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コラム 2011年2月

お知らせ

弁護士の仲田誠一です。

暦上では春・・・立春を向かえ、少し暖かくなってきたかなと思っていたのですが、昨日は朝起きて窓の外を見ると雪で真っ白になっていて驚きました。snowまだまだ厳しい寒さが続きそうですね。

 

さて、今回は来月参加することになりました、講演会についてお知らせいたします。

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開催日時:平成23年3月16日(水)

13:30~16:30(受付開始13:00~)

開催会場:広島国際会議場1-5(平和記念公園内)

研究課題:内部統制・コンプライアンスにおける内部監査人の役割

-CIA兼弁護士から見た内部監査人の地位向上-

講 演 者:仲田誠一

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詳細な案内は主催の社団法人日本内部監査協会のホームページ(http://www.iiajapan.com/training/koushuukai.htm)でご確認いただけます。

非会員でも参加可能とのことなので、興味がありましたら是非ご参加ください。confident

 


「ごあいさつ」

弁護士の仲田誠一です。

これまでできるだけ多くの情報を提供させていただきたいとの一念で,文章を書き続けさせていただきました。

しかし,恐縮ですが,しばらくお休みさせていただきます。

現在,恥ずかしながら多忙を極め,物理的に対応ができそうもないことと,3月16日に日本内部監査協会中国四国支部での講演が控えており,そろそろそちらの準備を本格的にしないといけないこと,の2つがその理由です。

それでもたまには投稿をさせていただきますので,よろしくお願いします。

しばらくしたら,パワーアップして,戻ってきます。もっとお役に立つ情報を,もっとわかりやすく提供させていただきたいと思います。


「ワーカーホリック,遺産分割しないと等」【閑話休題11】

弁護士の仲田誠一です。catface


昨日は,仕事が結局抜けられず,残念ながら交流会には参加できませんでした。またの機会があれば是非参加したいと思います。

明日から三連休ですが,また雪が降りそうですね。家族サービスのために,一日でも休みを確保したいと思います。

ところで,最近はもうワーカーホリック(仕事中毒)ははやらないのでしょうか。仕事をセーブしろと忠告を受けることが多くなってきました。依頼者さんから,いつ休んでいるのか?との質問もよく受けます。
ワーカーホリックなんて80年代のアメリカの負け惜しみで作られた言葉だと思っていましたが,時代は変わったようです。
といっても,私を心配して忠告してくれる方がほとんどですので,最近はそれに従っているつもりです。特に,一度体を壊してからはセーブしているつもりですが,まだまだなようです。

ほぼ何もないところから事務所を立ち上げたため,仕事のあることのありがたさ,頼られる喜びは,人一倍のものがあります。そのため,どうしても仕事優先になってしまい,なかなか他に目を向けられません。

本当はいろいろな自己研鑽や趣味に頑張る,人との交流を拡げるなど,人間性や知識を高める努力をしていかなければいけないとわかっているのですが…

どうしても,目の前の依頼者さん,ご相談を優先してしまいます。

中長期的な見方ができない,悪い経営者の見本かもしれません。

愚痴はこの辺で止めときます。

さて,遺産分割をしていない,預金などは分けたが不動産はそのままにしてある,などのケースは意外に多いようです。最近よく相談を受けます。

私のところに相談に来る方は,なにかしらの問題を抱えて来られます。相続がまた発生したために何とか整理したい,不動産を売却したい,不動産のトラブルを解決したい,破産せざるを得なくなった,などの事情です。

今回の相続問題を抜本的に解決するためには,前の相続も解決しないといけません。不動産を売却するには,名義を1人に集めるか,相続人全員で売ることが必要です。不動産トラブルに対応するにも,他の相続人の協力が必要なケースが多いでしょう。

1代前の相続が終わっていないということなら,まだなんとかなるかもしれません。
しかし,2代前,3代前,しかも明治民法の家督相続の時代の相続もかかわっているということであれば,相続が枝分かれした結果,多数の相続人が全国に散らばって登場したり,存在しないはずの人の戸籍が残っていたり,あるはずの戸籍がなかったり,など問題が複雑化します。

最近は,相続人の1人が海外に移住や長期赴任しているケースも多いでしょう。

時間が経てば経つほど,相続人全員の合意によって,遺産を分割ないし整理することは困難となるわけです。

一方で,口約束などで不動産を受け継いだケースでは,時間が経てば経つほど,それを証明することが難しくなっていきます。登記を直したいと思っても,会ったこともない相続人全員の合意を取ることは難しいかもしれません。

その場合には,時効で不動産を取得したとの訴訟を相続人全員に対して起こさないと登記をまとめることができません。そもそも相続人全員を確定する作業は大変ですし,行方不明の人や海外にいる人,戸籍だけ残っている人などがいると,さらに対処が大変です。

