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顧問弁護士のご活用をされてみませんか  [企業法務]

顧問契約を弁護士とされている中小企業は少ないかもしれません。
 
「法的なトラブル・問題が生じたら個別に弁護士に相談すればいい」と考えられる企業さんもあるでしょう。また、「うちには法律問題が頻繁に生じるわけではないから必要ない」という企業さんも多いでしょう。
 
確かに、個別の法律問題に相談、対処してもらうだけの弁護士ならわざわざ顧問契約を締結する必要はないかもしれません。
 
もっとも、その場合でも、顧問弁護士がいると、すぐに相談できる、すぐに対処してもらえる、安く対処してもらえるというメリットは当然あります。
 
しかし、顧問弁護士は個別の法律問題を処理するだけが仕事ではありません。
 
リスクは顕在化してから対処するのでは不十分であり予めリスクの発生を防ぐ必要があります。顧問弁護士は、企業に寄り添って、法的なリスクを予防的に下げることが大事な仕事なのです。
 
社長様が気づかない潜在的な問題点は多々存在します、しかも中には企業の存立に影響を及ぼしかねないリスクもあります。「これまで何もなかった」ではなく、日々顧問弁護士に相談等をすることで「これからも何もないよう」にする必要があります。企業には法的な問題点が、社長様が考えられるより多く存在します。個々の問題に対処するだけではなく、定款、就業規則、賃金体系、契約関係等々の見直しから行うべきです。
 
また、企業には必ずイノベーションが必要です。企業自体に寿命があるのはご存知でしょう。寿命に至らずとも、組織の硬直化、営業の硬直化により、外部環境への対応が遅れる、内部環境が悪化するということは特別なことではありません。再生企業に陥るケースはほとんどイノベーションに後れた企業です。
 
社長様は、お立場上、周りにイノベーションを提案するブレーンを作ることは難しいものです。意識せずともイノベーションが遅れてしまいがちです。組織、体制、労務管理等々のイノベーションについても、法律の仕組みを活用しなければいけない場面が多いです。そのため、社長様には、是非、顧問弁護士等の専門家のブレーンを用意し、それを活用しながら本業に邁進していただきたいと思います。もちろん、アドバイスが必要なのは純法律的な問題だけではありません。
 
さらに、顧問契約のコストはお考えになるよりも低廉なケースが多いです。予想される事務量等にもよりますが、月3万円からぐらいが相場でしょうか。定額のコストを支払って本業に邁進していく、決して無駄なコストではないと思います。
 
ただし、顧問弁護士には、企業のことがわかる、金融のことがわかる、数字がわかる等、典型的な従前の弁護士と異なった資質が要求されるでしょう。
 
当職も、銀行勤務経験、内部統制の資格等の企業法務、金融知識、会計知識のストックとは別に、様々な企業さんとの勉強会、研究会、セミナー等を担当しあるいはそれらに参加することにより企業のことをよりよく知り、法科大学院にて税法の講師を担当して税務知識も蓄え、あるいは他士業との連携を深めてワンストップサービスの提供に努めるなどし、企業の皆様の多様なニーズに対応できるよう準備をしております。
 
なお、蛇足ですが、顧問弁護士は、企業の方から積極的に活用してください。弁護士が能動的に日々のモニタリングを行うことはなかなか困難です。企業が能動的に何事でも相談する、その中で弁護士に考えてもらうという風にしないと、名ばかりの顧問弁護士になってしまいがちです。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602
 
 

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個人の所得税と法人の法人税の違い    [企業法務]


個人と法人とは税金の仕組みが全く違います。会社経営をされている方の節税もそこら辺にヒントがあることが多いです。
 
当職は昨年度から広島大学大学院法務研究科(いわゆるロースクール)にて税法の講義を担当したのですが、学生に対する講義もそのような話からスタートしました。
 
税法はかなり細かいので、不正確になることを承知で、ざっくりとしたお話をしましょう。
 
個人の所得税と法人税の大きな違いは2点です。
 
まず、個人では所得が10種類に分けられて課税の仕方が各異なるのに対して、法人税は一律です。そのため、所得税には税金が安い所得の種類があります。法人から個人への財産移転を考える際にはその点を考える必要があります。その代表例は、退職所得、一時所得です。
 
