HOME > コラム > 相続問題 > 生前の財産管理   [相続]

コラム

< 個人の所得税と法人の法人税の違い    [企業法務]  |  一覧へ戻る  |  顧問弁護士のご活用をされてみませんか  [企業法務] >

生前の財産管理   [相続]

人が亡くなった際には、その財産は遺産として管理することになりますが、生前はどうでしょうか?
 
生前は自分が財産管理すればいいじゃないかと言われそうですが、実は相談を受けることが多い問題です。
 
もちろん、ご本人が元気なうちはもちろんご自身が管理すればいい話なのです。ご相談を受けるのは、自分あるいは家族が「今は元気なんだけど、将来はどうしたらいいか不安だ」、あるいは「財産を狙っている親族がいて弱ったときにどうなるか不安だ」、というケースが多いです。もう「高齢で、詐欺等も恐いから、管理をしてほしい」というケースもあります。
 
海外では生前に資産を専門家が管理するというのも珍しくはないようですが、日本ではあまり聞かないですね。
 
ご本人の判断能力が法的に弱っていると評価されるレベルであれば、成年後見人、保佐人、補助人の話になりますので、単純な話です。
 
そうではない場合に、他人に財産管理を任せるためには財産管理契約を結ぶことになります。契約に基づき大きな財産(預金あるいは現金がほとんどでしょう)を弁護士等に管理してもらい、一定額を常に普通預金に入れてもらう、あるいは都度必要なお金を出してもらう等の方法で、財産が無駄になくならないようにしてもらうのです。生前のお金の管理が明確になるため、相続争いを防ぐことにもなります。
 
ただし、後にご本人の判断能力がなくなった場合に財産管理契約の効力が続くかは一つ問題なります。もちろん後見人が就任すれば契約は解消されるのだろうと思います。
 
そのために、任意後見契約という契約を合わせて弁護士等と締結しておくことが望まれます。ご本人の判断能力が亡くなった場合に指定された人が後見人になるという契約です。財産管理契約を結び、ご本人の判断能力がなくなった際には、そのまま後見人として財産を管理してもらう、という形をとっていれば、財産管理に支障を来たすことがなくなるでしょう。副産物として、財産管理をしてもらう過程で、様々な相談をして助言もしてもらえることにもなるでしょう。
 
ご本人あるいはご親族の財産管理に不安を持たれている場合には、専門家に相談してみてはどうでしょうか(もちろんご本人の意向は無視できませんので、ご本人も一緒にお話を聞かれた方が良いとは思います)。
 
遺言、相続、遺留分減殺等相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
 
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602

カテゴリ:

< 個人の所得税と法人の法人税の違い    [企業法務]  |  一覧へ戻る  |  顧問弁護士のご活用をされてみませんか  [企業法務] >

同じカテゴリの記事

相続預金の取り扱い2 [相続]

以前に、金融機関が法定相続分の払い戻し請求に応じるようになったとお話しました(以前のコラムはこちら「相続預金の取り扱い」)。
  
今回はもっとやっかいな話です。
 
最高裁を始め、実務は、預金債権は、相続開始と同時に、各相続人法定相続分に応じて分割取得されるというという立場に立っています。定額貯金にはまた別の問題が出てきますが、それはまた別の機会にお話します。
 
法曹界がその立場で一貫しているから、金融機関が法定相続分に応じた払戻請求に応じるようになったのです。
 
問題はここからで、その理屈をとおすと、遺産分割調停において相続人が預金を遺産分割の対象に含めないと主張した場合、当該預金が遺産分割の対象とならないということです。
 
なぜ問題なのでしょう。
 
通常は、こんなことは争われてはいません。預貯金も含めて分割方法等が話し合われます。
 
が、争われると、預貯金が遺産分割対象から外れ、それ以外の遺産の分割だけが残ります。
そうすれば、特別受益や寄与分もその範囲でしか考慮されないとなりそうです。特別受益や寄与分は遺産分割手続でのみ考慮・判断される事柄だからです。
 
それって不公平じゃないですか?
 
遺産は1000万円の預貯金のみで、長男が生前贈与を1000万円もらっていたとしましょう。預貯金が遺産分割の対象となるのであれば、特別受益を考慮して、次男は1000万円の預金をすべて取れます。
 
しかし、預金が遺産分割の対象とならないのであれば、分割すべき遺産がありません。長男は金融機関に法定相続分の預金の払い戻し請求をして、500万円を取得できるのです。
 
遺産が不動産なのか預金なのかは偶然で決まることですよね、それによって分け方が変わってしまうというのは常識的には理解に苦しみます。
 
そのような結論を明確に断言した文献は見当たらなかったのですが、そうであろうとした文献はありました。実務も問題点を把握しながらそのような扱いをしているようです。法的理屈をとおさないといけないということでしょうが。
 
問題点は多く、おかしいではないかとの見解も多々あるようですが、実務上は、謙抑的に相続預金は遺産分割の対象とならないと考えておいた方がいいのでしょう。
 
繰り返しますが、そこまで主張してくる例はあまりないのですがね。主張されたら仕方がありません。
 
遺言、相続、遺留分減殺等相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。
 
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602

同族中小企業株式の遺産分割方法   [相続問題]