相続問題はできるだけ問題が起きたときにすぐ解決をする必要があります。しんどいからといってそれをしないのは,単なる問題の先送りになってしまいます。将来,さらに問題を複雑化させてしまうおそれが高いことです。

後の人のことを考えると,今の人が頑張って解決しなければなりません。

 


「相続放棄はいつまでできるか?」【相続家庭問題14-2】

弁護士の仲田誠一です(広島弁護士会所属)。


昨晩は時間をかけて手紙を書きました。

私が大学を卒業して初めて配属された銀行の支店長であり,その後いくつかの銀行の役員などを歴任され,昨年から隠居生活に入られた方です。お世話になった方です。

新前銀行員の私にとっては,当時,話すのも恐れ多い存在の方でしたが,縁あってまだ交流が続いています。

不思議なもので,怖い人は何年経ってもやはり怖いですね。その方に対する手紙の文章も,恥ずかしくないように何回も書き直して,ようやく書き上げました。


さて,前回の続きです。相続放棄の熟慮期間の具体例をお話したいと思います。


◆ 前回の復習

最高裁の立場では,

3ヶ月の熟慮期間の起算点(「自己のために相続の開始があったことを知った時」)は,原則として,相続人が相続開始の原因となった事実および自己が法律上の相続人となった事実を知った時です。

ただし,例外的に相続人を保護していました。

相続開始を知ってから3ヶ月以内に相続放棄または限定承認をしなかった理由が,被相続人に相続財産が全くないと信じたことであり,
かつ,
相続人の生活歴,被相続人相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて相続人に対し相続財産の調査を期待することが著しく困難な事情があって,相続人がそう信じることに相当な理由があるときは,
相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した又は通常これを認識しうべき時」が熟慮期間の起算点です。

それでは,どのような場合に,被相続人に相続財産が全くないと信じ(善意),かつ信じたことに相当の理由がある(相当性)と認められるのでしょうか?

具体例を見てみましょう。


◆ 肯定例

善意かつ相当と認められた(相続開始から3ヶ月以上先後に行われた相続放棄が有効とされた)例をいくつか挙げます。

最高裁の判例の事案は,被相続人相続人との行き来が14年以上途絶えていた,被相続人が債務を負ったのは交渉が途絶えてから10年後だった,被相 続人から資産負債の説明を受けたことはない,相続すべき積極財産がなく葬儀も行われなかった,その1年後に判決正本の送達を受けて初めて債務の存在を知っ た,などの事情から,被相続人に相続財産が全くないと信じたことに相当性を認めました。

相続人が被相続人と別居してから被相続人死亡まで30年間以上全く交渉がなかった,葬式の時も内縁の妻が喪主となり相続人は資産負債について話を聞かされなかった,某信用保証協会の突然の通知で債務があることがわかったという例。

相続人の債権者から突然内容証明郵便が送られて来たが,それまで全く交渉のなかった債権者から突然送られたこと,その記載内容や添付資料も不十分であることから,その後4ヵ月後に行った相続放棄を有効とした例。

事例が少ないのですが,基本的には,相続人に相続財産調査を期待できない事情があるケースですね。

最初から認められたケースでは,そもそも争いにならないので,当然に裁判例が残りません。そのため裁判例は否定例の方が多いです。


◆ 否定例

善意かつ相当と認められなかった(相続開始から3ヶ月以上先後に行われた相続放棄が無効とされ,単純承認の扱いになった)例をいくつか挙げます。

それらを大きく分けると,諸々の事情から相続人が簡単に相続財産債務の調査ができたであろうと判断される例と,一部でも積極財産の存在を認識した以上はたとえ借金を知らなくてもその時から3ヶ月の熟慮期間が進行するとされた例です。

そうであれば,被相続人に積極財産がない場合であっても,借金があるかもしれないと少しでも疑う場合には,必ず債務の存否の調査をしなければならないということになるでしょう。放っておいてはいけません。
また,一部でも不動産や預金などの積極財産があることを知ったなら,必ず債務の調査もする必要があるということになります。

気をつけて下さい。

具体的にはこれらの例です。

相続人は被相続人と同居し,被相続人死亡後はその経営していた会社の役員となっていた,被相続人の死亡後に相続不動産を第三者に賃貸した等の事情か ら,相続人は被相続人が積極・消極の財産を有していたことを知っていたものと推認されるし,財産がないと信じたとしても相当性がないとされた例。

相続人と長年月没交渉であったわけではなく,相続人の学生時代は被相続人の元に出入りしていたから,その生活状態を認識していた筈であること,他 の相続人(その人の母親)に対して債権者から照会が来ているから相続人は簡単に債務の存在を調査できた,などの理由から,相当性が否定された例。

