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退職の申出に対する対応 [企業法務]

 広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務のお話です。

会社と従業員との間で退職時期に関する紛争が生じることが珍しくありません。

 

会社としては急に辞められては困る、従業員としては次もあるから早く辞めたいということですね。

 

期間の定めのない正社員などを前提とすると、民法では、2週間前までに申し出るルールです。
ただし、月給者であれば当期賃金支払計算期間の前半に次期の退職を申し出する必要があります。
5月14日に辞めたければ4月15日までに申し出るということでしょう。

 

実際には就業規則にて、1カ月前と決められている会社が多いでしょう。


その場合は1カ月前です!と言いたいところです。


しかし、どちらが優先されるかは争いがあります。
どちらかというと、就業規則の規定が裁判では認められない傾向にあると言えるかもしれません。

1カ月前を前提に動くと争われた場合、リスクがあるわけです。

 

2週間というとかなり短いですね。経営にはこういうリスクもあるということを頭に入れてください。

 

なお、退職届が出されたらアウトです。
法律上、退職届の受理の留保は認められません。
受け取らない場合には、内容証明郵便で退職の届がなされることもあります。

 

顧問弁護士、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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可否同数の場合の議長の裁決権  [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務にまつわるものとして、議長の議決権という話もあります。

 

取締役会、株主総会の出席取締役あるいは出席株主の通常の決議(過半数で行う決議)の場合、当然、議長は議決権を有することになります。

議長だからという理由で議長が議決に加われないとすると、その議決権を不当に奪うことになりますからね。
その他の団体の会議体でも同様に考えていいです。

 

一方、公的議会などでは、議長は決議に参加できず、可否同数の場合の決定票のみ有すると定められているようです。議長は公正な立場でいなさいということでしょうか。

 

そこで、各種団体や会社で「可否同数の場合には議長が決する」というような決まりを定款等で作ればどうなるのでしょうか。
実際にあるようです(
会社定款などではこのような規定は認められないようですが)。

 

「可否同数の場合には議長が決する」をいったん議長が議決に加わった上で可否同数の場合にも議長が決定票を持つという解釈はできないでしょう。
そのような解釈でおこなった決議は無効となろうかと思います。
議長が2個議決権を持つことになりますし、法定の決議であれば法定決議要件を勝手に緩和するものだからです。

議長はまずは議決権を行使せずに留保し、最後に議決権を行使するというように解釈せざるを得ないのではないでしょうか。

 

もっとも、可否同数になった後に過半数等により「議長一任」の決議が成立した場合は別です。
適式に「一任」を内容とする決議が成立したことになりますからね。

 

こう見ると、「可否同数の場合には議長が決する」というような決め事は、あまり意味がないですね。混乱させるだけのような気がします。

 

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マイカー通勤、自転車通勤に対する対応 【企業法務】

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

以前にもお話ししましたが、企業法務として、従業員のマイカー通勤・自転車通勤のリスクについてもう一度お話します。

 

従業員の通勤事故において、使用者である会社が使用者責任を問われるケースが増えていることはお話ししました。会社が責任を負う場合、損害賠償額が自賠責を超える高額なものになる場合も珍しくなく、会社にとって大きなリスクなのです。中小企業で1億なんて賠償責任を負うと経営危機ですよね。

 

企業としては、マイカー通勤を許容するかどうかを明確に定めきちんと管理をしなければいけません。
そして、許容するのであれば任意保険(できれば対人対物無制限)の加入を条件として、従業員の加入状況を定期的に確認してください。

 

保険証券の確認の際には、使用目的の確認を忘れずに。
月一定以上の日数(保険会社により15日など基準が定められています)通勤に使っているにもかかわらず、保険の使用目的が「通勤・通学」ではなく「日常・レジャー」になっている場合、事故時に保険会社が対応しないリスクがあります。

 

自転車事故による損害賠償高額化の問題もお話ししましたね。
自転車保険は保険料が安いですし、火災保険や自動車保険の特約(個人賠償保険特約)で自転車事故がカバーできる場合もあります。
自転車についてもやはり自動車と同じような管理をするべきだろうと思います。

 

事故の発生頻度は少なくても、一度でも起きると金額が大きい場合があります。
損失額×発生確率で考えると、通勤事故のリスクは相応なものと評価され、きちんとした対処が必要になります。

 

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すべてのリスクは法律に通じる? [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

企業法務は、企業のリスク管理を担うと考えています。
かつ、企業のリスク管理には、法律家の助けが必須だとも考えています。

 

多くのリスクを作るのは何でしょうか。法律です。

法律で損害賠償義務、契約責任、その他法定責任が決められているからです。
法律や判例が変わると今まで隠れていたリスクが問題となるケースも珍しくありません。

 

そして、リスクが顕在化する場合には、多くは(金銭的評価のできる損失の多くは)、法律の世界を通して、金銭的な責任が表面化していきます。

 

そうであれば、リスク管理に法律的な観点が必要ですね。法務リスクは狭く捉えられるものではないのです。

 