今回は相続問題のうち、同族中小企業の株式が遺産分割審判においてどのように分割されるのかをお話ししたいと思います。企業法務、特に事業承継とも関わりが深い問題です。


遺言がない場合、原則として法定相続分に応じて各相続人が遺産を共同相続します。当事者間で遺産分割協議が整わない場合は、家庭裁判所へ調停を申立て、それでも合意できない場合には、家庭裁判所で審判を出してもらい、具体的な分割方法を決めてもらいます。
審判に不服があれば抗告です。


審判の場合、特別受益、寄与分がなければ法定相続分に応じて、それらがある場合には法定相続分を修正して、遺産が割り振られます。ここで注意してほしいのは、財産毎に割り振られるのではなく、株式も不動産も何分の1といったように割合で割振られるのが基本というところです。株式も事業用不動産も共有になってしまうということですね。

それでは事業に支障をきたす可能性があります。だから事業者や経営者は遺言を始めとする事業承継対策が必要なわけです。


ここで、抗告審の事例を目にしたのでご紹介します。
審判で株式が共有とされた、それに不服の会社後継者である子が抗告をしました。
民法906条には遺産の分割の基準を定めています。裁判所は、株式について、典型的な同族会社で、経営規模も小さく、経営の安定のためには株主の分散を避けることが望ましいという事情が、同条の「遺産に属する物又は権利の種類及び性質」「その他一切の事情」に当たるとして、後継者に株式を単独取得させて、他の相続人らには代償金を支払せる形に審判を変更しました。


事業承継問題の社会問題化、事業承継法制の整備といった事情を考慮した判断です。同族中小企業の実情に合った判断だと思います。


ただし、ここで注意。裁判所の判断理由として、後継者に代償金の支払能力があることが示されています。後継者に資力がないとこのような判断はできないのですね。


代償金の支払能力は、事業承継対策における後継者の資産形成が必要な理由の1つです(他に、相続税、株買取資金、遺留分対策などもその理由です)。


ご紹介した裁判所の判断は、もちろん一般的なものとは言えません。経営者、事業者の方は、このような裁判所の判断に頼ることなく、後継者が会社をスムーズに承継できるよう、株式の移転、遺言等の相続対策といった事前の対策を行うのが本筋です。


相続問題、顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。

 

広島市中区上八丁堀5-27-602
なかた法律事務所
弁護士 仲田 誠一


相続預金の取り扱い 【相続問題】

前回、離婚の話のうち、子の面接交渉、面会交流についてお話しました。
今回は相続の話です。

相続預貯金は、相続人全員のハンコ、遺産分割調停調書、あるいは遺産分割審判書がないと引き出せないか?

少し前までは、YESとの回答でした。「どうしてもと言うなら銀行相手の裁判をしてもいいけど、遺産分割調停の方が早く終わるかも。」というアドバイスをしていたでしょう。

従前は、約款を盾にして、あるいは相続争いに銀行が巻き込まれるのを防止するために、ゆうちょ銀行、市中銀行とも払い戻しを拒絶していたはずです。ところが、最近は変わってきたようなんです。

通常貯金は自己の相続分の払い戻し請求ができる、あるいは普通預金は通帳がなくても払い戻し請求により銀行が履行遅滞(損害金が発生する)に陥る、定期預金も満期到来によって履行遅滞に陥る、といった裁判例が出ているから金融機関の態度が変わってきたのかもしれません。

現在では、払い戻し請求をすると他の相続人へ照会をして問題がなかったら払い戻しに応じる、あるいは問題があっても払い戻しに応じてくれる金融機関が出てきました。定額貯金、定期預金はそれでも満期到来まで待たされるのでしょうが。

確かに、法律上、預金債権は分割債権であり相続によって相続人法定相続分に応じて分割取得するということになるのでしょう。ただ、実務では、払い戻しができたら確定的に解決したと考えるのは早計です。特別受益、寄与分、分与方法の判断によっては、すでに払い戻しを受けた金銭の返還を求められることでしょう。

そこで、現在のアドバイスは次のようになります。「払い戻しに応じる金融機関がでてきたから早く現実を手にしたければ払戻手続をしてみてもいいのではないですか、でも他の相続人に照会が行くから争いが激化するかもしれませんし、後に調停・審判で取り分が法定相続分から減ってしまうと他の相続人に返還しないといけませんよ、あくまでも最終的な解決は遺産分割調停、審判の結果を待たなければなりません。」という感じでしょうか。相続預金が遺産分割の対象となるかどうかの問題は「相続預金の取り扱い2」を参照してください。

相続預金を払い戻すことができるようになりつつあるのはいいことかもしれません。ただ、「遺産分割合意を早くしないと預金を分割できないからお互い譲って早く合意しましょう」というインセンティブが世の中からなくなると、相続争いが長期化する危険もあるのかなぁと危惧もします。