会社員である被相続人の死亡時に,負債の存在は知らなかったとしても不動産などの相続財産の存在を知っていた,被相続人は会社員であってもその妻は 個人事業主であり事業に関連して保証債務を負う可能性もあること,被相続人死亡時にその妻に多額の借金があることを知っていたこと,被相続人と同居してい た他の相続人に容易に被相続人の債務の有無などを確認できたこと,などの理由から,相当性を否定した例。

相続人死亡時に,被相続人の積極財産の一部として土地,預金が存在することを知っていた以上,高額の相続債務があることを知らなくても,被相続人死亡時が熟慮期間の起算点となるとした例。

相続人死亡時に,被相続人の積極財産として不動産の存在を知っていた以上,長男が相続するものと信じ,自分は相続することはないと信じたとしても,被相続人死亡時が熟慮期間の起算点となるとした例。


最後の2つの例は,相続財産の一部でも認識したらその時が熟慮期間の起算点だとする判例に沿うものです。しかし,近時は,事情によって反対の判断をする裁判例もあります。

例えば,相続人が遺産の存在を認識していたとしても,他の相続人が相続する等のために,自己が相続すべき遺産はないと信じ,かつ,そう信じる無理からぬ事情がある場合には,熟慮期間は未だ進行しないとする裁判例があります。
また,被相続人の死亡時に相続財産の存在を知っていても,自らは全く承継しないと信じ,かつ,そう信じる相当な理由がある場合(そのケースでは遺言書がありmなした)には,被相続人の死亡時を熟慮期間の起算点としないとする裁判例もあります。

今後はこちらよりの判断がされる可能性が高いでしょう。


◆ 最後に

最後まで読んでいただいた方がいらっしゃるかわかりませんが・・・

上記のように,裁判では,具体的な事情によって微妙な判断がなされるようです。

不安になったらすぐに専門家に相談してください。
裁判で争わなくていいようにするに越したことはありません。


「相続放棄はいつまでできるか?」【相続家庭問題14-1】

弁護士の仲田誠一です(広島弁護士会所属)。


最近「ぬた」をよく食べています。「わけぎ」と酢味噌があれば簡単にできるからいいですね。葱で作るよりも「わけぎ」で作るほうが,やはり食感がよく,おいしいです。

「ぬた」に和えるのは,タコがいいです。今,タコは高いですね。高級魚並みです。昔は安かった記憶があるのですが。
私の育った家の近所の海では,蟹型の疑似餌を投げれば,数時間で何回かタコがかかりました。餌になる蟹やエビが減ってきているのでしょうか。


さて,相続放棄については以前にもお話ししましたが,今回と次回にわたり,相続放棄はいつまでできるか?についてお話しようと思います。


◆ 被相続人に借金がある場合にとる手段

田舎で1人残っていた母親が亡くなり,葬式も終わり,あなたが家を片付けました。その際,母親に多額の借金があることがわかったらどうしましょう?

相続人(母親)の借金などの債務は,相続分に応じて,相続人(あなたなど)に承継されるのが原則です。

原則どおり母親の借金をあなたが返すかどうか,選択肢は3つあります。

まず,財産よりも借金が明らかに大きいときには,特別な事情がない限り,「相続放棄」をすることになるでしょう。
相続放棄をした相続人は, 初めから相続人ではなかったものと取り扱われます。その結果,先順位の相続人が全員いなくなれば,後順位の推定相続人相続人となります。そのため,相続 順位ごとに相続放棄を順次検討する必要があります(第1順位の推定相続人が全員相続放棄をすれば,次に第2順位の推定相続人相続人となるから,再度その 時点で相続放棄をするか検討しなければなりません)。

次に,財産と借金のどちらが大きいかわからない場合には,「限定承認」をすれば,相続財産の範囲で借金を返済することができます(負債が返済しきれない場合も相続人は相続債務を負担しません)。
相続人全員が行う必要があることや手続が煩雑であるなどの理由から,あまり使われてはいません。

最後に,「単純承認」です。財産を受け継ぐ代わりに,原則どおり債務も受け継ぎます。
財産の方が借金よりも明らかに大きい場合や,負債の方が大きくてもどうしても手放せない財産があるなどの理由で放棄などができないケースには,単純承認することになります。

単純承認には手続は要りません。しかし,「相続放棄」および「限定承認」をするには家庭裁判所に申し立てる必要があります。また,いつまでもそれらを申し立てることができるわけではなく,申し立てる期間(「熟慮期間」)が決められています。

 

相続放棄はいつまで申し立てれば良いのか

先ほどのとおり,相続の放棄には,申し立てることができる期間(「熟慮期間」)が決められています。母親の借金を引き継ぎたくないと思っても,何もせずに放っておくと,結局は引き継ぐことになってしまいます(単純承認)。