次に、所得税は超過累進課税で、法人は税率一律です。そのため、個人の所得は、所得を分散するだけで1人あたりの所得が減るため税率が下がり、節税になります。
 
これらの点を一番考えないといけないのが事業承継の場面です。
 
事業承継をするには株式承継、遺留分対策、相続税準備のために後継者の資産育成が必要でしょう。先代の遺産の維持・形成との兼ね合いも問題となります。どうしても、会社から個人(先代あるいは後継者)への所得移転の場面が出てくるのです。
 
その際は、安い所得分類になるよう、所得を分散するよう、中長期計画を立てて、適切なタックスプランニングを行うことが得策です。
 
もちろん、具体的にどのような対策を行うかは会社や個人の状況によって異なります。
 
なお、事業承継は、税金のことだけを考えてはいけません。タイミング、緊急性等を加味して税金がかかっても行うべき手段は行うという心構えが必要です。税金対策に終始するのではなく、適切なプランニングが大事ということです。
 
ちなみに、税法にはちゃんと否認規定が用意されています。後に否認されるような節税対策を行うことはコストを逆に上げることになりますのでご注意ください。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
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新株発行価額  [企業法務]

前回、事業承継対策等の戦略的経営のための種類株式や属人株式の活用をお勧めしました。
 
それに絡む新株発行の価額について若干の補足をします。
 
新しく株を発行する場合、その発行価額に悩むと思います。
 
新株発行において、それを面白くないと思う株主がいる場合、「特に有利な金額」で発行したと判断されると手続要件が加算されるため、株主総会決議を取り消されるなどして効力を覆されるリスクがあります。
 
特に有利な金額で発行した(有利発行といいます)とされるのは、「公正な価額」を下回る価額設定をしたときです。
 
この点、旧商法下の事件ですが、近時判例が出ました。
 
非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し、客観的資料に基づく一応合理的な算出方法によって発行価額が決定されたといえる場合には、その発行価額は、特別の事情のない限り、有利発行には当たらない。
 
とするものです。
 
相場が出ている上場会社の株式と違って、非上場株式の株式は、時価の評価方法自体が、純資産方式、類似会社比準方式、配当還元方式、収益還元方式、DCF方式等、と多岐に別れています。「これが正しい」という明確な基準はありません。
そのため、何が公正な価額=時価に近い価額であったかを、事後的に、評価方法のどれかによって検証されてしまうと、新株を発行する側は恐いですね。新株を発行する時点で、将来どのような基準で公正な価額が判断されるのか予測できないからです。
 
先の判例は、経営者の予測可能性を考慮して、公正な価額を事後的に検証するのではなく、当時の経営者の判断過程が合理的であったかどうかを検証するとした判断です。これにより、経営者は、客観的に妥当と思われる判断過程で決定すれば安心です。もちろん検討資料等、専門家の意見等判断過程の妥当性を証する書面は作成、保存する必要があります。
 
実務に即した判断と言えるかもしれません。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
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弁護士 仲田 誠一

種類株式、属人株式2  [企業法務]

前回の続きです。種類株式、属人株式の活用例ですね。
 
後継者に引き継ぐ前に中継ぎ経営者を用意する場合がありますね。
後継者の株式と中継ぎ経営者の株式の種類を変えることでスムーズになるでしょう。
 
後継者育成のため種類株式として黄金株(議決権制限・拒否権付・取得条項付)を先代が持つ例がよく挙げられます。個人的には、2種類の議決権の属人株式(ステップ・ダウン株)を設定する方がおもしろいと思います。
 
外部資本を導入する際には、議決権制限、取得請求権付、取得条項付、代金、議決権復活条項、拒否権付等様々な組み合わせを設定することが考えられます。種類株式の内容によって利害調整をするわけです。
 
株主が事故等で判断能力を失った際、行方不明になった際に、株主総会開催ができない事態を回避して会社の継続が可能とするものとして、属人株式を利用することもお勧めです。ヒーロー株と言われているようです。
 
他にもいろいろな場面での活用が可能です。会社の戦略に応じた設計ができるのですね。このような対策は、戦略的経営そのものではないですが、戦略的経営を支えるものとして、経営者の方々には是非検討していただきたいところです。
 
