような基準で公正な価額が判断されるのか予測できないからです。
 
先の判例は、経営者の予測可能性を考慮して、公正な価額を事後的に検証するのではなく、当時の経営者の判断過程が合理的であったかどうかを検証するとした判断です。これにより、経営者は、客観的に妥当と思われる判断過程で決定すれば安心です。もちろん検討資料等、専門家の意見等判断過程の妥当性を証する書面は作成、保存する必要があります。
 
実務に即した判断と言えるかもしれません。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
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弁護士 仲田 誠一

種類株式、属人株式2  [企業法務]

前回の続きです。種類株式、属人株式の活用例ですね。
 
後継者に引き継ぐ前に中継ぎ経営者を用意する場合がありますね。
後継者の株式と中継ぎ経営者の株式の種類を変えることでスムーズになるでしょう。
 
後継者育成のため種類株式として黄金株(議決権制限・拒否権付・取得条項付)を先代が持つ例がよく挙げられます。個人的には、2種類の議決権の属人株式(ステップ・ダウン株)を設定する方がおもしろいと思います。
 
外部資本を導入する際には、議決権制限、取得請求権付、取得条項付、代金、議決権復活条項、拒否権付等様々な組み合わせを設定することが考えられます。種類株式の内容によって利害調整をするわけです。
 
株主が事故等で判断能力を失った際、行方不明になった際に、株主総会開催ができない事態を回避して会社の継続が可能とするものとして、属人株式を利用することもお勧めです。ヒーロー株と言われているようです。
 
他にもいろいろな場面での活用が可能です。会社の戦略に応じた設計ができるのですね。このような対策は、戦略的経営そのものではないですが、戦略的経営を支えるものとして、経営者の方々には是非検討していただきたいところです。
 
次回、新株発行の価格について補足します。
 
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