民法で定められた熟慮期間とは,「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内というものです。

短いですよね。なお,熟慮期間の伸長を家庭裁判所に申請すれば認めてくれることもあります。

遠く離れて住んでいた母親の借金は簡単にわからないことが多いでしょう。
また,悪知恵の働く債権者は,お母さんが亡くなってから3ヵ月経過後にあなたに対して返済を要求するかもしれません。

そのようなケースではあなたを保護して,お母さんが亡くなられてから3ヶ月経過後に借金がわかったときに,なお相続放棄を認めてもよさそうと考えられます。

そこで,民法で定められている「自己のために相続の開始があったことを知った時」とはどの時点か?が議論されることになります。
その時点を後にずらせば,より相続放棄がし易くなるのです。

この点は,相続放棄制度の捉え方によって考え方が異なります。

相続人が亡くなっても,財産・負債の存在を知らなければ,相続放棄等の手続はとらないで放っておくのが通常ですね。それなのに,被相続人の死亡の 事実だけ知れば3ヶ月の計算がスタートしており,3ヵ月経過後に借金が判明しても,もはや相続放棄をすることができないとするのは,少し酷だと考えられま す。

そこで,相続放棄相続人を保護するための制度だと考えれば,「自己のために相続の開始があったことを知った時」は,自分が受け継ぐべき財産または債務の一部でも知った時だ,と言いたくなります。

一方で,相続は単純承認が原則だ,相続放棄や限定承認は例外的に認められる,と考える人もいます。相続人は財産負債を受け継ぐのが当然だということですね。

そう考えれば,「自己のために相続の開始があったことを知った時」は,被相続人の死去(相続発生)の事実さえ知ったときでいい,財産・負債を知らなくて3ヶ月経っても,単純承認の原則に戻るだけだからいいじゃないか,となるのでしょう。

 

最高裁の判例は,相続人の保護を例外的に認める立場をとっています。

まず,熟慮期間の起算点(3ヶ月の計算の出発)は,原則として,相続人が相続開始の原因となった事実および自己が法律上の相続人となった事実を知った時だとします。

ここまでだと単純承認が原則で相続放棄は例外という考えと基本的に一緒ですね。

ただし,例外的に相続人を保護します。

3ヶ月以内に相続放棄または限定承認をしなかった理由が,被相続人に相続財産がまったくないと信じたことであり,かつ,被相続人の生活歴,被相続人相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて相続人に対し相続財産の調査を期待することが著しく困難な事情があって,相続人がそう信じることに相当 な理由があるときは,「相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した又は通常これを認識しうべき時」を熟慮期間の起算点にするとしました。

要するに,あなたが母親には財産も借金もないと信じて放っておいた,そしてあなたが母親とは疎遠でよく母親の事情がわからず,母親の家を片付けても 財産も借金も見つからなかったなど,あなたが母親には財産も借金もないと信じたことがもっともだという事情があるときは,1年後に債権者から借金の返済を 要求されたなど,母親の債務の存在を知ってから3ヶ月以内に相続放棄手続をすればいい,ということです。


◆ 最後に

少し長くなりました。

どのような場合に相続放棄がなお認められるか,具体的に判断するのは難しいところです。

例えば,財産は少しあることは知っていた,しかし後に多額の借金を請求された,というケースではどうなるのでしょうか?
実際にありえそうな話です

次回に,上記の判例を踏まえた,具体的な裁判例を紹介したいと思います。


法律相談の対応について【閑話休題10】

弁護士の仲田誠一です。


みなさんが法律相談を受ける際,どのような回答をもらえば満足されるでしょうか?

是非任せてください!やりましょう!という回答をもらえれば満足する方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,弁護士の仕事は,安請け合いをすればいいというものではないと思っています。相談者のご希望に添えない可能性がある以上は,安請け合いをし てはお互いに不幸になります。弁護士費用だけを払って,結果は満足できなかった,話が違うじゃないか,とトラブルになる素です。

法律上は,弁護士は結果を請け負うものではなく(請負契約ではなく),事務処理を委任される(委任契約)ものです。ただ,相談者はやはり結果を求める傾向にあるのは事実です。

尊敬する先輩弁護士に,弁護士の仕事は「納得」を与えることだと教えられた経験があります。

その教えもあり,私は,法律相談の際,弁護士に依頼しても結果が出ないような最悪なケースの説明に時間をかけます。その上で,納得していただけるなら仕事を受任するように心がけています。

もちろん,相談者にメリットがないようなご相談は,弁護士に依頼してもメリットがないと説明して,基本的にお断りしています。

そのため,どうしてもマイナスの話に割かれる時間の方が多くなり,相談者の方にとっては,やる気がない弁護士だ!と感じられてしまうこともあるのではないかと思われ,事件の受任につながらない(相談で終わってしまう)ケースもあるのではないかと感じています。