リスクを排除する、リスクを回避する、リスクを低減するという作業では、法律的観点から責任が発生する事態を排除・回避する、責任が発生する事態をできるだけ避ける仕組みを作るという作業が大きいウェートを占めるはずですね。

 

経営は契約の積み重ねですが、業界慣行・経験により「これで大丈夫だ」と思ってご商売をされていませんでしょうか、そのようなものは裁判では通用しません。企業トラブルはほぼ契約内容の解釈により結論が出ますが、それは法的に解釈されるのです。
リスクが顕在化したら損失は甘んじて受け入れるというのであれば、そのような経営姿勢でいいのかもしれません。しかし、実際にトラブルが発生した際にもそのように達観できる経営者の方は少ないでしょう。勿論、損失は経営にも影響を与えます。

 

「簡単な〇〇だけでも記録に残しておけば裁判に勝てたのに!」と感じる裁判は珍しくありません。ノーガードで経営をされている例が驚くほど多いと感じています。
 

やはり、日頃から、法律的な観点で企業防衛を図る意識が必要であると思います。

 

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特別利害関係人と取締役会、株主総会  [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のうち、取締役会あるいは株主総会における決議に特別な利害関係がある取締役あるいは株主の扱いのお話をさせていただきます。

 

株主総会においては、特別な利害関係のある株主でも議決権を行使することができます。
議長にもなれるとされています(なお、以前は議決権行使が許されませんでした)。
ただし、特別利害関係人の議決権行使の結果として著しく不当な決議がなされた場合には決議の取消事由とされています。
原則は議決権行使が許される、例外として資本多数決の濫用は許さないということです。

なお、会社が自己株式取得を承認する一定の決議においては、相手方の株主は議決権を行使できないと特別に定められています。

 

他方、取締役会設置会社における取締役会では、決議について特別の利害関係を有する取締役が議決に加わることはできません(その場合、定足数算定の基礎の人数にも算入されません)。
株主からの委託を受けている取締役の忠実義務から決議の公正を期す必要があるということでしょう。違反をすれば原則として決議は無効となります。

勿論、特別利害関係取締役は、議長にもなれません(既に議長である場合には権限を失います)。
意見陳述権もなく、退席を要求されれば退席する必要があります(出席していること自体では無効とはならないとされているようです)。

 

特別利害関係人の存在は、譲渡制限株式の譲渡承認、競業取引・利益相反取引の承認、会社に対する責任の一部免除、代表取締役の解職決議(争いはありますが判例があります)、等実務上よく目にする場面です(議事録を作成するときに悩ましいです、決議毎に議長や議決権者を変更する等ややこしいことを考えないといけません)。

例えば、譲渡制限株式の譲渡承認ですが、株主総会で承認できるならオーナーさんあるいはご夫妻が株主であることが多いので、全員出席株主総会を開いてもらえれば簡単に手続できるのです。しかし、取締役会設置会社は定款で別段の定めをしていないと取締役会を開かないといけない。その場合はオーナーご夫妻以外の取締役や監査役も絡んでくる。かつ、利害関係株主の議決権がないということで、かえって手続きが面倒になるケースもある、といった感じです。

 

なお、代表取締役の選任決議における候補者取締役は特別利害関係取締役に当たりません。

 

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従業員の債務整理  [企業法務]

広島の弁護士 仲田誠一です。

自己破産や民事再生を検討されている方は、会社に事情が知れたら困るという方がほとんどです。勿論、プライベートなことなので言いたくないですよね。

 

今回は、会社としては従業員の自己破産や民事再生にどういう対応をとるべきなのかをお話ししたいと思います。企業法務、リスク管理にも大事なことです。

 

従業員の自己破産は(個人再生も)、たとえ就業規則に解雇事由であると書いてあったとしても、解雇事由にはならないとお考えください。
従業員の自己破産と会社の業務は基本的には関係がなく、従業員の自己破産は解雇の合理的理由に原則として該当しません。

 

勿論、自己破産の場合では、警備員や保険外交員など特定の職業や資格が制限されるため(個人再生にはない)、そういった場合は解雇の理由になる可能性がないとは言えません(配置転換等の他の処分もあり得るため簡単には認めてくれないでしょう)。また、会社が貸付をしている場合には、損害を被ることになりますので、解雇は別としても、何等かの懲戒処分はできる可能性があります。

 

むしろ,会社の立場としては、従業員の自己破産、民事再生には寛容に接すべきです。積極的にサポートをしてもいいぐらいだと考えます。

 

まず、仮に債権者から従業員の給与等の差押えがなされると会社としては非常に手間です。

また、従業員が借金で疲弊することを防ぎ、経済的更生を図ってもらう方が、従業員のパフォーマンスが上がってくるでしょう。
さらに、不祥事防止などのリスク管理の観点から考えても、会社にとっては従業員に自己破産等で経済的に立ち直ってもらう方が得策です。

 

このように、会社は、従業員が借金で悩んでいる兆候が見られた場合には、自己破産等の手続を薦める、あるいはサポートをするべきです。

 

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