今回は相続問題に付きものの相続預金の取り扱いについてお話ししました。
動いている話なので、専門家に相談して慎重に対処してください。

ぜひ相続問題は「なかた法律事務所」にご用命を。


広島市中区上八丁堀5-27-602
なかた法律事務所
弁護士 仲田 誠一

[相続]寄与分について (弁護士 桑原 亮)

こんにちは。
弁護士の桑原です。
 
2014年も1か月が過ぎ,2月に入りました。
そろそろ暖かい春が待ち遠しいですね。
 
ところで,私はなかた法律事務所に入所してまだ日は浅いですが,
相続に関する相談をよく目にするので,今回は相続についてお話をしたいと思います。
 
相続人が複数いる場合,共同相続人のある者が被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献をしていることがあります。
たとえば,ある父親に子どもたち3人がいる場合を想定してください(母親は既に亡くなっているものと仮定します)。
一生懸命父親の介護をしてきた長男のために亡くなった父親が遺言で多めに財産を与えてくれればよいのですが,そうではなく遺言がなされていない事例が多くあります。
原則として,遺言がない場合には長男の貢献は無視され,兄弟3人で均等に父親の財産を分けることになります。
しかし,これでは介護をした長男は不公平だと感じることでしょう。
そのため,公平の観点から,寄与分という制度が民法上認められています。
もっとも,民法上親子には扶養義務がありますから,子が親を扶養するのは当然です。そのため,寄与分は滅多に認められるものではありません。
たとえば,長男が自分の仕事を辞めて老齢の父親の介護に専念した結果,本来であれば父親が支払うはずの介護費用が長男の献身的な介護により不要になったような場合であれば,長男は介護のための費用を抑えることで親の財産の減少を食い止めてきたと評価されうるでしょう。
寄与分が認められたら,寄与者である長男の特別の寄与を考慮し,相続分から寄与分を控除して相続分算定の基礎財産とし,算定された相続分に寄与分を加えて寄与者の相続分とされることになります。
 
では,一生懸命介護をしてきた人が共同相続人ではない場合はどうでしょうか。
たとえば,先ほどの事例で3人兄弟の長男の妻が夫の父親の介護をしていたような場合です。
子の配偶者は相続人ではないので,このケースでは長男の配偶者に相続権はありませんし,したがって寄与分も認められません。
しかし,その配偶者の寄与を相続人の寄与と一体のものと考えたり,寄与した者を相続人の補助者として捉えることで,間接的に認めていくことができる場合もあります。
 
寄与分は,実務上容易に認められるものではない点にはご注意ください。
もし,お悩みを抱えておられる方がいらっしゃいましたら,一度弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。
 
後の相続を巡る紛争を予防するため,公平な遺言書の準備をしておくことをお勧めします。
また,介護や援助をされておられる方は,それらの記録をきちんと残しておくとよいでしょう。
 
広島の弁護士事務所
「なかた法律事務所」
弁護士 桑原亮

[相続]遺産について (弁護士 里村文香)

こんにちは。
 
弁護士の里村です。
当事務所のブログ再開にあたり,簡単に私の自己紹介をしたいと思います。
私は,高校,大学,大学院と広島で過ごし,約10か月ほど大分県にて司法修習を行い,平成23年12月,当事務所に入所しました。
地元広島で,広島のみなさんのお力になれればと思いながら,日々仕事に精進しております。
 
さて,今回は遺産にまつわるお話しを少しだけしたいと思います。
身寄りのない方,相続人のいない方が亡くなられた場合,その遺産は,どのように扱われるのでしょうか。
法律上,その遺産は,相続人がいない場合には,亡くなられた方と生計を同一にしていた人や,療養看護にあたっていた人など特別に縁故のあった人(特別縁故者といいます。)に与えられ,そういう人もいなければ,国に帰属することになっています。
 
「自分は特別縁故者にあたりそうだ」と考える人がその財産の分与を求めるにあたっては,家庭裁判所に対する申立てが必要です。
そして,亡くなられた方と特別な縁故があったというための証拠も必要になってきます。
「あの人とは深いかかわりがあった」などと言っていても,一方の方が亡くなられている以上,その方と特別な縁故にあったということを分かってもらうのは容易ではありません。
そのような場合には,生前どのような実質的なかかわりがあったのかを示したり,細かく述べたりする必要があります。
 
私が担当したケースでは,縁故者の方もご高齢で,かつ,生計を同一にしていたとか療養看護にあたっていたという事情もありませんでした。さしたる証拠もなく,申立ての際には,古い記憶を思い出してもらい,何度も聴き取りを重ね,申立てにこぎつけました。
残された方のために,遺言を書いておかれるのが一番だということを痛感した次第です。 
 
当事務所では,遺言に関するアドバイスや相続についての相談も広く取り扱っております。
お困りのことがあれば,ご相談いただければ幸いです。
 
以上
 
なかた法律事務所
弁護士 里村 文香
 
広島県広島市中区上八丁堀5-27
アーバンビュー上八丁堀602号
TEL 082-223-2900

このページのトップへ