簡単に「任せてください,やりましょう」といってしまえば,私に依頼される方が増えるのかもしれません。

それでも,私としては,最悪なケースやデメリットを十分に説明することが,相談に対する誠実な対応だと信じて,このようなスタイルを続けようと思っています。


今回は,ただの私のつぶやきを書かせていただきました。

失礼します。


「たこ配当」【企業法務8】

弁護士(広島弁護士会所属)の仲田誠一です。catface

 

 

今回は,昨日の中国新聞の紙面をもとに,お話をさせていただこうと思います。

マツダが国内増産するという記事が載っていましたね。当事務所にも,マツダに関係するお仕事の方が多く相談に来られます。広島にとっては明るい記事です。

また,相撲協会の八百長の話も載っていました。薬物汚染,野球賭博,八百長疑惑と,普通の企業なら倒産してしまうほど大きな不祥事が続きますね。
どこかの本に,山一證券も一度の不祥事で倒れたわけではなく,企業体質を改善するチャンスとなる不祥事がその前に2回あった,三振アウトで終了だ,と書いてあるのを読んだことがあります。
大相撲も三振アウトとならないように,組織体質を改革していかなければなりません。コンプライアンスは,表面的にそれを謳っても,意味がありません。paper

 

◆ 蛸(たこ)配当

林原の違法配当の話もありました。林原と言えば,私が就職活動をした頃は優良企業の誉れ高かったような記憶があります。

違法配当は,「蛸(たこ)配当」と呼ばれていました。配当規制が変わってからはあまり言われなくなってきたようです。

真偽のほどはわかりませんが,たこは飢餓状態になると自分の足を食べて生き延びるという逸話から来た呼び名です。配当できるものがないのに,粉飾決算をして,本当は会社に残しておかないといけない財産(足)を食べて,配当に回すから,「たこ配当」です。

違法な配当は無効です。

そこで,会社は、株主に対して、交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭の支払いを請求することができます。

また、その職務を行った業務執行者等は、会社に対して、株主と同じ責任を負い、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合にのみその責任を免れます。

業務執行者等には、刑事罰も課されます。この点が新聞報道に載っていました。

さらに,会社債権者も、株主に対して、違法分配額を、自己の債権額の範囲内で、直接自己に支払うよう請求することができます。


◆ 最後に

今日は,新聞記事をもとにお話をさせていただきました。

会社法など事業活動に関連する種々の規制の中には,役職員の刑事罰も定められているものが意外に多くあります。

また,表面的なコンプライアンス体制を構築しても意味がありません。コンプライアンスの肝は,経営意識(経営理念)と不祥事を防ぐシステム作りです。

またの機会にお話しますね。

 


「セクハラ行為が判明したら?」【企業法務7-2】

弁護士(広島弁護士会所属)の仲田誠一です。catface


みなさん,時々どうしても食べたくなるものってあるでしょうか?

私は,宅配ピザと宅配カレーです。restaurantしょっちゅう食べるわけではないのですが,数ヶ月に一度は食べたくなります。
宅配ピザは,生地が分厚いアメリカンなやつが大好きです,端っこのパン生地がどうしても食べたくなります。
カレーは,チキン煮込み+イカフライ,400グラム,1辛,と注文するものが決まっています。

カレー屋さんについては,学生時代にバイトをしていた弁護士が未だにそのカレーのファンでいるようなので,しっかりした企業なのでしょう。

食べ物関連の職場で働いたことがある人から,二度と食べたくない,○○が嫌いになった,などの話を聞いたことはありませんか?

内部の人,内部にいた人からのよい評判は,企業の力強い宣伝になります。しかも,そのような企業では従業員が誇りを持って働いており,企業全体の活気があります。

銀行員時代,たくさんの企業を見てきましたが,企業ないし従業員の活気と,企業業績は比例するケースがほとんどでした。
活気があるから業績がいいのか,業績がいいから活気があるのか,それは難しい問題です。おそらくは,両者とも正しいのでしょう。相乗効果で企業が成長していくのだと思います。


前回は,セクハラの一般的なお話をしました。書かせていただきましたが,セクハラは企業活力に対するサイレント・キラーです。
無いのが当たり前のことを対策することは億劫かもしれませんが,無いのが当たり前だからこそ対策をする必要があるとも言えるのです。


◆ 企業のセクハラ対応が問題となるケース

企業のセクハラに対する対応が問題となるケースには,前回のとおり,企業に対する責任を追及されるケースだけではありません。

セクハラをした従業員に対する処分や転勤命令を巡って,加害者側の従業員などから争われるケースもあります。

企業にとっては,セクハラの被害者から訴訟などで争われるだけでなく,対処を誤ると加害者からも争われることとなります。


◆ セクハラに対する事前の対策

前回お話した「職場環境配慮義務」の内容のとおり,事前の防止措置としては、セクハラに関する方針を明確にして周知・啓発することや相談体制の整備が要求されます。

抽象的には,企業の規模に応じた措置をとればいいとは思います。

最低限,就業規則やセクハラ規程の作成などによって,従業員にセクハラ禁止の方針を伝え,セクハラが起きたときの処分内容を周知することが必要でしょう。

できれば,セクハラに関する講習会や勉強会もすればいいと思います。
顧問弁護士に講習させるもよし,役所などがやっている講習に従業員を派遣してその従業員に勉強会を主催させるなどでもよいでしょう。