次回、新株発行の価格について補足します。
 
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種類株式、属人株式1  [企業法務]

前回、定款自治のお話の中で、種類株式、属人株式に触れました。
今回は、その補足をいたします。
 
株主は数量的に(持ち株数に比例して)平等に扱うのが原則です。
ところが、今は株主平等原則の例外が認められています。それが、種類株式、属人(的)株式です。
 
それらが認められた理由は様々あります。ざっくり申し上げると、資金調達を多様にする、経営形態を多様にするといったとこでしょうか。
 
中小企業にとっては、外部資本を導入するためのほか、事業規模に応じた戦略に応じた機動力ある意思決定をするために、あるいは事業承継、会社の継続のために利用すべき制度です。
 
種類株式は、内容の違う株式のグループを作るとイメージしてください。配当、残余財産、議決権、譲渡制限、取得請求権付、取得条項付、全部取得条項付、拒否権付(黄金株)、役員選任解任権付について内容の違う株式を発行し、それぞれ株主に割り当てるのです。ニーズに合わせて、複数の内容を組み合わせることもできます。
 
なお、同時に種類株主総会決議不要の定款の定めもしておかないと面倒です。
 
属人(的)株式は、ニーズに合わせて株主の個性を重視し異なる取扱いをするものです。閉鎖会社のみ設定可能で、剰余金、残余財産、議決権について定めます。種類株式と異なって登記事項ではありません
 
種類株式、属人株式は、戦略的に様々な利用が考えられます。
 
相続の対策としてはどうでしょう。
 
その間に、ちょっと蛇足ですが、相続対策として、共有株式の分割権利行使の定めを定款に記載することをお勧めします。それがなければ、遺言がない場合は遺産分割協議が終わるまで、遺言があっても遺留分減殺請求をされた場合、株主総会が事実上開催できない、もしくはクーデターなどの紛争を招く可能性があります。
 
本論に戻すと、相続対策として議決権の集中に活用することができます。
 
種類株式であれば、議決権株式(配当無)と無議決権株式を設定する、後継者株式以外を取得条項付(共有持分含む旨明記)にする、といったとこでしょうか。他にも考えられるでしょう。属人株式では、議決権の属人株式(VIP株)の設定です。私は後者の方が使い勝手がいいなと考えています。
 
なお、株価が高額でなかなか後継者に移転できないときは、議決権の属人株式(VIP株)と暦年贈与を組み合わせるといいですね。
 
続きはまた次回に。
 
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
 
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弁護士 仲田 誠一
 

会社運営と定款自治3 [企業法務]

前々回、前回に引き続き会社運営と定款自治の話です。
今回は、定款自治の話です。


定款自治(定款により会社の仕組み、ルールを柔軟に決められること)が拡充された今日、戦略に基づく機関設計、自己責任への対応が必要だとお話しました。
定款とは、会社の基本ルールを定めたもので、会社の憲法とも言われます。

設立時にはひな型を使って定款を作り、その後も見直しをしていないという会社は多いと思います。

定款には、①絶対的記載事項(記載しないといけないもの)、②相対的記載事項(記載をすれば法的効果を与えてくれるもの)、③任意的記載事項(それ以外)あります。

戦略的活用というのはもちろん②及び③の話です。事業承継対策も定款変更が必要なものがあります。

 

②は、先にお話した機関設計はもちろん、株主総会の手続要件、役員任期、取締役会の決議要件等です。③は経営理念、株主間契約的な定め等です。

定款変更には、特別決議(議決権過半数出席+その3分の2賛成)が必要で、さらに特定の事項についてはそれ以上の決議要件が定められています(議決権株主半数以上かつその議決権の3分の2賛成、総株主の半数以上かつその議決権の4分の3賛成)。

もちろん、中小企業の家も含んだ人的強みを壊さないよう、決議要件は別として、「和」は乱さない形での変更が望ましいです。すべての株主の納得を得られるうちに変更するのがよいでしょう。また、特に種類株式、属人株式のような劇薬は、仕組みを対立利害関係者によって逆手に取られないように留意して設計することが必要です。



次回は、種類株式、属人株式について補足します。

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