相談体制の整備は,ホットライン(直通相談電話)の整備やラインから独立した相談部署の設置などですが,企業規模によっては難しいことです。
企業規模に応じてできるだけ被害者が相談しやすいような体制を作る必要があります。相談担当を決めること(基本的には社長直轄),相談によって一切不利益を被らないという方針の周知は必要でしょう。


◆ セクハラをした従業員に対する対応

まずは,真偽を確かめる必要があります。そして,できるだけ早くに対処をしないといけません。

処分が遅い,ということは,それだけで職場環境配慮義務違反になるおそれがあります。

公平な措置,迅速な措置が従業員の士気を低下させない唯一の方法です。

場合によっては,経営者の迅速・厳正な対処が,従業員の一体化・忠誠心の向上という,プラス面に転じることも期待できます。

従業員に対する対処としては,始末書提出,訓告,訓戒,配転,減給,退職勧奨,解雇,懲戒解雇などがあるでしょう。


◆ 事案の客観的な把握が必要

処分が後で問題となる場合,セクハラ行為の証拠が必要になります。

そのため,ある程度客観的な証拠,例えば第三者たる同僚の証言やメール・手紙などが必要でしょう。

もちろん,加害者とされる従業員が認めるならば,始末書等を書かせて証拠化するのもいいでしょう。

客観的に間違いないだろうと判断できることが必要です。

被害者の一方的な思い込みというケースも,多くはないでしょうが,絶対にないとは言えません。


◆ 事案に即した適正な処分や措置が必要

ある程度客観的に事案を把握したら,次に,できるだけ早く対処をする必要があります。

ここで大事なのは,客観的に妥当な,公正な判断をすることです。

加害者が力のある従業員だからといって,穏便に済ますようなことがあると,被害者だけではなく,他の従業員はどう感じるでしょう?
力のある従業員を守って,返って,企業活力全体を下げてしまう,という結果を招きかねません。

逆に,厳しすぎる処分などをしても,後で争われることになりますいようです。

例えば,裁判例を見ると,いきなり懲戒解雇というのは認められ難いようです。

まずは,企業側に,その従業員に対して行動を是正させるべく,注意,警告,より軽い懲戒をすることが要求されるようです。それには,早期のセクハラ発見が必要になりますね。

配転や退職勧奨,そして普通解雇なども,行為の内容や職場の環境などの諸条件によって,有効性が判断されているようです。

そのため,加害者従業員に対する処分や処置は,慎重に行わないといけません。
できれば,弁護士に相談しながら対処を決めるほうがいいでしょう。

何度も言いますが,企業の対処は,法律的な有効性はさておき,従業員が注目しています。被害者が「もういいです」と言っても,厳正な経営判断が必要でしょう。


◆ 最後に

セクハラに対する社会の見方の変化によって,認められる損害賠償額も大きくなっていますし,ある程度厳しい処分も有効だと考えられて来たような気がします。

セクハラの企業に対するリスクの大きさも時代の変化に応じて大きくなっていると思います。

何度も言うようですが,企業も時代に応じた対応が必要です。

自社の対応が十分か,再検討をしてみてください。


「セクハラ行為が判明したら?」【企業法務7-1】

弁護士(広島弁護士会所属)の仲田誠一です。catface


ウナギの卵が見つかりましたね。店頭に出ているウナギの多くは養殖ウナギですが,それらは川に上ろうとするシラスウナギ(稚魚)を捕まえて養殖していることはご存知でしたか?

私が育った地域は,シラスウナギ漁もウナギ養殖も盛んでした。川で魚を捕まえていると,ウナギの稚魚が採れたり,大きなウナギを見つけたりしました,懐かしいです。
それにしても,養殖ウナギが餌を食べる姿は迫力があります,そのため,今でも養殖ウナギは少し苦手です。


さて,話は突然に変わりますが,セクシュアル・ハラスメント,略してセクハラ,の話をしたいと思います。従業員がセクハラをしたら,企業はどうしたらいいのでしょうか?

今回はセクハラに対する企業の責任について,次回はセクハラをした従業員に対する対応について,お話したいと思います。

◆ セクハラとは?

セクハラとは,相手の意に反する不快な性的言動のことです。

セクハラは,人事権の行使を伴う(パワハラの要素も含む)対価型セクシュアル・ハラスメントと,それを伴わない環境型セクシュアル・ハラスメントに区別されたりします。


◆ 従業員のセクハラに対する企業の責任

少しややこしい話になります。

企業がセクハラに関して負う責任は,セクハラ行為自体の責任とセクハラに対する対応の責任があります。

そして,企業が従業員等に代わって責任を負う場合と,企業自体の責任を負う場合があります。


◆ 従業員等の責任を企業が代わって負う

企業は,従業員などの行ったセクハラ行為自体の責任も負います。

民法715条には,従業員が業務に関連して行った不法行為について,使用者である企業も責任を負うという,「使用者責任」が定めています。

従業員が行なったセクハラが業務に関連した不法行為だと判断されれば,企業がその責任を追及されます。

同じように,代表者が事業に関連してセクハラをした場合には,会社法350条によって会社が責任を負うこともあります。

これらの責任は、セクハラが事業・業務に関連してされたときに成立しますが,近時は,より緩やかに「事業・業務に関連している」と認定される傾向があります。


◆ 企業自体の責任

企業自体の不法行為責任,あるいは債務不履行責任の追及もされるケースがあります。

セクハラ行為自体の責任という意味合いよりも,企業のセクハラ行為への対応についての責任と言えるでしょう。

労働契約に付随する義務として,使用者は,従業員に対して,適切な職場環境の構築・維持に配慮する義務を負っています。「職場環境配慮義務」と言います。使用者の指揮命令下で従業員が働かされるわけですから,使用者はその環境に配慮すべきだということです。

セクハラは,従業員にとって,安心な職場環境を破壊する行為です。

そこで,「職場環境配慮義務」の内容の1つとして,セクハラが発生することを予防する,セクハラが発生したら適切な措置をとる,という義務も含まれます。

「職場環境配慮義務」は,労働契約上使用者が負う信義則上の付随的義務であると同時に,不法行為法上の義務であるとも考えられています。

セクハラが起きたら,またはその対処が不適切であれば,企業が負っている職場環境配慮義務に違反したという事実を不法行為として民法709条の固有 の不法行為責任を,あるいは,職場環境配慮義務を民法415条の債務不履行だとして債務不履行責任を,追及される可能性があります。

使用者責任のほかに企業自体の責任を追及するのに何の意味があるかというと,まずは,従業員のセクハラの業務関連性が肯定しがたいケースや,加害者 が特定できないケースでも,(その場合には上記の責任が追求できません),使用者に対する損害賠償責任の追及が可能となる点です。
また,債務不履行責任の追及は,証明責任が有利なこと、消滅時効が長いこと、裁判の中で企業の行為規範を具体化できること,などの意味もあります。
さらに,セクハラ発覚後の企業の不適切な対応を捉えると,損害賠償の範囲も拡がっていきます(退職せざるを得なくなったなど)。


◆ セクハラに関する「職場環境配慮義務」

上のように,職場でセクハラが発生すると,企業はさまざまな責任を負います。

企業としては,セクハラが発生して使用者責任を負わないように措置をとっておく必要がありますし,かつ企業自体の責任が問われないように事前・事後の措置をとる必要もあります。

セクハラに関する「職場環境配慮義務」の内容としては,裁判例で言われているところによると,
①まず事前の防止措置として、セクハラに関する方針を明確にして周知・啓発することや相談体制の整備が要求され、
②また事後対応として、セクハラ行為が発生した場合の適切・迅速な事後対応をすることが要求される,
とされています。

どういう措置をするべきか,は次回にお話しようと思います。


◆ セクハラ事件に関する損害

セクハラ裁判では、被害の甚大性に比べて賠償額の低いことが批判の対象となっていましたが、近時は高額化の傾向が見られます。

また,企業がセクハラに適切に対応しなかった結果、労働者が退職せざるを得なくなったケースでは、「職場環境配慮義務」違反がなければ賃金不支給の 事態も生じなかったという意味で、義務違反と賃金相当額の財産的逸失利益と相当因果関係が認められ、半年から1年程度の賃料相当額の損害賠償責任が肯定さ れるケースもあります。

もっとも,職場で発生するセクハラによる企業損害としては,それ以上のものがあります。

少なくとも社員のモラルの低下は避けられません。モラルの低下は企業にとって,サイレント・キラーです。企業を蝕んでいきます。

また,加害者あるいは被害者が優秀な社員であっても失ってしまいかねません。

企業としては,セクハラを防ぐ,起きてしまったら早期に発見する,発見したらすぐに適切な対処をする,という当たり前のことを当たり前に準備しておく必要があります。


◆ 最後に

今回は,セクハラに関してやや一般的なお話をしました。

セクハラも企業が従業員を抱える限りに常に伴うリスクの1つです。

金銭的な損害のリスクの面は他のリスクと比べて小さいかもしれませんが,企業組織に与えるダメージという面では非常に大きいリスクと言えます。
企業活力が減退するというのは企業にとって致命傷ですし,なかなか気付かないことなのでとても怖いです。

次回は,企業のセクハラ対応について,お話したいと思います。


「委託販売員からの未払賃金を請求される?」【企業法務6】

弁護士の仲田誠一です。catface


昨日のYahooニュースで,蛇の目ミシン工業が完全歩合制の「委任販売員」に対して労働基準法に基づく賃金(最低賃金相当額や有給休暇分給与)を支給していないとして,労働基準監督署から未払賃金を支払うよう是正勧告を受けたとのニュースを見ました。

労働基準監督署は,「委任販売員」を労働者と認めたようです。

以前に,プロ野球選手は労働者か?も問題になったことがありましたね。

コストカットのため,営業を完全歩合制の委託販売員に委ねている企業はかなりあると思われます。専属的な請負契約も多いですね。
この勧告は,今後他の企業にも大きな影響がありそうです。

そこで,今回は,どういうケースに労働基準法が適用される労働者と見られる可能性があるかをお話しようと思います。


◆ 労働基準法が適用される労働者とは?

労働基準法が適用される「労働者」は,労働基準法9条に定められています。最低賃金法も,労災保険上の労働者も,労働基準法の「労働者」と同じとされています。

労働基準法9条は,「労働者」を,①「事業又は事務所に使用される者」で,②「賃金を支払われる者」と定義してます。

②の賃金は名目は問われませんので,問題は,①の「事業又は事務所に使用される者」に該当するかです。

そこで,「労働者」に該当するか否かは、労働者が使用者に従属していることに伴う危険や弊害を除去,軽減,緩和するという労働法の目的に照らして、現実の労務給付の実態(働き方の実態)に即して,当事者間に「使用従属関係」が成立しているかによって判断されます。


◆ 「使用従属関係」とは

少し難しい話になります。

「使用従属関係」の有無は、労働基準法の適用をすることがこのケースで適切かどうかという観点から、労務受領者(企業)と供給者(働く人)の間に,指揮命令関係があるかどうかを中心的な判断基準とします(「人的従属性」と言われます)。
かつ,働く人に払われる報酬が労働力の提供に対する対価としての実質を持っているか(「経済的従属性」),就労の実態が独立した事業性をもたず企業組織の中に組み込まれているか(「組織的従属性」),を付加的して総合的に判断されます。

具体的要素としては、①業務遂行過程での指揮命令の有無(企業からの具体的な指示で働いているか)、②勤務時間や勤務場所の拘束の有無(企業に決め られたとおりの働き方をしているか)、③仕事の依頼・業務従事に対する許諾の自由の有無(決裁権があるかどうか)、④専属性の有無(兼業禁止などの就労制 限があるか)、⑤業務の第三者による代替性の有無(替わりはいるか)、⑥材料・生産器具などの使用者の提供の有無(働く人は労務の提供だけか)、⑦報酬の 性格が給与制か出来高払い制か、などが挙げられています。

名目は関係なく,上記のような具体的事情によって,労働者に当たるかどうかが判断されます。


◆ 争われた例

下級審の裁判例では比較的緩く「労働者」だと判断している例もあるようですが,最高裁の態度はやや固いようです。

最高裁で争われた例としては,専属的傭車運転手,一人親方の大工があるようです。

前者は,業務用機材のトラックを所有して自分の危険と計算の下運送をしていた,運送業務に当然に伴う指示以外は指揮監督をされていなかった,時間的・場所的拘束も一般従業員と比べてはるかに緩やかだったことを重視して,「労働者」ではないと判断されました。

後者は,工務店から指揮命令を受けていなかった,自己の道具を持ち込んでいた,報酬は仕事の完成に対して払われたものだ,と否定したようです。

下級審の裁判例としては,否定したものとして,証券外務員,受信料集金受託者,などがあるようです。ただし,あくまでも具体的事情によって判断されています。

下級審の肯定例としては,大学病院の研修医,映画制作プロダクションと契約するカメラマン,テレビ局専属のタイトルデザイナー,などがあるようです。
こちらも,あくまでも具体的事情によって判断されます。


◆ 最後に

労働者か否かは具体的事情によって判断されます。さらに,以前にも書かせていただきましたが,裁判所の判断は,時代によって変わっていくこともあります。

ワーキングプア問題など,非正規労働者等の生活権が問題となっている現在の状況や,冒頭のニュースの勧告を見てみると,コストカットのために犠牲となる形の就労者の保護が,今後重視される傾向も予想されます。

もしかしたら,裁判所の判断も徐々に変わっていくかもしれません。

企業にとっては,現在のやり方を,再検討する必要がありそうです。

penじっくり話し合い、問題解決に導く法律のプロ 弁護士仲田誠一の取材記事はこちら!(http://pro.mbp-hiroshima.com/nakata-law/)

 


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